VR体験施設「IMMERSIVE JOURNEY(イマーシブジャーニー)横浜」で、新作VR作品「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERSーピラミッド建造者の秘密ー」が公開されました。
本作は、第一弾作品『Horizon of Khufu』に引き続く古代エジプトVR第二弾として位置づけられつつも、ピラミッド建造者達に焦点を当てられており、『Horizon of Khufu』とはまた違った角度からピラミッドや古代エジプトに注目する内容になっています。
第一弾でファイルーズあい氏が声を担当していたガイド役モナ、沢城みゆき氏が声を担当していたバステトは配役そのままに本作でも再登場し、さらに本作では江原正士氏が声を演じるスフィンクスが新たに登場します。
本記事では、新作「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERSーピラミッド建造者の秘密ー」の模様をレポートします。
あわせて、IMMERSIVE JOURNEYを運営するCinemaLeap社の代表大橋 哲也氏にインタビューを実施。現在全国に店舗を拡大しつつあり好調なIMMERSIVE JOURNEYの人気の秘訣、そして今後の展望について迫ります。
「もっと古代エジプトを知りたい、探検したい!」の好奇心に答える
新作「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERSーピラミッド建造者の秘密ー」は、クフ王など特権的な階級に居る人物よりむしろ、実際にピラミッドに一つ一つ石を積むような仕事に従事した労働者や、彼らの働きに着目した内容になっています。彼らと会ったり、同じ船に同乗する体験を通して「あの巨大なピラミッドは、古代エジプトで人間の手によって作られたものである」という実感が得られるようなものに仕上がっていました。
そんな体験をガイドしてくれるのがモナとバステトです。そして本作の謎の要を担っているのがスフィンクスです。その三者を声で演じる俳優陣の上質な演技が、本作への没入体験をよりわくわくするものへと高めていました。
体験の快適度も前作同様に高かったです。基本的にどこでもモナが先導して歩いてくれるので、どちらの方向にどのぐらいのスピードで向かえば良いかが感覚的にわかりやすく、また、現地の体験スペース自体が約1,000㎡と広いため、ある程度人がいても歩き回りやすく、没入感を得やすいです。

体験者に求められるアクションは「歩くor車椅子で移動する」「見る」「聴く」のみなので、VRに不慣れな人でも、幅広い年代の方が快適に楽しめます。
一作目の「Horizon of Khufu」を楽しめた方はもちろんのこと、未体験の方でも十分に楽しめる内容になっていたように感じました。
解説内容にも厚みがあるので、二度三度と、複数回体験してもその度に新たな発見や学びがありそうです。
3D空間、きちんと専門家の監修が入った解説内容、声の演技、どれをとっても上質な内容でした。
気になった点は、体験中に暗転の場面転換シーンが多い区間があり、その度に一瞬前のシーンとの繋がりを考えることに気持ちを持って行かれることです。移動や経過時間のショートカットなど、「短時間での充実したストーリー体験」ということを考えれば必須の演出かもしれませんが、せっかくの高品質なVR空間なのでもう少し「一つの空間と一つの時間の流れ」というところをもっと楽しみたいという気持ちもありました。また、そろそろ「歩く」以外のインタラクティブ性(例えば「触る」「持つ」など)のある作品も体験してみたいという点です。来場者を飽きさせないこととの両立が難しいところだとは思いますが、さらなる工夫に期待したいです。
ただ、少なくとも前作までの2作を楽しめた人であればきっと本作も楽しめるであろうという確度の高い仕上がりになっていたことは間違いありません。
体験前後で感じられる「わくわく感」も進化
開業時から新作が公開される度にIMMERSIVE JOURNEY イマーシブジャーニー 横浜に訪れていますが、訪問してまず驚いたのは、今回も平日日中にも関わらず来場者が多かったことです。割合としては比較的女性が多く、しかし女性だけに限らず家族連れやカップルなど、幅広い年代の方が多かったです。
訪問してみるとわかりますが、イマーシブジャーニー 横浜は路面店ではないため、立地的にはなかなか飛び込みのお客さんが「たまたま通りがかったので来ました」とはなりにくい場所にあります。つまり、来場者は最初からここを目的でこの場所に訪問している方がほとんどだと思われます。開業1年半を迎えて未だこれだけの盛り上がりがあることにも驚きです。現地に向かう道中の横浜駅構内でも、イマーシブジャーニーのショップバックを持った方とすれ違う場面もありました。
施設内ショップも昨年訪れた時よりさらに充実度が増していました。作品と関連したグッズの他、イマーシブジャーニーのオリジナルグッズや、アソビル内の飲食店とのコラボメニューの掲示などもあり、体験前後で感じられる「わくわく感」が進化していることとともに、施設運営の好調さも感じられます。

(イマーシブジャーニーオリジナルグッズ)

(作品関連グッズ販売の様子)

(コラボメニューの掲示)
IMMERSIVE JOURNEY代表大橋氏インタビュー
先行体験後、IMMERSIVE JOURNEYイマーシブジャーニーの運営会社、株式会社CinemaLeapの代表取締役大橋 哲也氏からお話を聴きました。
――今回約1年ぶり、3作品目の新作公開ということですが、このタイミングで「新たにピラミッドについての作品を」となったのはなぜでしょうか?
