日本でも遂に販売が開始されたスマートグラス「Ray-Ban Meta」。今回、実際に試着・使用してみて、便利に感じたポイントや購入前に知っておくべき注意点をまとめていこう。
そもそも「Ray-Ban Meta」とは?
Ray-Ban Metaは、MetaとEssilorLuxotticaが共同開発したAI搭載のスマートグラスだ。カメラやマイクを内蔵し「Hey Meta」の音声操作でMeta AIを呼び出して、様々な操作が可能だ。価格は73,700円から。

(充電ケースと本体。充電はケースにグラスを入れた状態で、ケーブルに接続して行う)

(両端にカメラを搭載。右のツルの上部にあるボタンで撮影や録画が可能だ)
1,200万画素超広角カメラによる写真・動画撮影、オープンイヤー型スピーカーによる音楽視聴、ハンズフリー通話などに対応している。
ストレージは32GBを内蔵し、写真1,000枚以上・30秒動画100本以上の保存が可能とのこと。バッテリーは最大8時間の連続使用に対応し、充電ケースとの組み合わせで最大48時間まで延長できると説明されている。
日本では2026年5月21日より、スマートグラス「Ray-Ban Meta」シリーズと「Oakley Meta」シリーズが発売された。日本で正規販売されているのはRay-BanとOakleyの2ブランド。ディスプレイ付きの「Meta Ray-Ban Display」は現時点で日本未発売となっている。
なお、本レビューは「Ray-Ban Meta Scriber Optics(Gen 2)」を使用した。なぜ、このモデルを選んだのかについても後述する。
買う前に必ず試着を
まず強調しておきたい。購入前の試着は絶対やったほうがいい。
そもそも、Ray-Ban Metaは海外ブランドのため、アジア系の顔立ちを前提としたデザインとはなっていない。全体的に大型で、鼻の高さもアジア系より高めに想定されているため、
低めの鼻ではずり落ちてきてしまうことがある。著者自身もその一人だった。公式サイトでバーチャル試着なども可能だが、できれば店頭で装着感を確かめてみて、ずり落ちてこないか、違和感がないかは是非確かめて欲しい。
特に度付きレンズの追加を検討している場合、レンズの重さも変わるため、眼鏡屋の店員のアドバイスを聞きながら選んだほうがよいだろう。
(Opticsシリーズは鼻当ての高さを調整できる。パーツは非常に小さいので要注意)
そのうえで、日本人ユーザーには、Opticsシリーズがおすすめだ。このシリーズでは、鼻当てのオプションが3種類あり、高低差を調整できる。著者は最も高めの鼻当てを使用することで、ようやく違和感がなくなった。ただし、この点も個人差があるので実際に試してみてからの方が良いだろう。
また「サングラス」として使うか「メガネ」として使うかでも、デザインの選び方は少し変わってくる。このあたりは自分がどのようなシーンで使いたいかをあらかじめイメージして決めて欲しい。
見た目と初期セットアップ
デザインはRay-Banらしくスタイリッシュだ。会社の同僚数人に見てもらったところ、デザイン性については一様に好評だった。フレーム両側に小型カメラが内蔵されているが、パッと見ではその存在には気づきにくい。一言で表すなら「オシャレな大きめの眼鏡」といったところだ。
使用にはスマートフォンへの「Meta AI」アプリのインストールが必要で、アプリ経由でワイヤレスペアリングを行う。説明は日本語対応しており、セットアップで迷うことはほぼない。データのインストール容量が大きいため、Wi-Fi環境での作業を推奨する。ペアリング完了後はチュートリアルが起動するので、指示に従って操作していけば大丈夫だ。
ここで忘れずにやっておきたいのが、設定の「エクスペリエンス」内にある「Meta AI」の「言語と音声」から日本語をインストールすることだ。これを実行しておかないと、英語のみにしか対応してくれない。なお、最新アップデートが完了していないと選択肢に「日本語」が表示されない場合があるため注意したい。この設定により、スマートグラス本体でも日本語での音声アナウンスに対応してくれる。
写真機能の魅力と、撮影の注意点
早速、カメラ機能を使ってみよう。撮影は「ヘイ!META、写真をとって!」と声をかけるか、フレーム右上のボタンをワンタッチするだけで撮影できる。撮影時にはカメラ部分が光り、音も鳴る。この光と音は設定でオフにできない仕様だ。
現状では写真は縦長構図に固定されており、自分の視界そのままが映るわけではない。画角の細かな調整も基本的にはできない。それでも、ボタン一つあるいは声一つで撮影できる手軽さは大きな魅力だ。忘れ物防止のメモ代わり、食事のカロリー記録、子どもの成長記録など、ライフログ用途との相性は抜群に感じられる。こだわって撮影するというより、気楽に記録を残すという用途で輝くデバイスだ。
