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話題 2022.09.03

話題の防音Bluetoothマイク「mutalk」の実力を試してみた 室内でも気兼ねなく大声を出せるのか?

9月2日(金)、防音Bluetoothマイク「mutalk」の製品版が発表されました。株式会社Shiftallが発表した「メタバース向け製品」ラインナップのひとつで、口元に装着すれば、自分の周囲に聞こえる声を小さくできるデバイスです。

MoguLive編集部は、9月2日(金)に行われた「mutalk」の製品発表会および体験会に出席。一足先に、製品版の実力に触れてみました。

全ての「ネットに音声を発信する」人に向けたデバイス

「mutalk」は2022年1月にShiftallが発表した「メタバース向け製品」の一つですが、利用ターゲットとなる人はメタバースで遊ぶ人だけに限りません。配信や音声チャット、夜中に熱中してしまうゲーム、リモート会議など、この数年で急増した「ネットを通して音声を発信する人」全てがターゲットです。

「mutalk」の主な役割は、話し声や叫び声を「外に漏らさない」こと。「mutalk」装着中は、外部に聞こえる声は平均して20dB、叫び声などは30dBも軽減。通常の会話レベルの発声であれば、2m程度離れると発声内容がわからなくなります。

あわせて、「mutalk」の内側へ周囲の音声を入れないよう遮断する効果もあります。話し声や環境音、たとえば地下鉄のような「1m隣にいる人の会話が聞き取れないほどの騒音下」でも、クリアな音声収録を実現します。

「mutalk」のもたらす効果を、Shiftall代表取締役の岩佐琢磨氏が実演を披露してくれました。筆者から2mほど離れた位置でも、マイクを使わなくてもしっかり届く岩佐氏の声ですが、「mutalk」装着中は「注意深く耳を傾けてやっと聞こえる」くらいに音量が低減されました。

あわせて、「mutalk」の音声収録デモも紹介されました。鼻が外部に露出する形状のため、若干鼻声のように聞こえますが、音質そのものは十分。「mutalk」を使用していると聞かされなければ、もしかすると「風邪気味かな?」と感じるくらいです。

これらの遮音性は、全てデバイスの構造だけで成立しているとのこと。遮音の仕組みは簡潔に表現すると「車のマフラー」のようなもので、電源OFFでも遮音性は発揮されます。内部は吸湿クッションの下にマイクが内蔵されており、吸湿クッションと顔に触れるマウスパッドは簡単に脱着できます。水洗いもできるため、清潔に保つことができます。

夜間の長時間運用が多いVRメタバースやゲーム用途に向けて、専用バンドを用いて口元に装着することができます。首の後ろで固定するバンドと、項から後頭部に引っ掛けるバンドで、2箇所から支える形です。

オンライン会議のような常時装着の必要が薄いシーンでは、発話の時にだけ手で持って使うことも可能です。こうした使い方に適した機能として、内蔵された加速度センサーによって、先端を下にして置くと自動で音声ミュートになります。発話のたびに会議ツールのマイクを切り替える必要がないのは便利です。

また、スマートフォンでも手軽に扱えるように、「mutalk」本体には3.5mmステレオミニジャックが搭載されています。イヤホンを差し込むことで、Bluetooth接続ヘッドセットのように扱うこともできます。なお、PCからはBlooetoothマイクとして認識されるため、ボイスチェンジャーと併用することもできます。

実際に「mutalk」をつけて叫んでみた

一通りの製品説明ののち、筆者も体験してみました。

まずは遮音性から。口元に「mutalk」をあてがったあと、かなり大きめの音量で「あーーー!!!!!」と叫んでみました。

しかし、周囲が振り向くことはなく、たまたま体験の様子を見ていた人が「なんか叫んでました?」と尋ねるほど。意識が向いていなければ気づくこともなく、意識を向けていても小さく聞こえるということは、遮音性は相当なものでしょう。

次に音質について。「mutalk」から聞こえる自分の声をヘッドホンで確認してみました。声質はたしかに鼻声っぽくなり、普通のマイクとは異なります。しかし音質はクリアで、以前体験したプロトタイプよりも向上した印象です。特段声質を気にするシーン以外では合格ライン。気になる人は呼吸音をソフトウェアなどで抑えてあげるのもよいでしょう。


プロトタイプから大きく変わった専用バンドを用いた装着も試してみました。装着順は頭頂部から首の後ろの順が簡単です。安定感はプロトタイプから大きく改善。本体がコンパクトになったのと、2箇所で支える構造によって、無理なく顔面にフィットします。

VRヘッドセットとの併用も問題ありません。「Meta Quest 2」のようなインサイドアウト方式のヘッドセットの場合、トラッキング用カメラを阻害する可能性はゼロではないとのことですが、軽く動かしてみた範囲ではトラッキングに破綻は生じませんでした。

ちなみに、下へズラしてアゴにかけることで、口元を露出できます。いちおうこの状態で飲み物を飲めますが、こぼした時がちょっと怖いので、フタ付きのドリンクを持ってくるのが安全でしょう。

2万円で手に入るお手軽防音設備として

プロトタイプの時点では「常時装着は厳しい」と思っていた「mutalk」ですが、製品版は様々なところが大きく改善していました。遮音性も使い勝手も向上しており、これならば普段使いもいけるだろうという手応えを感じました。

日々「VRChat」に入り浸っている人だけでなく、家族と同居する人が自宅でリモート会議に参加するときや、カフェなどであまり人に聞かれたくないリモート通話をしたいときなど、コロナ禍で需要の増えた「何気ないオンライン会話」でも扱いやすい点もポイント。最初は「手持ちの防音マイク」として買った後、VRヘッドセットを入手したタイミングで併用してみる、というのもアリでしょう。

集合住宅に住む人の多い日本では、「大声で周りに迷惑をかけたくない」というニーズは多くの人が持っているものです。そして、防音室を用意するよりかは、「mutalk」を一台買う方がお手軽でしょう。

「mutalk」は、希望小売価格19,900円(税込)で、9月2日より予約開始。11月〜12月に発売予定です。2万円以内で、周りを気にせず、楽しい会話や大事な会話ができる環境が手に入りますよ!

製品詳細

品名

mutalk

製品型番

SVP-OD1W

希望小売価格

19,900円(税込)

動作時間

8時間連続利用可能

充電方式

USB充電(Type-C)、充電時間 約1時間

マイク入力感度

-51dB±3.5dB

マイク周波数帯域

100Hz-10,000Hz

本体サイズ

W123mm×H107.5mm×D67mm

重量

183g(本体のみ)

通信方式

Bluetooth® Ver.5.1

対応プロファイル

HSP, HFP

イヤホンジャック

3.5mmステレオミニジャック

本体対応OS

Windows 10以降
macOS v11以降 / macOS v10.13以降
iOS 13.4以降 / iPadOS 13.4以降
Android 10以降

アプリ対応OS

iOS13.4以降 / Android 10以降

付属品

mutalk本体、マウスパッド、吸湿クッション、ヘッドバンド、USBケーブル、安全上のご注意/保証書

製品ページはこちら: https://ja.shiftall.net/products/mutalk

(参考)公式サイト


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