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無限階段、移動式VRアトラクションなどDCEXPO注目展示ピックアップ(前編)

2017年10月27日から29日の3日間にかけて、東京・お台場の日本科学未来館にて、「デジタルコンテンツEXPO 2017」が開催されました。

「デジタルコンテンツEXPO(DCEXPO)」は、コンテンツの制作や表現を支援するデジタルコンテンツ技術をテーマとした国際イベントです。コンピュータグラフィクスや3D、VRといった技術はもちろん、身体を用いたインタフェース技術や人間の五感に働きかける技術など、製品化以前の研究開発段階にある、さまざまな新技術が紹介されています。

会場での展示や体験に加えて、研究者やクリエイターによる講演やシンポジウムも多数開催されており、先端技術に関心のある人にとっては、たいへん見どころの多いイベントとなっています。

ここでは、「DCEXPO 2017」の会場に出展されていたVR・AR関連の展示の中から、興味深いものをいくつかピックアップしてお伝えします。

■バーチャル空中ブランコ(岐阜市信長公450プロジェクトバージョン)

株式会社ソリッドレイ研究所が開発した「バーチャル空中ブランコ」は、ブランコに乗った状態で、正面と足下に投影される3D映像を鑑賞することによって、あたかも空中を移動しているかのような感覚を体験できるというものです。

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今回、DCEXPO 2017の会場に出展されていたのは、岐阜市信長公450プロジェクトの一環として、2017年7月13日から12月17日までオープンしている「体感! 戦国城下町・岐阜 信長公ギャラリー」で展示されているものと同じバージョンで、現地では高い人気を集めているそうです。ここではCGで再現された450年前の岐阜城や、戦国城下町・岐阜の様子を飛びながら眺めることができます。

3D映像の鑑賞には、シャッター式の3Dメガネを使用していますが、スクリーン上部にある3台のカメラでヘッドトラッキングを行っているとのこと。ブランコに乗りながら正面や足下を見回しても、3D画像にまったくブレがないため、リアルな臨場感を味わうことができました。また、3Dメガネの軽さや開放感があるためか、空中を高速で移動する様子を眺めていても、特に酔いを感じることはありませんでした。

また、ヘッドマウントディスプレイを装着する手間が必要ないため、体験者の入れ替えなどもスムーズで、運営面でもメリットが大きいと感じました。ソリッドレイ研究所では、今後も自治体などの依頼に応じて、さまざまな独自コンテンツを制作していきたいとのことでした。

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■無限階段

「無限階段」は、VRで階段を昇降する際の感覚を提示するシステムで、東京大学大学院 情報理工学系研究科 廣瀬・谷川・鳴海研究室によって研究・発表が行われています。仕組みとしては、VRで階段を昇降する映像に対応して、足の裏に段差の縁に相当する触覚の刺激を与えることで、よりリアルな感覚を得るというものです。

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写真を見てもらえばわかるとおり、このシステムは、階段の縁を再現した金属製のバーを並べて、足の位置を表すマーカーのついたサンダルを履いてその上を歩くという、非常にシンプルな設備で実現されています。バーを並べているのはあくまで平面なのですが、VRの映像と連動して足の裏に段差の触覚を感じると、上下の昇降感覚がリアルに感じられるというのは、非常に興味深い体験でした。

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会場での展示ではバーを放射状に並べて螺旋階段を再現していましたが、平行に並べれば通常の階段も再現できるそうです。実際に段差を用意するといった大がかりな設備を必要とすることなく、安全に階段の歩行感覚を得ることができるというのは、今後、いろいろなコンテンツで応用できそうです。

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■b.g.~メガネを知り尽くしたメガネスーパーにしかできないウェアラブル~

「b.g.」とは、眼鏡専門小売チェーンとしておなじみのメガネスーパーによって開発された、メガネ型のウェアラブル端末です。両目の正面に左右2つのディスプレイが搭載されており、眼の前の風景とディスプレイに表示される映像を、同時に視野に収めることができます。

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メガネ型のウェアラブル端末というと、透明なシースルー型のディスプレイで現実の風景の上に情報を重ねるといったイメージが思い浮かびます。しかし「b.g.」では見え方のクオリティを追求した結果、


あえてノンシースルー型の表示にすることで、高精細な表示を可能にしているとのこと。実際に体験したところ、視線を少し下に動かすだけで、ディスプレイ内の細かい文字まではっきりと読み取ることができました。