大橋氏:元々、今公開している作品は3作品ともフランスのExcurioという会社からライセンス提供を受けて上映を行っています。そのExcurio社が去年の年末あたりにこの「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERSーピラミッド建造者の秘密ー」が完成したことをフランスで発表しており、それを弊社メンバーも現地へ見に行ったんです。1作目の「Horizon of Khufu」が非常に特に突出してヒットしたっていう背景があったので、またもう1作品新たに同じエジプトのテーマで発表すれば、もう1度お客様に足を運んでいただける機会が増えるのではないかということも期待して、「今のタイミングを出してみよう」ということになりました。
――「『Horizon of Khufu』がヒットした」というのは、世界的にも、日本のイマーシブジャーニーでもどちらもということでしょうか?
大橋氏:そうですね。世界ではすでに260万人の方が「Horizon of Khufu」の体験をしていますし、日本でも「Horizon of Khufu」は人気です。そして「Horizon of Khufu」と今回の「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERS」この2つの作品は、同じ古代エジプトでも描いている部分がそれぞれ違っているので、両方楽しんでいただけるものになっているかなと思います。
――実際に今日も平日ですが、会場には多くのお客さんがいらしています。開業当初から同等、もしくはそれ以上の人気を博し続けているように見えますが、その点についてはどのように受け止めていますか?
大橋氏:最初は「どのくらいこの人気が続くかな?」と思っていましたが、定期的にコンテンツを追加してこれたことが大きかったと思います。
――今現在はどういったきっかけでの来場が多いのでしょうか?
大橋氏:やっぱり最初のきっかけとしては口コミだったりとか、「SNSで見て」みたいなことだったりが多いです。それで一度来場して「良かったから」と他の方を連れて再度お越しいただけたり、ということが多いです。
――横浜店は、アソビル3階の奥側という、なかなか「たまたま通りがかったから来ました」という飛び込みのお客さんを獲得するのは難しそうな立地ですが、それでもそういった形で多くの人に来場してもらえているわけですね。
大橋氏:駅からも近く、アソビルも巨大なショッピングモールではない4階建ての商業施設の3階ということで辿り着きやすく、「イマーシブジャーニーに行きたい」と思って来てくださるお客様にとって来やすい立地を目指してこの場所を選んだことが、功を奏しているように感じています。
――今年開業した名古屋店についてはいかがでしょうか?
大橋氏:まず名古屋の方も栄駅からすぐの、アクセスの良い場所に立地していて、そちらももちろんついででお越しくださる方もいらっしゃるとは思いますが、基本的にはイマーシブジャーニーを目掛けて来ていただく方が多いのかなという印象です。
――逆に言えば、最初からイマーシブジャーニー目掛けて来てくださるお客さんが多いから、駅からのアクセスさえ良ければ、ちょっと飛び込みで入りづらいような場所にあってもお客さんに来てもらえるような状態になっている、ということでしょうか?
大橋氏:今のところそういう印象です。
――来年開業が発表されている3店舗目の広島店についてはいかがでしょうか?
