VTuber事務所「ホロライブプロダクション」では、二次創作ゲームブランド「holo Indie(ホロインディー)」を展開しています。2023年11月より始動しましたが、2025年7月現在約30タイトルが展開され、Steamのレビュー数が5,000を超える作品もあります。
今回は「holo Indie」とはどんなブランドなのか解説しつつ、現在配信されているタイトルの中から数点紹介します。
holo Indieはどんなブランド?
「holo Indie」は、ホロライブプロダクションを運営するカバー株式会社のIP事業の一環です。運営元は、株式会社シー・シー・エム・シー(CCMC)。ホロライブやホロライブEnglishなどを題材とした二次創作ゲームを制作するクリエイターをサポートすることを目的としており、カバー社の「ゲームクリエイター・サポートプログラム」に参加することで収益化が可能になるのが特徴です。
holo Indie立ち上げの背景には、「ホロキュア※」など、英語圏を含むVTuberたちを起用した非公式の二次創作ゲームが大きな脚光を浴びていたことが挙げられます。VTuber本人が実況プレイ配信したことをきっかけに、ゲームを自分でプレイするユーザーも増加し、ホロライブの二次創作の普及にも大きな影響を与えました。一方で、これらは非公式作品であるため収益化は難しく、クリエイターが継続的な活動をしにくいという問題がありました。この問題を解決する目的で発足したのがholo Indieです。
※ホロキュア:有志によって作られた、Vampire Survivorsライクの無料ゲーム。本作はholo Indieではないが、カバー社と協議の下、Steamでの配信を実現している。
holo Indieにはクリエイターとカバー社の双方に大きなメリットがあります。クリエイター側は、カバー社公式ブランドのゲームとして有料配信ができ、Xなどの公式アカウントから宣伝してもらえる強みがあります。
一方カバー社側では、熱意あるクリエイターの柔軟な発想によってゲームが生み出されることで、ホロライブプロダクションのIPをファン以外にも広げられる可能性を獲得しました。また、holo IndieのゲームはホロライブプロダクションのVTuberたちが動画を収益化できるようになっています。通常の場合、ゲーム実況配信の際には許諾が必要なケースがありますが、自社管轄のブランドなので他社ゲームよりも配信しやすくなっています。
どんなゲームが出ている?
holo Indieは、主にPC向けゲーム配信プラットフォーム「Steam」で展開してきました。ジャンルはアクションからパズルゲーム、格闘ゲームとさまざま。クリエイター自身がホロライブのファンのためか、各VTuberの“小ネタ”を盛り込んでいるケースが多く、配信をよく見ているプレイヤーほど楽しめる内容になっています。
これまでholo IndieはPC向けゲーム配信プラットフォーム「Steam」で展開されてきましたが、直近ではNintendo Switchにも展開し、露出の機会が大幅に増えてきています。PCを持っていないスマホユーザーやティーン層にも遊んでもらえる可能性が増え、さらなるファンの獲得が期待できそうです。
7月初週時点で配信/配信予定のゲームは以下の通り。
・ホロパレード(Steam)
・Idol Showdown(Steam)
・Holo X Break(Steam)
・WOWOWOW KORONE BOX(Steam)
・Miko in Maguma(Steam)
・みこスナイパー(Steam)
・デュエホロ(Steam)
・Age of Advent(Steam)
・ホロライブお宝マウンテン(Steam)
・エリート陰陽師みこ(Steam)
・ホロポップ(Steam)
・一伊那尓栖の冒険(Steam)
・Protostar Twilight(Steam)
・FLARE NUINUI QUEST(Steam)
・じゃんつの -Janken Horn-(Steam)
・HOLOSAGA: Invasion of the HoloX(Steam)
・holo8 -ホロハチ-(Steam)
・HoloRun(Steam)
・Jurard Run(Steam)
・MYRIAD DEATH -ミリアッドデス-(Steam)
・#ホロリバーシ(Steam)
・Bibbidiba fan game(Steam)
・SIMPWALK(Steam)
・スターそらイトファンタジー ~空へ届く魔法~(Steam)
・Holoidle(Steam)
・Chrono Gear: Warden of Time(Steam、近日登場)