眼鏡専門チェーンだけあって、重量の軽さやバランスにもこだわって、長時間でも装着を続けていられるかけ心地の良さを追求しているとのこと。今回展示されていたのはプロトタイプだそうですが、製品となる量産型ではディスプレイを上下に移動させることができるようになり、手元で作業を行いつつ、視線を上に動かして情報を確認するといった使い方ができるそうです。

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今回の展示では、中世の京都を描いた洛中洛外屏風のレプリカを見ながら、ディスプレイに屏風の絵の拡大写真を表示させたり、現在の京都を紹介する動画を見たりするというデモンストレーションが行われていました。今後の事業展開としては、こうしたミュージアムや教育の現場での利用だけでなく、工場や介護、物流などのビジネスにおける幅広いソリューションを考えているそうです。

■VR CARAVAN + GOLDRUSH VR + ハッピーおしゃれタイム

株式会社ハシラスといえば、オリジナルのVRアトラクションを制作し、日本各地の商業施設やテーマパークに常設して、多くの観客を集めていることで知られています。そんなハシラスが今回のDCEXPOに出展したのは、日本初となる移動式VRアトラクション「VR CARAVAN」です。

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こちらはトラックを改造した移動車両の内部にVRの試遊環境を設置し、全国のどこにでも移動して、すぐにVRを体験できるというものです。試遊環境をあらかじめ構築した状態で移動すれば、準備に時間をかけることなくすぐ試遊を開始できます。もちろん天候の心配も無用ですし、内部にはエアコンが設置されているので、真夏の暑さでも大丈夫とのこと。

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今回の出展では、マシンにまたがって乗馬レースを体験できる「Hashilus」が4台設置されており、最大4人で競争できるようになっていました。DCEXPOの会場である日本科学未来館の屋外に設置されていたため、DCEXPOの来場者だけでなく、日本科学未来館の常設展示の見学にやってきた中高生たちにも大人気となっていました。

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VR CARAVANに加えて、日本科学未来館の建物内部では、フリーロームアトラクション『GOLDRUSH VR』が出展されていました。バックパックPCを背負った体験者が自由に歩き回り、財宝を集めていくというエンターテインメント性の高い内容もさることながら、体験者の誘導といった運営面も非常にスムーズに行われていたのが、強く印象に残りました。

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さらにもうひとつ、今回が初披露となったのが“かわいい”を前面に押し出したVRコンテンツ「ハッピーおしゃれタイム」です。

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美少女になりきってアバターの着せ替えを楽しんだら、リズムゲームやポーズを決めての写真撮影と、キラキラした愛らしさがあふれ出ているコンテンツです。こちらは株式会社ハシラスではなく、スタッフによる個人制作とのことですが、今後どのような展開が行われるのか、楽しみです。関連記事はこちら

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■流動床インターフェース:液体のように振る舞う砂を用いたインタラクションシステム

「流動床インターフェース」とは、砂の下から大量の空気を送り込むことで、砂があたかも液体のように振る舞う現象を利用したインタラクションシステムです。ものつくり大学と東京工業大学によって開発されたこのシステムは、2017年8月30日から9月1日に開催されたゲーム開発者向けのイベント「CEDEC 2017」でも、大きな話題となっていました。

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ボールを手で押し込むとズブズブと砂に埋まっていき、手を離すと浮き上がっていく様子は、見た目で強烈なインパクトがあります。今回のDCEXPOでも来場者のみなさんから驚きを持って受け止められたようで、大量の砂が入った水槽の周囲には常に大勢の人だかりができていました。

https://www.youtube.com/watch?v=we9z4Ap85b0

水上と同じような感覚を、大量の水を使うといった大がかりな装置を使わずに実現できるほか、空気を送り込むのをやめるとすぐに元の砂に戻るため、触感の変化をコントロールすることも可能です。これらを応用することで、波の影響などのシミュレーションからエンターテインメントでの利用まで、さまざまな活用法が期待できそうです。

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詳しい原理や開発の経緯などは関連記事で紹介されていますので、興味のある方はこちら

研究発表に近いやや硬派な展示から、ハシラスのようにエンターテインメント性の高い体験まで、DCEXPOの会場には多種多様なコンテンツ技術が紹介されていました。テクノロジーに特に関心のある人でなくても、好奇心旺盛な人であれば興味を惹かれるユニークな内容ばかりで、筆者としてもワクワクしながら会場を回ることができました。ここで体験できた各種技術が今後、どのような形で我々の日常社会に登場するのか、楽しみなところです。

この記事を書いた人

伊藤誠之介
いろんなところで、ゲームやアニメに関する記事を執筆しています。新たなエンターテインメントとしてのVRにも興味シンシンの、元マイコン少年です。 Twitter:@ito_seinosuke

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