撮影した写真はもちろんスマートフォンに同期できるし、Meta AIに読み込ませて加工したり、映っている写真の記録を読み込ませるといったことも出来る。記録した写真をどう扱うかについては、今後色々なアイデアが出てきそうだ。
一方で、撮影があまりにも簡単になったことで、街中での使用には個人的に緊張を覚えた。便利すぎる故に悪用もできてしまう機能であり、現状はユーザーの良識に委ねられている部分が大きい。また、撮影位置によっては意図しないものが映り込む可能性もあるため、周囲への配慮は不可欠だ。スマートフォンでの撮影がNGとされている場所では使用しないよう心がけた方が良い。先ほど音と光が出ると説明したものの、まだ世の中にスマートグラスがどのようなものか浸透していない状態では、その機能の意味が分からないままの人も多いはずだ。購入者は特に気を付けたいポイントである。
動画も気軽に撮影可能
(実際に撮影したもの)
動画もやはり縦長固定だ。iPhone Proシリーズ等と比較すると解像度はやや劣るものの、十分な画質だ。自分の顔が傾いたり揺れたりすると映像もブレるため、安定した姿勢での撮影を心がけたい。撮影した動画はInstagramをはじめ、ショート動画と相性が良さそうである。観光地でのVlogなどにも重宝するだろう。
なお、撮影中はカメラ横のライトが常時点灯する。職場や重要な情報が扱われる空間では、そもそも装着しないくらいの意識を持つことをすすめる。近年はスマートフォンによる動画撮影での情報流出も問題となっているため、機密保持が必要な場所では使用しない習慣をつけておいたほうがよいだろう。
音楽を聴く体験は◎
フレームの右横をタップするだけで音楽視聴も可能だ。ボリューム調整もフレームをなぞるだけで完了。Apple MusicやSpotifyと連携して音楽を聴くことができるし、そもそもスマートフォンから流れる音をそのままRay-Ban Metaで再生できる。
音質はカジュアルな用途であれば十分で、作業中や外出中に気軽に音楽を視聴する用途であれば十分すぎる機能だ。
カスタム6マイクアレイが内蔵されており、音漏れも極力少ない使用になっている。とはいえ、オープンイヤー型のため音漏れには気をつけたい。中程度のボリュームであれば周囲への漏れはほぼない。実際に、会社の同僚に音漏れがないかを確認してもらったが、大ボリュームでなければ気づかれることはなかった。それでも、電車など人と密接する場面では、ボリュームを絞るか使用を控えるのが無難だろう。
今回使ってみて、個人的に最も実用的だと感じたのがこの音楽視聴機能だ。普段から眼鏡ユーザーとして、眼鏡とヘッドホンを併用する際、頭への負担を感じていたが、そのストレスがない。耳もふさがらないため、快適さは想像以上だ。周りの音も確かめながら音楽を視聴できるため、かなりストレスが軽減されたように思う。
AIナビは便利だが、まだまだ発展途上
肝心のAIナビに関してだが、日本語対応モデルに関しては正直まだまだ発展途上の段階だ。「明日の天気は?」「写真を撮って」「目の前にあるものを説明して」といったシンプルな指示には反応してくれるので、そういった意味では最低限の要件はクリアしている。
一方で、「先ほど撮った写真に動物は何匹映っていた?」といった複合的な質問には回答が返ってこないか、意図しない回答が返ってくることがあった。「QRコードを読み取ってスマートフォンに表示して」「目の前の看板の文字を読んで」といったナビ機能も、日本語圏では現時点で使えない状態のようだ。
また、自分の位置情報や外部アプリの利用については、連携時にアクセス許可をどれだけの範囲に指定しているかによって大きく変わってくる。例えば、位置情報を常時オンにして設定しておけば、近隣のレストラン情報を音声ナビしてくれるが、機能に制限をかけた状態では反応してくれなかった。このあたりはプライバシー管理をどの程度行うのか個々人でポリシーが異なるため、安易に全部許可すべきとは言えないが、使いたい機能が使えない場合、アクセス許可が影響している可能性は考慮しておいた方がよいだろう。
ちなみに、音声ナビの発話で、時折音が飛んだりノイズが入ったりする不具合も気になった。通信状態の影響かもしれないが、改善を期待したいところだ。
総評:将来性を含めて価値あるデバイス
現時点では、カメラ撮影と音楽視聴が最も効果を発揮する機能だ。「日常のライフログを残したい」「カメラやイヤホンの機能を一括にまとめ、スマホより更に気軽に利用したい」という意図であれば「Ray-Ban Meta」は十分な機能が揃っていると言える。
AIナビはまだ回答できない範囲が広く、LINEとの連携強化やライブ翻訳機能の日本対応といった予告済みの機能も、現状では未実装の状態にある。北米で利用できる機能が日本でも全て使えるわけではないことは覚えておいた方が良いだろう。
ただし、AIのアップデートは積極的に行われているようで、今後の進化には期待して良いと思っている。北米で先行実装されている機能が、日本にだけ入ってこないとは考えにくいため、長い目で見ても良いと思っている。