・Gawr Gura: Quest for Bread(Steam、近日登場)
・ホロライブごろごろマウンテン(Steam、近日登場)
・ホロパレード デラックス版(Nintendo Switch)
・ホロライブお宝マウンテン てんこ盛りVer(Nintendo Switch)
これらのタイトルのうち、Steamで配信されているゲームの一部を紹介します。
Idol Showdown
「Idol Showdown」は、ホロライブやホロライブENを題材にした格闘ゲームです。holo Indie発足よりも前から公開されており、アップデートを重ねることで、新たなプレイアブルキャラクターが次々と追加されました。
特筆すべきは、非常にさわり心地のいい操作感であること。筆者は格闘ゲームをほとんどしたことのない初心者でしたが、混乱しにくいシンプルな操作に驚かされました。配信ネタがちりばめられた技が非常にユニークで、ただAIとの対戦をしただけでもかなりの満足感がありました。
本作は一般プレイヤーのみならず、プロの格闘ゲーマーがプレイし、世界最大規模の対戦格闘ゲーム大会「EVO」にも採用されるなど、いち格闘ゲームとしても高く評価されている模様。無料なので、PCユーザーならすぐ始められます。
配信先はこちら。
Steam:https://store.steampowered.com/app/1742020/Idol_Showdown/
作者へのインタビュー記事はこちら。
ホロライブお宝マウンテン
「ホロライブお宝マウンテン」は、同じキャラクターを重ねて段々と大きなキャラクターを作っていくパズルゲームです。いわゆる「スイカゲーム」フォロワータイトルですが、縦積みのパズルではなく、お椀のようなエリアにVTuberたちを転がして入れる、立体パズルのようになっているのが特徴です。
一見するとこぼれ落ちそうな状況でもなかなか落ちず、パズルゲームとしてしっかりと考えられていることが分かります。一方で制限時間が設けられており、独自の遊び心地を形成しています。また、ゲームの合間にキャラクターたちがよく喋るのがアクセントとなり、タイムアップまで楽しめるのが魅力です。
Nintendo Switch版では、Steam版のDLCを収録している他、追加キャラやBGM変更機能が用意されているとのこと。
配信先はこちら。
Steam:https://store.steampowered.com/app/2972990/_/
Nintendo Switch:https://store-jp.nintendo.com/item/software/D70010000097675
FLARE NUINUI QUEST
「FLARE NUINUI QUEST」は、ホロライブ3期生の不知火フレアさんを主人公にしたアクションゲームです。ファミコン時代を彷彿とさせる横スクロールアクションとなっており、ドット絵の可愛らしさと多彩なバリエーションが魅力。不知火フレアさんだけでなく、兎田ぺこらさんや宝鐘マリンさんが主人公のモードも用意されています。
シンプルな操作感ながらボス戦などでは手ごたえの感じられる場面もあり、遊んでいて「楽しい!」と思える内容でした。もちろんホロライブファンなら細かな小ネタにニヤリとしますが、配信を見ていなくても十分すぎるほどゲームとして完成されており、誰にでもオススメしやすいゲームです。
配信先はこちら。
Steam:https://store.steampowered.com/app/3081830/FLARE_NUINUI_QUEST/
まとめ
VTuberを題材としたファンメイドのゲームは以前よりあり、一般向けタイトルもさまざまなハードで発売されてきました。しかし、ファンが作ったゲームを公式のブランドの下で配信するという試みは、クリエイターへの還元とIPの拡大という面で強みがあり、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が普及しつつある現在のインターネットと相性が良く思えます。
現時点でスマッシュヒットしているコンテンツも見受けられますが、今後もこの勢いで盛り上がるかは、個々のゲームのクオリティに依存している部分もあり、外部のクリエイター次第であるのが若干気になる点。CCMCの公式サイトでは、『「holo Indie」だけではなく、カバー社とのライセンススキームによる企業間のゲーム制作サポートやゲームのパブリッシングなど多種多様な展開を行う』といった展望を明かしており、より大きな流れを生み出せるか注目です。







