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業界動向 2022.11.09 sponsored

知識や経験は、なくてもいい。ダイナモアミューズメントが考える、VRが”当たり前”になる時代のコンテンツづくり


コロナ禍に突入する前、VR技術が一気に普及したアミューズメント業界。一方で、それはVR技術が”もの珍しさ”を失ったということも意味しています。もはやVR”だけ”では、観客に「驚き」を与えることはできなくなりつつある。その傾向は、今後ますます加速していくでしょう。

そんななか「企画力」を武器に、数々のコンテンツを生み出しているのがダイナモアミューズメントです。CGアニメーションスタジオとして知られ、現在は「ニンテンドーピクチャーズ」となった、旧「ダイナモピクチャーズ」のアトラクション部門を、2021年10月に分社化して生まれた同社。

『バイオハザード』などの人気IPとも積極的にコラボするほか、近年では『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の3DCGライブのモーションキャプチャーを担当するなど、XRライブの領域にも参入しています。

その尽きることないクリエイティビティの源泉は、一体どこにあるのでしょう。

ダイナモアミューズメントの小川直樹代表は、その理由の一つとして「挑戦を心から楽しめる人を、経験を問わず採用していること」を挙げます。そこで今回は、実際に未経験からこの世界に飛び込んだ若手社員のお二人にインタビュー。小川代表も交えながら、「人の心を動かすコンテンツ」を生み出すための秘訣を伺いました。

「好き」からはじまるクリエイティブ


左から、饗庭野々花(あいば・ののか)さん、東國原将広(ひがしこくばる・まさひろ)さん、小川直樹さん

――まずはみなさんの自己紹介からお願いします。

東國原:VR開発室の東國原将広です。入社したのは2017年なので、今年で6年目になります。最近はディレクターとして、『BOATRACE VRスプラッシュバトル』というVRレースゲームの企画・制作に携わっています。

饗庭:XRライブ推進室の饗庭野々花です。モーションキャプチャーの撮影補助をメインの業務としつつ、会社全体の広報も兼任しています。ちなみに私も2017年入社なので東國原さんとは同期なのですが、採用タイミングの関係で、厳密には私の方が少しだけ後輩です。

小川:ダイナモアミューズメント代表の小川です。本日は若手2人へのインタビューと伺っていましたが、せっかくなので、私も同席させていただこうかなと思いまして(笑)。何卒よろしくお願いします。

――こちらこそよろしくお願いします。 東國原さんと饗庭さんは、これまでどのような案件に携わってきたのでしょうか?

東國原:僕は入社してからずっとボートレースを題材にしたVRアトラクションの制作に携わっていて。3年前に自ら企画提案したのが、先ほども触れた『BOATRACE VRスプラッシュバトル』です。

ハンドルとスロットルレバーを操作して、ボートを自在に操縦できる体験型のVRレースゲームで、ルールは本物のボートレースそのまま。最大6人まで対戦できるだけでなく、タイムアタックランキングで全国のプレイヤーとも競えます。直近の大型アップデートで、オンライン対戦も可能になりました。

――ボートレースが体感できるんですね!饗庭さんはどんな案件を?

饗庭:私は、入社2年目のタイミングで『シライサン』というホラー映画を題材としたVRアトラクション『呪死の来訪』のディレクターを務めて以来、IPコンテンツとのコラボ企画に携わることが多かったですね。

人気ゲーム『バイオハザード7』の世界を体験できるフリーローム型のVRアトラクション『BIOHAZARD WALKTHROUGH THE FEAR』では、企画提案から演出、ポスターのメインビジュアルまでをプロジェクトメンバーとして携わらせて頂きました。

現在は、社内で新たに立ち上がったXRライブ推進室で、『ヒプノシスマイク』のXRライブにモーションキャプチャー撮影で携わっているのですが……実は私、もともと作品の大ファンだったんです。

小川:饗庭さんが『ヒプマイ』のファンだと聞いて案件をお願いしてみたのですが、結果的に大正解でした。作品の理解度が高いから、モーションキャプチャーのクオリティが断然高い。やっぱり、ものづくりをする上で「好き」という感情は侮れないな、と再認識しました。今後も弊社では、なるべく各人が好きなもの、関心のあるものに携われるようにしていきたいと考えています。

――東國原さんもボートレースがお好きだったのでしょうか?

東國原:正直に言うと、当初はボートレースがそこまで好きだったわけではなくて(笑)。むしろ僕はとにかく「ゲームが好き」でした。だから、当時はまだゲーム要素のなかったボートレースのVRアトラクションに初めて体験搭乗したときに「ゲームにしたらもっと面白いんじゃないか?」とパッとひらめいて。そういう意味では、僕も「好き」がきっかけになっていますね。

自分の企画で、誰かの心が動く。その瞬間に立ち会える

――VR/XRコンテンツの企画・制作という仕事の、どんなところにやりがいや面白さを感じていますか?

