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話題 2018.12.19

紛争地帯の相互理解にVR イスラエルでパレスチナ人の家庭を体験

歴史的に長期間の紛争が続く中東・パレスチナ地区。紛争解決に一石を投じるため、イスラエル博物館でVRを活用した展示会が開催されています。この展示会は、イスラエル人とパレスチナ人の相互理解の促進と、文化的ステレオタイプの打破を目的としたもの。展覧会では、パレスチナ人の一般的な家庭の日常風景を、VRを通して体験できます。

隣り合った2つの民族

展示会のVR体験室は、1つの部屋が中央で2分された作りになっています。左側はイスラエル人の一般家庭のリビングを、右側はパレスチナ人の一般家庭のリビングをイメージして作られています。

パレスチナ側の席に座り用意されたVRゴーグルを使用すると、360度動画で制作されたパレスチナ人家庭の日常風景が、眼前に広がります。映像では、家族で揃って食事をするパレスチナ人一家の姿や、お気に入りの歌手について語る一家の女の子、語りかけてくる男性の姿などを見ることができます。

長期にわたって紛争の続くパレスチナ

イスラエルとパレスチナは、イスラエルが建国された1948年以降、長年にわたって紛争状態にあります。紛争は現在も続いており、イスラエルとパレスチナの関係は非常に険悪で
す。パレスチナを訪れた経験のないイスラエル人も少なくありません。

パレスチナ人居住区の近くで育ったイスラエル人のアーティスト Danial Landau氏は、イスラエル人とパレスチナ人の現在の関係について、以下のように語りました。「我々は、長年の紛争で引き裂かれてしまいました。地理的には(イスラエル人とパレスチナ人は)隣人ですが、日常的な交流や関係性を築くのは非常に困難です」。

今回の展示会が開催されたイスラエル博物館は、エルサレムの西部、パレスチナ人居住区の近くに位置しています。イスラエル博物館は、今回のような展覧会の開催のみならず、考古学的な価値の高い遺物から芸術作品まで、様々な価値ある物品の収集で知られています。

(参考)Aljazeera


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