12月16日(金)、ソーシャルVR「VRChat」および、メタバースプラットフォーム「cluster」に、旧博物館動物園駅をフォトグラメトリで再現した「デジタル ハクドウ駅」が公開されました。
※本記事では「VRChat」版にて撮影した写真を掲載しています。
旧博物館動物園駅は、かつて存在した京成電鉄本線の駅のひとつです。1933年に開業し、東京国立博物館や上野動物園などの最寄り駅として利用されましたが、1997年に休止、2004年に廃止されています。
この駅舎は、鉄道施設として初の「東京都選定歴史的建造物」に選定(2018年)されており、現在も文化的な活用が続いています。今回公開された 「デジタル ハクドウ駅」は、東京藝術大学が進める「デジタル上野の杜」と「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」の連携プロジェクトの一環として、京成電鉄協力のもと制作されました。
フォトグラメトリ化されたのは、建物の外観と、地下も含む内部です。扉を抜けると、地下へと続く階段が眼前に現れます。
むき出しのコンクリートには古びた、少し廃墟めいた雰囲気が漂っていますが、「博物館動物園」の看板や、壁に残された張り紙などは在りし日の面影を感じさせます。
さらに奥の階段を進むと、通常は立ち入ることができない改札口へとたどりつきます。2018年に一般公開されたときに展示されたアナウサギのオブジェも、改札の近くに顔をうずめていますね。
レトロな改札ときっぷ売り場。この駅には自動券売機が設置されず、改札も最後まで木製の改札ラッチだったそうです。
改札を抜けるとプラットフォームに出ます。やや薄暗く、古びたコンクリートが隠されることなく見える空間は、タイムスリップしてしまったような感覚をおぼえます。
反対側のプラットフォームへ続く階段も。崩れたり煤けたりしている壁に時の流れを感じます。
壁に描かれたペンギンの絵も、薄れているものの当時のまま残されています。
比較的見学しやすいところから、普段は立ち入ることができないところまで、歴史ある駅舎がくまなくフォトグラメトリで再現されています。古びていながらも、どこか愛嬌や温かみも感じられる建造物を、観光や社会科見学のつもりで”VR見学”しに行くのはどうでしょうか?
「デジタル ハクドウ駅」概要
公式サイト
https://dt.geidai.ac.jp/?p=1624
VRChat版
アクセスはこちらから(PC接続型VRヘッドセット、および高スペックPCが必要です)。
https://vrchat.com/home/world/wrld_66cbaeef-63b4-49c5-baf6-bfca6bbea093
cluser版
アクセスはこちらから。
https://cluster.mu/w/8ebca0de-c5a2-4b9b-84ce-42b006c56f77
制作
企画 |
東京藝術大学美術学部建築科 東京藝術大学 社会連携センター |
取材協力 |
京成電鉄株式会社 |
ワールド作成 |
東京藝術大学美術学部建築科 |
フォトグラメトリによる3Dモデル作成 |
株式会社ホロラボ |
3Dスキャン |
クモノスコーポレーション株式会社 |
計画補助 |
東京藝術大学 |
上野の廃駅『博物館動物園駅』を3Dモデル化!
フォトグラメトリ担当しました!https://t.co/G63rypjOUmVRChatとclusterにて今夜0時にオープン!#デジタルハクドウ駅
通常は入れない奥のエリアまで生成してるので、見学で入ったことある方でも新鮮に楽しめるかも。 pic.twitter.com/xDIC4MqCwJ
— 龍 lilea / Ryo Fujiwara (@lileaLab) December 15, 2022
(参考)プレスリリース