大橋氏:パセーラという施設に出店予定なのですが、そこのリニューアルを手がけるNTT都市開発さんが「体験型のコンテンツやエンタメをここに集結させていきたい!」という思いから弊社にお声がけくださったという、そういうご縁があって広島にも出店できることになりました。イマーシブジャーニーはどうしてもコンテンツの性質上広いスペースが必要なんですが、そういう広い場所って普通に探してもなかなか出てこないんですよね。なので出店機会は全国で探しています。
――「当分はこの3店舗で行く!」ということではなく、今もずっと「国内でどこかやれるところはないかな?」と探していると。
大橋氏:はい。ただ何せ広い場所が必要なので、なかなかそういうチャンスは少ないのですが。
――では特別「この地域でやりたい!」というよりは、適した広さのある物件や立地を重視して全国的に探していらっしゃるってことなんですね。
大橋氏:そうですね。全国で体験できるようにしていきたいです。全国どこにお住まいの方でも、「ちょっと足を伸ばせばアクセスできる」くらいの感じにしていきたいなと考えています。なので、全国の都市部に出店していくっていうのはまずやっていきたいなと思っています。
――具体的に「何店舗くらいにしていきたい」という目標はありますか?
大橋氏:今後3年とか、そのくらいのスパンで10店舗ぐらいを目指して行きたいです。
――そのぐらいの手応えを感じていると。
大橋氏:最初の頃は、「このフォーマット自体が日本で受け入れられるかどうか」、「そもそも価格がどうなんだ」、「こういう体験は日本では流行らないんじゃないか?」など、色んな方からそういったご心配の声もいただいていた中で、自分自身も「成り立つのかどうか?」と思いながらやってみて、やってみたら成り立った!というのが正直なところです。横浜もそうでしたし、今年1月に開業した名古屋店も先日来場者数累計5万人を突破しまして、ちゃんと順調に行っています。なので、これをどこまで全国で展開していけるのか?というのをちょっと今後もやっていきたいなと思っています。
――イマーシブジャーニーの特徴として、元々VRユーザーであるとか、ヘビーなゲーマーであるとかではない、それまでVRをやったことがない人達の間で特に評判が良いという印象が一貫してあります。
大橋氏:そうですね。元々VRが好きで来てくださる方ももちろんいらっしゃいますが、どちらかというと友達同士での「古代エジプトの面白いものやってるよ」など、中身のコンテンツを目当てにして来てくれる方が多い印象です。
――今後の展望についてはいかがでしょうか?
大橋氏:全国に店舗を増やして行って、どこからでもアクセスしやすくしたいということに加えて、コンテンツの中身をより充実させていきたいです。もちろん引き続き海外の魅力的なコンテンツを紹介していきつつなのですが、そこに弊社オリジナルのフリーロームコンテンツも追加していきたいなと思っています。実際に今、江戸時代の浮世絵を題材にしたオリジナルコンテンツを作っていっていて、今年完成予定なんです。
今後も例えば歴史文化モノや、日本のアニメやマンガなどのIPモノとかもあり得ると思うんですけど、そういうオリジナルコンテンツを作っていって、日本でも楽しめるものにしつつ、海外にも輸出していく、ということをやりたいなと思っています。
――このフリーローム型のVR専門の常設大型施設で、これだけたくさんの人に好評で受け入れられています。この状況の要因についてはどのように考えていますか?
大橋氏:やっぱり一つは、間口が広いテーマのコンテンツをやれているのかなと。例えばシューティングやいろんなゲーム体験みたいなものも、もちろん間口は広いとは思うんですけど、それに対するエジプトのピラミッドとかって、究極の間口の広さがあるじゃないですか。かつ、VRをそんなにやり慣れていない方でも、何か操作するとか、アクションするとかってことじゃなくて、この空間を歩きまわるだけで体験できるっていう意味でも、間口の広さがあるかなと思っています。
逆にインタラクティブな要素は抑えてある設計だと思うんですけど、そこはそれでいいのではないかと思っています。すごく「狭く、深く、新しいものを体験してもらう」という路線があるのに対して、イマーシブジャーニーはそちらではなく、多くの方に入り口としてこういうコンテンツを体験してもらいやすいような作りになっていると思います。操作は必要なく、「歩くだけで良い」ということも、一つ要因としてあるのかなと。
――他社製のロケーションVRだと最近はハンドトラッキングの機能を生かすインタラクティブ性を備えた作品も増えてきてはいますが、イマーシブジャーニーの提供作品において、今後そういうインタラクティブ性を足して行くという考えはありますか?