東國原:お客さまの反応を間近で見られるところだと思います。たとえば最近だと、賞金(ギフトカード)をかけてリアルタイムで6艇が競いあう『スプラッシュバトル CHAMPIONSHIP』というイベントを企画したのですが、レースに勝った人が「よっしゃー!」と声を上げてハイタッチしたり、リアルなスポーツイベントのように盛り上がっていて。このゲームをつくって良かったな、と心から思える瞬間でした。

饗庭:お客さまがこちらの想定以上のリアクションをしてくれると、嬉しくなりますよね。私は『シライサン 呪死の来訪』を企画したときに、「原作を超える怖さ」を目指して演出を練りに練ったのですが、怖さって主観的なものだから、最後まで不安もあったんです。けれど蓋をあけてみると、恐怖のあまりリタイアする人がいたり、ヘッドマウントディスプレイの下で涙を流す人がいたり、まさに阿鼻叫喚といった感じで。ちょっとやり過ぎてしまった気もするのですが(笑)、でもすごく手応えがありました。

小川:まさに”現場”のあるロケーションベースVRの企画者だけが味わえる歓びですね。この仕事ならではの醍醐味だと思います。
※一般社団法人ロケーションベースVR協会によると、ロケーションベースVRとは「ヘッドマウント・ディスプレイによるVR映像と体感型ハードウェア機器・アトラクション等を連動させ、リアルな体験を提供する施設型VRコンテンツ」を指す。

――ただ、それだけ人の心を動かすコンテンツを企画するには、さまざまな苦労もありますよね。

東國原:苦労とは感じませんが、僕の場合は出張が多いですね。『スプラッシュバトル』の筐体は、全国19箇所のボートレース場に設置されているほか、大型商業施設などに一時的に設置することもよくあって。そのため僕自身も、日本各地を飛び回る日々を送っています。

設置や撤去の立ち会いはもちろん、既存の筐体の稼働状況もチェックしなければならない。次のイベントの仕込みをするにしても、ソフトウェアをアップデートするにしても、現場に行かないことには始まらないですからね。

僕たちの仕事は、「つくって終わり」じゃないんです。自分の企画に最後まで責任を持つこと。それが本当の意味で「コンテンツをプロデュースする」ということなのだと思います。

――饗庭さんはいかがですか? 多くのステークホルダーが介在するIPコンテンツを扱うとなると、また別の難しさがあると思います。

饗庭:たしかに、みなさんが納得する企画を生み出すには、手間も時間もかかります。けれど、私はIPの魅力をどうやって引き出すか、あれこれ考えるプロセスが好きなんです。

それよりも、最近改めて難しいなと思うのは、プロジェクトマネジメントですね。特にXRライブに携わるようになってから感じるようになりました。モーションキャプチャーの撮影一つをとってもみても、ダンサーさんを集めて、スタジオを押さえて、主要関係者のスケジュールを合わせて……となると大変で。複数の案件が並行して走っていたりすると、さらに難易度が上がりますね。

小川:プロジェクトマネージャー不足は、業界全体としての課題です。逆に言うと、現在はVRの知見がなくともプロマネのスキルがある人ならば、即戦力として活躍できる可能性が十分にあると思います。

キャリアの方向性を柔軟に考えられるのも魅力

――東國原さんと饗庭さんは、入社以前からVRの知見があったのでしょうか?

東國原:VRの知識は、ほとんどなかったです。大学で映像制作を専攻していましたが、学んでいたのはCMの撮り方や、CGのモデリングだったので。VR/XRについては入社後にイチから学んでいきました。

饗庭:私も同じです。学生時代は、美大で金属彫刻などに取り組んでいました。キャラクタービジネスに興味があり、VRという技術にも可能性を感じていたことからこの業界を志望しましたが、すぐに役立つスキルや経験があったわけではありません。

――それにも関わらず、わずか数年で、大きなコンテンツの企画を任されています。

饗庭:そこは会社の規模感が影響しているのではないでしょうか。実際のところ、常に人手不足ともいえるくらいなので、「やりたい」と手を挙げれば、大きな案件にも携われる。そこはラッキーだったと思います。

東國原:饗庭さんと比べると、自分は”コツコツ型”だと感じていて(笑)。現場での経験を通じて、主体性を身につけていったというか。最初の一年くらいは、現場でも全然動けませんでしたからね。いわゆる”指示待ち人間”でした。でも2年目くらいから少しずつ現場のスタッフをマネジメントできるようになり、そこでつけた自信が企画提案にもつながっていきました。そういう意味では、最初からバンバン提案ができないからといって、不安になることはないと思います。

