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話題 2022.07.21

「マインクラフト」はNFTやブロックチェーン技術をサポートしない 運営企業が明言

7月20日(水)人気サンドボックスゲーム「Minecraft(マインクラフト)」を手掛けるMojangは、公式サイトでNFTに対するスタンスを表明しました。現時点では、NFTをサポートしない(利用を許可しない)姿勢であると語っています。

NFTとは、非代替性トークンの略称。ブロックチェーンを活用しており、編集できないトークンであることが特徴です。現在は、デジタルアート(jpegファイルなどを使用)と連携して使用されることが多く、アート作品の購入時に、デジタルファイルの所有権を示す形でNFTを付与する活用例が増加しています。

Mojangによると、「NFTとブロックチェーンに対する立場を明確化してほしい」という、コミュニティメンバーからのフィードバックがあったとのこと。

同社は、NFTとブロックチェーンについて、価格が急激に上下する投機であるとみなしていると説明。現在準備が進められている「マインクラフト」の新ガイドラインでは、全員が同じコンテンツにアクセスできるコミュニティであり続けることを規定しており、NFTは、ガイドラインに反する「希少性と排除のモデル」を生む可能性があり、Minecraftのゲーム本来の価値観である「creative inclusion and playing together(※皆で創作して一緒に遊べる環境の意味」)と一致しないと説明しています。

またNFT自体の不安定さにも言及し、サードパーティ製NFTの中には信頼性が低く、ブロックチェーン技術に依存しているものも含まれており「予告なく姿を消す可能性のある」アセットマネージャーを必要とする場合があると指摘。NFTが不当な(吊り上げられた)価格で販売された例もあると論じています。

そのため、ブロックチェーンをサーバーやクライアントに統合することは禁止され、同技術を使用したMODなども許可されないとのこと。NFTの投資・投機性は、ゲームのプレイから焦点を遠ざけ、利益追求を助長するものであり、プレイヤーの成功体験と矛盾すると考えていると同社は説明しています。

Mojangは、ブロックチェーン技術自体の発展は注視するものの、今すぐ「マインクラフト」に導入する予定はないとしています。

メタバースの文脈でも注目される「マインクラフト」、その行方は?

現在のマインクラフトではクラフトゲームとしてだけでなく、現実の有名な建築物を再現してバーチャル観光を体験するといったメタバース的な利用方法も注目されています。

2021年11月には「ウォルト・ディズニー・ワールド」の公式ワールドが登場したことで話題となりました。また、2022年3月には韓国の大学がゲーム内で入学式イベントを行うといったケースもありました。

メタバースプラットフォームではNFTが活用される事例も一部見られますが、今回Mojangはそれとは異なるスタンスを明示した形です。今回の明言がユーザーにとってどのような影響を与えることになるのか、引き続き注目です。

(参考)マインクラフト公式サイト


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