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銀座の一等地で700名がVR体験 本格派RPGからナマコまで

2018年1月13日から14日の2日間にわたり、東京・銀座フェニックスプラザにて「Japan VR Fest 2018銀座」が開催されました。



「Japan VR Fest」は、VR制作者の発表の場と人脈のハブとなること、多くの人にVR体験する機会を提供することなどを目的として、旧「Ocufes」の時代から年に数回開催されているイベントです。

これまで秋葉原などで開催されてきた同イベントですが、今回の会場は東京の銀座、それも和光ビルや歌舞伎座といったランドマークからすぐ近くでの開催です。そのため“世界一地代の高い場所で行われるVR体験会”として、“ 銀VR(ぎんう゛ぃら)”の愛称がつけられていました。

このように、過去の開催とは会場の雰囲気がやや異なるものでしたが、主催者発表によると両日とも350名、計700名もの来場者があったとのことで、会場は非常に賑わっていました。

しかも今回は、1日目と2日目で出展の内容がすべて入れ替わるという形になっており、両日を合わせて約50ものVR作品に触れることができました。そこでこのレポートでは、各開催日の出展の中から興味深いものをピックアップし、1日目と2日目の2回に分けてご紹介します。

株式会社よむネコ:Project BK(仮題)

株式会社よむネコが現在制作中の『Project BK(仮題)』は、VRならではの新しいRPG体験を作り出すことを目指した完全新作タイトルです。初公開となった今回のイベントでは、剣や魔法を使って戦うバトルシステムをいち早く味わえるデモ版が用意されていました。

このデモ版では、プレイヤーは重厚な甲冑を身につけた戦士になりきって、同様の重装備で固めた敵と戦いを繰り広げることになります。主人公は、右手の剣でなぎ払いや突きを繰り出すことができるのに加えて、左手の盾で防御も可能。さらに、ボタンで剣から魔法に切り替えたのち、右手を構えることで魔法を溜めることで、離れた位置の敵を目がけて魔法を放つこともできます。

また移動は、右手のトリガーを引いた状態で頭を前後左右に振ると、その方向に進んでいきます。筆者は戦闘に夢中になるとついトリガー引くのを忘れて慌ててしまったものの、移動そのものは非常にスムーズに動くことができました。

本作はなにより、重厚なファンタジー世界を描き出す緻密なグラフィックが圧巻です。異世界に入り込んだ感覚を存分に味わうことができます。また、アクションのレスポンスも快適で、敵と1対1で向き合いながらジリジリと接近し、相手の攻撃を盾で防ぎつつ剣で一閃する、といった攻防の緊迫感が非常にリアルに伝わってきました。

体験の後半は複数の敵が入り乱れる大戦闘となるのですが、その際にはNPCの仲間が加勢して援護してくれます。ちなみに製品版ではオンライン協力プレイに対応し、一緒に冒険できるようになるとのことです。また、今回の体験ではOculus RiftとOculus Touchが使用されていましたが、製品版はHTC Viveにも対応する予定になっているそうです。

ここまでお伝えしてきたように、ゲームとして非常に力の入ったタイトルであり、VRに対する一般の人々のイメージをも変えるだけのポテンシャルがあると感じました。会場でも大きな注目を集めており、整理券の配布がお昼過ぎには終了してしまうほどの人気ぶりでした。今後、体験者の意見を採り入れながらさらに完成度を上げていくとのことで、大いに注目したい作品です。

制作:株式会社よむネコ
使用デバイス:Oculus Rift、Oculus Touch

株式会社ヴァンガード:Sky phantom


株式会社ヴァンガードの『Sky phantom』は、戦闘機型と人型に自由に変形できるメカ「Phantom」を駆り、空中を飛行して敵を倒していく360度VRシューティングゲームです。

