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話題 2023.03.22

自分で自分を“ハグ”できる技術「Hugtics」が発表 データを計測し、人工筋肉にフィードバック

世界最大級のテクノロジーと音楽・映画の祭典「SXSW 2023」にて、「ハグ」による幸福感や自己肯定感を高めるベスト型ハグ体験テクノロジー「Hugtics(ハグティクス)」が公開されました。

Dentsu Lab Tokyoが手掛ける「Hugtics」は、ハプティクス技術(触覚を擬似的に再現する技術)を用いてハグのデータを計測し、自身や他者の体へアウトプットする技術です。さらにその効果を脳波で測定し、メンタルヘルス領域をはじめ多様な社会課題に貢献するとしています。

本技術では自分で自分を抱きしめる新しいハグ体験が行うことができ、実現するにあたって、研究者の髙橋宣裕氏とコラボ。人工筋肉が編み込まれたウェア型デバイスを着ながら圧力センサーを付けたトルソーを抱きしめ、ハグのデータを計測し、人工筋肉にフィードバックすることで、自分で自分を抱きしめるという体験が実現します。

SXSW 2023では「Hugtics」のブースにて、 “自分で自分を抱きしめる”新しいハグ体験や他者のハグを転送する体験型デモンストレーションに挑戦。3日間で約500人が来場し、「国を超えたリモートでのハグの可能性を感じる。」「この技術で、お母さんのハグを記録に残しておきたいと思いました。」などの声が挙がり、大盛況となったそうです。

体験した方からのコメントの一部はこちら。
・「孤児の子どもたちに、ハグを届けてあげたい。」
・「国を超えたリモートでのハグの可能性を感じる。」
・「いつの間にか亡くなった父とのハグを思い出して幸せな気持ちになった。」
・「この技術で、お母さんのハグを記録に残しておきたいと思いました。」
・「ハグをされている気持ちだったのが、徐々にハグを与える気持ちに変わり、より幸せを感じました。」

開発者コメント

Dentsu Lab Tokyoクリエーティブ・ディレクター 大瀧 篤氏コメント

本プロジェクトを考案した原体験として、私が社会人になり実家の母にはじめてハグをした際、涙を流し喜んでくれた経験がありました。
この人を幸せにする力を持つハグという行為を、現代の技術で再発明できないだろうか。
そして人類がより幸せに生きるための兆しを作れたらと考えスタートしました。
その際、大学時代の後輩にあたる髙橋宣裕さんの研究を思い出し、コラボレーションの依頼を出させて頂きました。
今回はプロジェクトの第一歩として、コアテクノロジーに髙橋さんの研究を置きつつ、
我々は脳波測定とその結果をLED付きのベストに反映して新しいコミュニケーションを生み出すことや、人工筋肉をよりハグの感覚に近づけるためのウェア素材、体験デザインなど探求してきました。
今後は、高橋さんの技術力と我々のビジョンを描く力やデザイン力、社会実装力のトータルでのクリエーティビティを掛け合わせ、より発展させていきます。ご興味を持っていただけた方はぜひお声がけください。

「Hugtics」スーパーバイザー 髙橋 宣裕氏コメント

今回のSXSW2023での展示は、改めてハグという行為の偉大さを知る重要な機会となった。
来場者は自己抱擁という、かつて行うことができなかった体験に新鮮さを感じて楽しんで頂けたように思う。
印象的であったことは、体験時間が増すにつれ、その体験者自身の大切な誰かを想い出しながらハグをしていたという意見を数多く得たことである。
本作による自己で完結する最も”独りよがり”な体験が、寧ろそこにいない他者に想いを馳せることに繋がるという人間と他愛の不可分性のようなものを感じざるを得なかった。
今後もハグというコンテンツの可能性を追求し、電通とのコラボレーションによって社会実装を加速させていきたいと考えている。

(参考)プレスリリース


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