大橋氏:それはもちろんあります。ただ、「その操作ができないと置いていかれちゃう」「VRに慣れていないとちょっと操作できない・わからない」というようなことにはならないように、気を付けてやらないといけないなとは思います。
――たしかにバランスは難しいですよね。要素を足せば足すほど、上級者向けになっていきますからね。
大橋氏:そうですね。それもタイミングが重要なのかなとは思います。イマーシブジャーニーでこれからも多くの作品を発表していく中で徐々にコンテンツが進化し、お客さんがそれを体験していけば、お客さんの側も慣れて「これはこういうことだな」となっていくと思うんですけど、本当にVRが初めてっていう方に対していきなりすごく難解なインタラクションがあったりすると置いてきぼりになっちゃうので、そこはバランスを見ながらやっていきたいです。
――今のVR業界の潮流を見ていくと、フリーローム型VRが流行の最前線になっていくことも大いにあり得ることかとは思います。今後もし競合他社が多く現れるような状況になった時に、イマーシブジャーニーはどこに重点を置いて他社と勝負をしていきたいという風に考えていますか?
大橋氏:コンテンツのクオリティにはこだわりたいです。毎年社内のみんなで世界中の作品をたくさん見ているので、目の肥えているメンバーが揃っています。なので、今、色々フリーローム型VR作品も出てきているんですけれども、その中でも「これは」というものを厳選して、イマーシブジャーニーで紹介できていると思います。
自分たちで作るものに関しても妥協せずにこだわったものを出していきたいですし、そこを一番差別化としてやっていきたいところです。
それから、全国に体験施設を常設で持ちたいという考えがあるので、「そこに行けば世界中のそういう面白いVR作品が体験できる!」という場として存在できるようになりたいです。映画館のように上映される中身のコンテンツが定期的に入れ替わりつつ、常に色んなものを見られるような場にしていきたいです。
――お話しを伺っていると、これまでCinemaLeapとしてやられてきたことがバックボーンとなって、それが今イマーシブジャーニーの事業を進めて行く中でも効いてきているという感じがします。
大橋氏:そうですね。これまでの事業の中でネットワークが築けてきたということも大きいです。なので「これから日本で作品を作って海外に発信していこう」という時にも、そこはすごく生きてくるだろうなと。今後弊社が日本と海外の間で「海外から日本へ作品を持っても来るし、日本から海外へ作品を持っていきもするし」ということをちゃんとできるようになっていければ、より弊社の基盤が生かされてくるかなと思います。
――最後に大橋さんからMoguLiveの読者宛に今回の新作に関して伝えておきたいことは何かありますか?
大橋氏:今回の「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERS」は前作の「Horizon of Khufu」と同じく古代エジプトやピラミッドがテーマということで、ちょっと混同されてしまうかもしれません。ただ、「Horizon of Khufu」はクフ王のピラミッドにフォーカスをした物語で「古代のエジプトを旅する」という感じのコンセプトだったのに対して、今回の新作はそこからさらに枠が広がって、「古代のエジプトの文明の中でピラミッドが作られる時に、それはこのピラミッドの中だけに閉じたことではなく、周辺のいろんな地域とも連携しながら、いろんなプレイヤーが建設に携わりながらそういったものが作られていて……」というようなことが描かれています。
しかもその謎はまだ完全には解明されていなくて、「でも仮説としてこういうものがあるよ」というような提言もあったりして、前作とはまた全然違う側面が描かれたものになっています。ぜひ両方とも見ていただきたいです。
――ありがとうございました。
チケットはIMMERSIVE JOURNEY公式サイトにて購入できます。

©Excurio
「THE SECRET OF THE PYRAMID BUILDERS ―ピラミッド建造者の秘密―」概要
| 公開時期 | 公開中 |
| チケット販売開始 | 発売中 |
| 料金(一般・3名まで) | 平日4,000円/土日祝5,000円(税込・1名あたり) |
| 料金(グループ・4名以上) | 平日3,800円/土日祝4,500円(税込・1名あたり) |
| 体験時間 | 約45分(着脱・説明に別途約15分) |
| 対象年齢 | 8歳以上 |
| 体験可能人数 | 1〜4名 |
| 会場 | 神奈川県横浜市西区高島2-14-9 アソビル3F(横浜駅直通) |
| 公式サイト | https://immersivejourney.jp/ |
| 主催 | 株式会社CinemaLeap |