饗庭:たしかに自分の適性って、すぐには判断できないですよね。ある程度やってみないとわからない部分がある。私自身も、実は最近、自分が中心となってプロジェクトを動かしていくよりも、サポーティブなポジションが向いているのではないか、と感じるようになって。小川さんとも相談して、キャリアの方向性を微調整しました。

――そういった柔軟性があると、ポジションと適性のミスマッチに悩むといったことも少なくなりそうですね。教育体制についてはいかがでしょうか。何か特別な制度や仕組みを設けているのでしょうか?

小川:入社1年目の社員には、メンターをつけるようにしています。とはいえ、それくらいで、特別な制度はないんですよ。

東國原:先輩と一緒に仕事をしているだけで、自然とスキルアップできる環境なんだと思います。VRについてわからないことがあれば、みんな本当に丁寧に教えてくれる。人間関係がフラットで、何でも相談しやすいというか。思わず先輩にも、タメ口で話してしまいそうになるくらいです(笑)。

饗庭:エンターテイメントを扱っている会社だからか、「何でも楽しもう」というマインドの人が多いんだと思います。ちょうど昨日、会社としての節目のパーティーがあったのですが、いつの間にか誰かの提案で、VRゴーグルを目隠し代わりに「利きポテチ大会」がはじまっていて。面白いアイデアには、みんなどんどん乗っかってきてくれる。そういう雰囲気があるから、先輩や上司に対しても変に臆することなく自分の意見を伝えられています。

東國原:会議のときも、空気がやわらかいですよね。背筋をピンと伸ばして、発言者以外は資料を黙々とめくっている、みたいことはまったくない。お喋りでもするように気軽に、けれど本質的な意見が飛び交っています。議論しながらアイデアをブラッシュアップしていくことを、みんなが心から楽しんでいるというか。多くの人を楽しませる企画を生むには、まずはつくり手自身が安心してクリエイティブに没頭できる環境が必要なのだと感じています。

これからのVR人材に求められるのは、挑戦から逃げない覚悟

――これからエンターテイメント×VRの領域で求められるのは、どのような人材だと思いますか?

東國原:向いていると思うのは、自分でモノをつくった経験がある人。もしくは経験がなくても、つくることを楽しめる人でしょうか。反対に「ゲームをするのが好き」「ライブを観るのが好き」といった、受動的な興味関心だけでは、長続きはしないかもしれません。

饗庭:私はやっぱりプロマネができる人が求められていると思います。マネジメント経験がある人が他業種から参入してきてくれたら、業界全体がもっと活性化するはずです。そしてぜひ弊社にも、そういう人が増えてほしい(笑)。複数の案件をかけ持ちで回してくれるような人がジョインしてくれれば、もっと円滑に、もっといろんなことに挑戦できる組織になれる気がしています。

――小川さんはいかがですか?

小川:これから求められるのは「前例のないものをつくってやろう」という気概がある人だと考えています。新しいことにチャレンジし続ける覚悟がある人、と言い換えてもいいかもしれません。それは言葉でいうほど簡単なことではないし、実際には茨の道です。

けれど、そこから逃げてしまったら、弊社がビジョンとして掲げる「伝えたくなる驚き」には絶対に届かなくなってしまう。それでは、せっかくエンターテインメントを生業にした意味がないと思うんです。

――最後に、東國原さんと饗庭さんの今後の目標を聞かせてください。

東國原:eスポーツの分野で、さまざまなコンテンツやイベントを企画していきたいですね。誰もがVRの世界でeスポーツを楽しむことが当たり前になっている。そんな未来になっていたら嬉しいです。個人的なキャリアとしては、やっぱりプロデューサーを目指していきたい。自分が企画したコンテンツを、自分の力でより多くの人に届けられるような、そんなプロデューサーになりたいですね。

饗庭:私が携わっているXRライブは、まだまだ発展途上の領域です。今後、技術が進歩すれば、キャラクターとリアルタイムでやりとりできる時間がどんどん増えていくでしょう。そうなれば需要も伸びて、私たちのチームはもっと忙しくなるはずです。そのときに仲間たちをしっかりと支えられるような、チームになくてはならない存在として、成長できればと思っています。

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(インタビュー 統括:すんくぼ(Mogura)/ 川島えみ(Mogura)/ 企画制作: 森部綾子(インクワイア)/ 編集: 長谷川賢人 / ライター: 福地敦 / フォトグラファー: 栗原論)


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