「Phantom」の移動自体は自動なので、プレイヤーは周囲を見回し、視線で敵に照準を合わせて撃墜することに集中できます。攻撃方法は機体の形状ごとに異なっており、戦闘機型は複数の敵をロックオンできるホーミングミサイル、人型は自動で連射されるガトリング砲となっています。

戦闘機型は高速で飛行して、多数の敵をまとめてロックオンして一度に撃墜できる爽快感を味わえます。一方、人型はその場に留まってガトリング砲で敵に連射を浴びせるという、戦略性重視の戦闘スタイルです。この2種類の形状を状況に応じて切り替えることが、本作のポイントとなっています。

視線の正面に常に自機が表示されている、いわゆるTPS(第3者視点)タイプですが、周囲360度を見回しながら敵と戦うことで、VRならではの臨場感も十分に感じられました。機体の変形もスムーズで、人型から戦闘機型に変形するとギュイーン! と加速して飛行していく感覚が気持ちよかったです。

会場ではGear VRでの体験となっていましたが、現在、Oculus Goのローンチに合わせて開発を行っているとのこと。製品版の登場が楽しみです。

制作:株式会社ヴァンガード
使用デバイス:Gear VR

Makery:IKEBANA VR EXPERIENCE

「IKEBANA VR EXPERIENCE」はそのタイトルどおり、日本の伝統的な生け花の作法を、VRの和室空間で体験できるというWindows MR用のコンテンツです。花を切り揃えて花器に生けていく一連の流れを、ガイドに沿って行うことで誰でも気軽に体験できます。

左手のコントローラーで花を手に取ると、右手のコントローラーがハサミになっているので、茎の長さを自分の思いのままに切り揃えることができます。このとき、花の茎を水中で切る“水切り”の作法は、恥ずかしながら筆者はこの体験で初めて知りました。

花器に花を生ける際も、ガイドによって基本となる配置を教えてもらえます。本作の開発に当たっては、草月流の師範による監修を受けているとのこと。

ふだんはなかなかできない体験を気軽に味わうことができるというのも、VRならではの魅力でしょう。体験していくうちに、自分の中で自然と襟を正して神妙な面持ちになるのが感じられたのが、非常に興味深いところでした。このように日本の伝統文化を実感できるコンテンツだけに、海外での反響も期待できそうです。

制作:BBmedia inc.
使用デバイス:AH101(Acer)

株式会社ケイズデザインラボ:バーチャル柔軟生物に対する触覚インタラクション(ナマコVR)

VRの体験は視覚だけのものではありません。ほかにも聴覚や嗅覚など、さまざまな感覚のインタラクションを提示することで、VR空間をよりリアルに実感できる取り組みが行われています。

北学院大学とケイズデザインラボの共同開発による「バーチャル柔軟生物に対する触覚インタラクション」は、「ナマコVR」という呼び方のほうが、よりストレートに内容が伝わるでしょう。こちらのVRコンテンツでは、HTC Viveのヘッドマウントディスプレイを装着した状態で、ペン型の触感デバイスを操作することで、VR空間にいるナマコをつついたりなでたりして、その感触を体感できるというものです。


最初は「いったいなぜナマコを?」と思うのですが、実際に“触って”みると、そのぷにぷにとした弾力や、適度にザラザラとした表面の感触が絶妙に伝わってきて、そのチョイスに納得できました。体験の途中でナマコの固さや表面の滑らかさが変化して、その感触の違いをはっきり確認できるのも、非常に興味深いポイントとなっていました。

キモカワ系のインパクトある体験として誰もが素直に驚くことのできる内容ですが、その一方で、触感のインタラクトについての新たな可能性も感じられるコンテンツだと言えるでしょう。

制作:株式会社ケイズデザインラボ
使用デバイス:HTC Vive

この記事を書いた人

伊藤誠之介
いろんなところで、ゲームやアニメに関する記事を執筆しています。新たなエンターテインメントとしてのVRにも興味シンシンの、元マイコン少年です。 Twitter:@ito_seinosuke
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