もちろん、今年はAndroid XR搭載のスマートグラスの発売が予告されていたり、国内外で様々な類似のグラスが相次いで発売されていたりと、購入の決断に迷いやすいタイミングだ。
個人的には「Ray-Ban Meta」を購入するうえでは「見た目」「カメラ」「スピーカー」を重視するなら、選択肢としてアリだと考えている。決して安価なデバイスではないので、気軽に購入してほしいとは言いづらいが、スマホとはまた違うデバイスに出会うワクワク感は確かに感じさせてくれるはずだ。
著者もしばらく使い続けて、改めてレビューしてみたいと思っている。
公式販売サイトはこちら:https://www.ray-ban.com/japan/ray-ban-meta-ai-glasses
「Ray-Ban Meta」「Oakley Meta」モデル比較表まとめ表
| Ray-Ban Meta(Gen 2) | Ray-Ban Meta Optics(Gen 2) | Oakley Meta HSTN | Oakley Meta Vanguard | |
| 特徴 | 日常使いに適したクラシックなモデル | メガネ利用者向けにデザインされたグラス | スポーツカジュアルな印象で丸みのあるデザイン | スポーツ性を高めたモデル |
| 価格 | 73,700円〜 | 82,500円(フレームのみ) | 77,220円〜 | 96,580円 |
| フレーム種 | Wayfarer / Skyler / Headliner | Blayzer / Scriber | HSTN | Vanguard |
| フレームカラー | シャイニーコズミックブルー シャイニートランスペアレントグレー シャイニーブラック マットブラック |
シャイニートランスペアレントブラック シャイニートランスペアレントダークオリーブ マットトランスペアレントアイスグレー マットブラック ハバナ |
ライトカリー ブラック クリア ワームグレイ ブラウンスモーク |
ブラック ホワイト |
| 度入りレンズ対応 | 可 | 可 | 可 | 不可 |
| 対応度数 | -12.00〜+6.00(SPH+CYL)※ | -12.00〜+6.00(SPH+CYL) | -12.00〜+6.00(SPH+CYL) | 不可 |
| レンズ種 | クリア/サファイアTransitions/グラファイトグリーンTransitions/グレー Transitions/グリーン/ グラファイトグラデーション |
クリア(メガネ用) | クリア/ブラウンTransitions Prizm/ ダークゴルフ/アメジストTransitions /グレー Transitions / Prizmブラック偏光レンズ/Prizmルビー/Prizmディープウォーター偏光レンズ |
Prizm Black / Prizm Transitions エンバー / Prizm ローズゴールド /Prizm 24K/Prizm Road/Prizm Black/: Prizm Sapphire |
| サイズとフィット | 複数のサイズあり アイコニックなRay-Banフレーム スタンダードフィット |
複数のサイズあり 一日中でも掛けていられる 交換可能なノーズパッド— 調節可能なテンプル先端 オーバーエクステンションヒンジ |
フリーサイズ シグネチャーOakleyフレーム スタンダードフィット |
フリーサイズ シグネチャーOakleyフレーム スタンダードフィット |
| マイク数 | 5個のアコースティックアレイ | カスタム6マイクアレイ | 5個のアコースティックアレイ | 風切り音を抑えるよう設計された5マイクアレイ |
| 防水性能 | 記載なし | 記載なし | IPX4 | IP67 |
| バッテリー(本体) | 最大8時間 | 最大8時間以上 | 最大8時間 | 最大9時間 |
| ケース併用時 | 最大48時間 | 最大48時間 | 最大48時間 | 最大36時間 |
| Garmin / Strava連携 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| 対応OS | iOS 15.2以降 / Android 10以降 | iOS 15.2以降 / Android 10以降 | iOS 15.2以降 / Android 10以降 | iOS 15.2以降 / Android 10以降 |
※Ray-Ban Meta(Gen 2)はMeta.comでの注文上限は-6.00〜+4.00ですが、Ray-Ban.comや認定販売店を利用した場合は-12.00〜+6.00に対応します。
※Transitions®レンズは周囲の明るさによって暗さが変わるレンズです。







