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VR動画 2018.05.07

車椅子でもジェットコースターに VRで実現するバリアフリー

国内外のテーマパークでは、VRとジェットコースターを組み合わせた様々なVRアトラクションが稼働しています。しかし、今回オランダのテーマパーク「Efteling(エフテリング)」に登場したVRアトラクションは少し変わっています。車椅子に乗った人でも、ジェットコースターの体験ができるのです。

「Droomvlucht(オランダ語で「Dream flight」を意味する)」というこのアトラクションは、コースターに乗っておとぎの国の世界を進んでいきます。ディズニーランドの「イッツ・ア・スモールワールド」のようなライド型アトラクションです。これまでは、この魔法の世界を、障害を持つ人(特に車椅子に乗った人)が体験することはできませんでした。

VR版のアトラクション 風の演出で急降下体験も

そこでエフテリングが用意したのが、全く同じアトラクションのVR版「Virtual Droomvlucht 」です。車椅子に乗ったまま「Droomvlucht」を体験し、マイクを使って実際のアトラクションに乗った友人や家族と、リアルタイムで会話することも出来ます。

エフテリングのCEO、Fons Jurgens氏は声明の中で、「これまでVRは、個人向けの体験を提供することがメインでした。しかしオーディオ技術等と組み合わせることで、グループでのVR体験を可能にしました。これこそ、エフテリングの価値観と合致するものです」と発表しています。

このアトラクションでは、リアリティを出すために音楽や風、香りの演出も使っています。
体験者の一人は、「『Droomvlucht』に乗る日を25年も待っていました。香りや風の効果、アトラクションに乗っている友人との会話のおかげもあり、『Virtual Droomvlucht』は本当に感覚に訴える経験でした」と話しました。

誰でも楽しめるテーマパークへ

テーマパークは、車椅子に乗る人など、どのような人にとってもアクセスしやすくなる必要があります。米国では、障害を持つアメリカ人法(ADA)がガイドラインを示しています。
またエフテリングのように、障害を持つ人に割引チケットを発行するなど、優待策を打ち出すテーマパークも多くあります。しかし既存のアトラクションを障害を持つ人のために改良するとなると、安全性の問題から困難でした。

VRの活用は、この課題への解決策を示しています。これまでアトラクションに乗れなかった人でも、VRで体験することができるようになるからです。

(参考)VRScout
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