子供の頃、箱の上に紙人形を置いてトントン叩いて相撲に見立てる遊びがあったことを覚えていますか?
「トントン相撲」(紙相撲)は、相撲取りの紙人形を土俵に見立てた箱の上に置き、箱の両端をお互いに指でトントンと叩く振動で、紙人形をぶつけて土俵の外に出して勝敗が決まる遊びです。
子供のころはよく遊びましたが、そのトントン相撲がVRによって更に面白くなるとみせたのが『トントンカノジョ』です。
2017年7月9日、『例のカノジョ ハッカソン』が都内某所で開催されました。OcufesなどVR体験イベントを開催してきた審査員、桜花一門が表彰した作品が『トントンカノジョ』(チーム:調布の大学)です。
箱を指でトントンするとフィギュアが動く
『トントンカノジョ』は実際に箱をトントンと指で叩くと、VR内の土俵に乗ったフィギュアサイズの女の子が振動に合わせて動き、敵モンスターを土俵の外に押し出したら勝ちというゲームです。
VR内には水着姿の女の子(夕陽さくら)がいます。敵はモンスターです。土俵に見立てた箱を指でトントンと叩くと、同じタイミングでVR内の夕陽さくらが振動します。同様に振動しながら近づいてくる敵モンスターにぶつかって土俵から落とすまで実際のトントン相撲そのものです。
現実で簡単にできるトントン相撲ですが、VRでただ単純に再現されているわけではありません。
現実と違うVRのトントン相撲の魅力は、紙に印刷した絵やフィギュアより、ずっと存在感があること。振動により女の子の胸などが揺れることやポーズが変わったり声が出ます。また、実際に大事なフィギュアを“土俵から落とす”ような遊びをしたいと思う人も少ないでしょう。フィギュアを壊すことなく安心して遊べるという点もポイントです。
VRならではの技として、プレイヤーの腕を顔の前で交差することでバリアを張り、相手の振動やモンスターに当たっても倒れないということもできましたが、トントン相撲としてリアルに作り過ぎてしまいバリアを使うプレイヤーがでなかったとのこと。
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ネットワーク対戦や、自分の好きなCGモデルを使うことができたり、必殺技が増えると更に楽しそうなゲームです。
リレースイッチで箱の振動をVRに反映
遊び方が単純であるがゆえに誰でもルールがわかり、楽しめます。
表彰式の様子
VRでアナログゲームを進化させる
VRを使ったゲーム、というとこれまでにない全く新しい発想が求められる、と思うこともあるかもしれませんが、意外と相性がいいのがアナログゲームです。
すでに一般配信されているゲームの中にも、カードゲームやボードゲームをVRで俯瞰視点からプレイするようなものがいくつか登場しています。
現実では出すことのできないエフェクトを再現したり、漫画『遊戯王』のようにモンスターを召喚したり、VRで再現することで表現の幅も一気に拡張します。
トントン相撲のようなシンプルなゲームでもVRで体験するとその面白さにのめり込んでしまう、VRの可能性が垣間見えるコンテンツでした。