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その他VRヘッドセット 2020.01.12

薄型・軽量VRデバイスはパナだけじゃない 「Pico VR Glass」登場

ラスベガスで開催されたCES2020では、各社の様々なVRヘッドセットがお披露目されました。

その中でも印象的だったのが、中国Pico社の新型VRデバイス「Pico VR Glass」です。

特長的なのが一目で分かるその見た目。通常のVRヘッドセットと比べても非常に小型・軽量です。サイズは160mm×78mm×26mm。重さはわずかに120gです。

この設計には、レンズが大きく影響しています。現行の多くのVRヘッドセットではフレネルレンズが使われています。フレネルレンズでは、ディスプレイの光線を目に集めるために、ディスプレイとの間に距離が必要となり、VRヘッドセットの形状は箱型になります。

Pico VR Glassでは、同社がデザインした新型のパンケーキレンズが採用されています。パンケーキレンズは、フレネルレンズと異なり、複数のレンズを重ねることでディスプレイと目の距離を縮めることが可能になります。

スマートフォンに有線で接続するタイプで、機能は頭を回転する3DoFのみ。コントローラーで操作を行います。その小型な形状ゆえに眼鏡をつけたまま体験できませんが、ヘッドセット下部のスライダーを動かしてピント調節が可能でした(筆者は視力0.03ほどですがクリアに見ることができる程度)。

解像度は1600×1600の2.3インチのLCDパネルを2枚使用しているとのこと。同じ3DoFのOculus Goよりも綺麗に見えます。視野角も90度と遜色なく、カクつきなどもない違和感のない体験ができました。コントローラーは向けている方向がずれやすい印象ですが、VRの体験自体は快適そのもの。後頭部にまではまる装着機構のおかげでズレることはありませんでした。


(側面はラバーもあり、没入感はばっちりだ)

スマートフォンと接続すればできる点は、小型、軽量なデザインと相まってカジュアルな用途に資するものです。

VRデバイスの軽量・小型化が進んでいます。CES2020では、パナソニックが眼鏡型の小型・軽量VRデバイスを発表しました。1インチのさらに小型なマイクロLEDを使用していました。VRヘッドセットを多く展開するOculusもVRヘッドセットの小型化に取り組んでいることが明らかになっています。

「Pico VR Glass」はその先駆けとも言えるデバイスです。法人向けに展開とのことでコンシューマー向けの展開はありませんが、今後6DoFへの対応などを行うのか、気になるところです。


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