2025年8月に早期アクセス版がリリースされた、Meta Quest向け無料動物アドベンチャー「UG」。本作が、海外の若いVRプレイヤー間で、大きな支持を集めているとして注目を集めています。12月現在、Quest公式ストアでのレビュー数は18万件超え。週間DLランキングでは、同ジャンルの“先輩”である、「Gorilla Tag」や「Animal Company」を抑えて、第1位を記録したこともあります。
なぜ本作が、そこまでの急成長を見せているのか。どのようなプレイヤーたちがプラットフォーム内に集まっているのか。実際に確かめてみました。
そもそも「UG」とは?
「UG」では、プレイヤーは上半身だけのサルとなり、広大なフィールドで冒険したり他プレイヤーと交流したりできます。
ゲームシステムもデザインも、人気ゴリラVRゲーム「Gorilla Tag」に近いタイトルですが、両者を比較すると「UG」の方が、よりポップな雰囲気なのが特徴。恐竜を卵から孵化させてコレクションしたり、乗り物として利用したりといった独自の要素も実装されています。
「UG」を起動すると、まず基本操作のチュートリアルが開始。ゴリラのように、手(ハンドコントローラー)を“掻いて”進む仕組みや、恐竜の乗り方などを学べます。
それが終わると、メインマップへと移動。マッチングは自動的に行われ、そのままユーザーたちのいる世界に飛び込むことになります。
とにかく目立つプレイヤーの“若さ”
筆者がプレイした感想としては、「Gorilla Tag」や「Animal Company」よりも更に若いプレイヤーが本作を遊んでいるように感じました。
記事のために、いくつかのセッションを見て回りましたが、どのワールドもプレイヤー間で、牧歌的なコミュニティが形成されていました。中央広場で雑談しているグループがいたり、何人かで走り回っていたりと、まるで放課後の公園のような雰囲気。他プレイヤーが歌って歩き回るといった行動をしても、誰も文句を言っていなかったのが、個人的に印象的でした。
ゲーム内コミュニティがこのような形に成長した背景には、「UG」の作風が影響している部分があると思われます。本作は、同じく10代のプレイヤーが多いとされている「Animal Company」と比べて、PVP要素が薄く、グロテスクな表現も抑えられており、より親しみやすい作風となっています。
VRゲームでは「GORN」や「デッドプールVR」のようにグロテスク描写が激しく、派手なアクションのタイトルが一定の支持を集めてる傾向があり、若年層ユーザー向けの作品でもそうした描写のある作品が市場に散見される状態ですが、そういった表現の少ない「UG」に、ライト層プレイヤーが集中しているのかもしれません。あるいは、VRゲームを管理する保護者側から見ても、デザイン的に子供向けに見える「UG」を子どもたちに勧めやすいといった事情も想像できます。
このような事象が重なった結果、「(基本的には)子供たちだけの場所」が形成され、大人が少なく遊びやすい場として、口コミ的に大きな人気が広がっていったのではないでしょうか? 実際、Meta Questでの評価レビューを探ってみると(悪質なユーザーへのクレームやシステムの問題点を指摘する声も散見されるものの)「コミュニティがフレンドリー」「恐竜への愛が深まる」といった感想も見られました。

(明るい色使いのポップなグラフィック)
また「UG」の公式YouTubeでは、開発状況や遊び方を説明するショート動画が精力的に公開されており、数十万回の平均再生数を記録しています。こういった動画も子供たちを惹きつけるきっかけになっている印象です。
なお海外掲示板「Reddit」では、「UG」よりも「Animal Company」の方が、多くのアクティブ人数があります。普段ネットに“深く触れていない”ユーザー層が「UG」の側に寄っている、という傾向もありそうです。
「VR=ゴリラ」が常識化しつつある?
アメリカでは若年層へのVRゲームの定着が進んでいますが「上半身だけ動物になって冒険する」というシステムを採用した「UG」「Gorilla Tag」「Animal Company」が相次いでヒットしているのは、興味深い現象です。「VRのゲーム=Gorilla Tag系」といったイメージが、若いプレイヤー層に形成されつつある可能性もあります。
これらの作品の基本システムは、実質的にほぼ同じ。特殊なギミックや複雑なアクションも無いことから、こういったゲームを遊ぶプレイヤーは、ユニークなゲーム性をあまり重視していないことが推察されます。筆者が見た限りでは、「UG」の場合、遊んでいる子供たちは特にコミュニケーションや、共有できる遊び場としての要素を重視しているように感じました。
ところで、アメリカでは治安などの課題から、小さな子供だけで外遊びをする機会がかなり限られています。「プレイデート」と呼ばれる、親同士が事前に遊ぶタイミングを決めて、子供に同伴して遊ぶ形式が主流で、州によっては一定の年齢以下の子供を1人にすることに、罰則を設けているところもあります。
そういった状況の子どもたちに、気兼ねなく集まれる場所を提供できたことも、「UG」や「Animal Company」が伸びた理由なのかもしれません。この点に関しては今後深く調べてみると、興味深い発見がありそうです。
UGのストアサイトはこちら:https://www.meta.com/ja-jp/experiences/ug/8485526434899813/?srsltid=AfmBOop4mUTIkfG_wkfiJ60MExltBbACoAQ9WBnH4-JB5j48706-oZ8I
執筆:井文










