バーチャルシンガーが多数所属するクリエイティブレーベル「KAMITSUBAKI STUDIO」が原作のTVアニメ「神椿市建設中。」が放送を開始しました。同スタジオの集大成となるプロジェクトですが、「神椿市」はゲームや謎解きなど複数のメディアにまたがるコンテンツのため、初見の視聴者にとっては、どのように見ればいいか分かりにくいかもしれません。
本記事では、今回のアニメは知らない人が見ても楽しめるのか、深く楽しむなら神椿のどのコンテンツを追うとよいのかなどを解説します。
「神椿市」とはどんなコンテンツだったかを振り返る
まず大前提として、「KAMITSUBAKI STADIO」はさまざまなアーティストやクリエイターが所属しているスタジオです。VTuberムーブメントが始まった2018年頃にバーチャルシンガーの花譜さんが活動を開始し、音楽を中心としたコンテンツに力を入れてきました。花譜さんが参加したMAISONdesの「トウキョウ・シャンディ・ランデヴ※」や、TikTokで流行した理芽さんの「食虫植物」のヒットで歌声を知っている方もいるでしょう
他にも春猿火さん、ヰ世界情緒さん、幸祜さんといったバーチャルシンガーが所属しており、5名が「V.W.P」という音楽ユニットで活動することも。この5名のバーチャルシンガーの活動が後述する「神椿市」のベースとなっているため、彼女たちのこれまでの歩みを押さえておくと、アニメもより楽しめるはずです。
※本楽曲のレーベルはソニー・ミュージックレーベルズ。
そして「KAMITSUBAKI STADIO」が、音楽活動と同時展開してきたのが「神椿市」というIPプロジェクトです。このプロジェクトでは「神椿市」という架空の都市を舞台として、バーチャルシンガーに酷似した独自のキャラクターが活動しているという世界観を押し出し、ビジュアルノベルゲームやリズムゲーム、VRゲーム(※現在開発中)、メタバースプロジェクト(※現在方針を転換中)など、さまざまなメディアミックス展開を行ってきています。また、バーチャルシンガーたちのリアルライブの舞台設計や、MVに使用されるフレーバーテキストにも「神椿市」のプロジェクトとリンクするような部分が見られます。
特にこのプロジェクトの中核になったのが、スマートフォンやDiscordサーバーを利用した謎解きコンテンツ「神椿市建設中。EMERGENCE」です。2021年のコロナ禍において、多数のプレイヤーがリアルタイムに謎を解いていく代替現実ゲーム(ARG)に参加し、神椿市の世界観が多くの人に知られるきっかけとなりました。
神椿市自体が大きな謎を秘めた空間となっており、世界観の全容を知るには、個々の作品を全部体験しながら考察を深める必要がありました。今も物語の奥行きが広がり続けているので、今回のアニメがこれまでの神椿市とどれだけリンクするのかは、現時点では分かりません。
本作をアニメから初めて見ても大丈夫?
TVアニメ「神椿市建設中。」は、7年前に大災害が発生した神椿市を舞台に、「魔女の娘」と呼ばれる五人の少女たちが、歌声を武器に、怪物「テセラクター」と戦っていくといった内容です。
主人公は森先化歩というキャラクター。見た目は花譜さんとかなり酷似していますが、あくまで花譜さんの演じる別の人物です。他のバーチャルシンガーたちも同様で、「バーチャルシンガー≠登場人物」であると捉えておくと良いでしょう。そのため、シンガー本人たちの普段の性格や言動と、一致しない部分も多くあります。アニメから「KAMITSUBAKI STADIO」を知るという方は、まずはその点に注意してください。
現在放送しているのは、「第0話 魔女の娘 -Witchling- 前篇」と「第1話 魔女の娘 -Witchling- 後篇」の2話。劇場先行版もありましたが、基本的に上記の2話を再構築したもののため、テレビアニメ版から見ても問題ありません。プライムビデオなどの配信ではディレクターズカット版が配信されていますが、こちらを見ても大丈夫でしょう。
アニメとしては派手なシーンやアクションシーンが多く、スピード感のある展開が特徴です。開始早々、重要な登場人物が死ぬシーンがあるため、ややハード寄りな内容となっています。また、現時点で物語や登場人物、世界観など謎がとても多く、現時点では説明されていない難解な部分もあります。その一方で主人公「森先 化歩」の過去から現在までのストーリーは、(駆け足気味ながら)シリーズ初見の視聴者を考慮した分かりやすい展開となっています。
また、すでに「神椿市」のプロジェクトを追ってきたファンにとっては、これまで描かれてきた設定との違いに気づき、よりアニメ本編への考察を深めて楽しむといったこともできます。今回のアニメはアドベンチャーゲーム「神椿市建設中。REGENERATE」と共通している部分が多いため、さらに世界観を知りたいなら、まずはそちらをプレイするのも手です。プロデューサーも、こちらのゲームがシリーズの重要な立ち位置であると語っており、謎解きに参加していないユーザーでも楽しめる内容になっています。
・神椿市建設中。REGENERATE(Steam)
https://store.steampowered.com/app/2353340/REGENERATE/
基本的にド派手なビジュアルやアクション、音楽を同時に楽しめる作品のため、初見の視聴者は、まず“アニメ作品”として楽しんでみるのがいいかもしれません。
まとめると、しっかりとストーリーと世界観を知りたいなら、ビジュアルゲームのプレイがおすすめ。花譜さんなどバーチャルシンガーたちの歌っている曲を知りたいなら、YouTubeにミュージックビデオが公開されています。アニメを通して好きになっていったなら、今後配信されるさまざまなコンテンツも触っていくことで、神椿市の深みにどっぷりとハマれるかもしれません。
TVアニメ「神椿市建設中。」の公式サイトはこちら。
https://kamitsubaki-anime.jp/



