壁を軽々と登っていくスポーツのボルダリングでは、壁に設置されたカラフルな石(ホールド)を掴んで登っていきます。
壁をさくさくと忍者のように登っていく様子はそれだけでも楽しそうですが、さらにプロジェクションマッピングによってゲーム性が加わるとどうなるでしょうか。
2017年9月8日から「コナミスポーツクラブ 川越」(株式会社コナミスポーツクラブ)では都内で2施設目となるボルダリング施設がオープンします。
本施設でのボルダリング場の壁全周は約50mありますが、その内、1面(幅4m)ではフィンランドで開発されたシステム「Augmented Climbing Wall」が採用されており、プロジェクションマッピングを使ったボルダリング体験ができます。
プロジェクションマッピングでゲーム
この施設では様々なボルダリングのメニューが用意されています。
『ルート指定』
『ルート指定』は指定したルートに沿って、どのホールドを掴むかをわかりやすく映像で投影します。
通常のボルダリングではどのホールドからスタートするか、ゴールまでにどのルートのホールドを掴むかはホールドの傍に貼られたテープの色と数字で指定されています。
ルートが投影されることで、どのホールドを掴めばいいか一目でわかり、正しいホールドをを掴んだかも判定されるため、間違ったホールドを掴んでゴールしてもクリアになりません。
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また、ルートは自分で作成ができ、保存もできるので、自分が作ったルートを友人に攻略させるといったこともできます。
リプレイモードもあり、自分の体験を録画し、さらに他の人の体験映像と重ねて表示することで、上手い人の登り方と自分の登り方を比較して見ることがで上達しやすくなります。もし、有名選手が体験しにきた動画が残されていれば、有名選手のリプレイ映像に合わせて一緒に登ることも可能とのこと。
『イライラ棒』
『イライラ棒』は、電気が流れている棒に振れると感電する同名ゲームをイメージしたゲームです。
壁に電気を帯びていそうなビリビリと動く線が投影されます。形によって難易度が変わりますが、スタートのアイコンが投影されたホールドにタッチしてからゴールのホールドにタッチするまで線に触れなければクリアです。
左下のスタートから右下のゴールに向かうコースです。
触ると感電したように人型の跡が残ります。
簡単なものはスタートからゴールまでの両端に線が伸びているだけですが、難易度が高いものはプレイヤーに近づくように移動して翻弄してきます。
『ボルダリング版モグラたたき』
『ボルダリング版モグラたたき』はモグラではなく森で飛んでいるコウモリをタッチします。コウモリはバタバタと飛び回るため、プレイヤーもコウモリに合わせ、左右上下に素早く移動しないとならないゲームです。
スタート時点では1匹しかいないコウモリも倒されるごとに数が増え、4匹になると壁に張り付いているプレイヤーは全てのコウモリがどこにいるか把握できなくなります。
周囲で見ている人がコウモリの位置を教えてあげないと攻略できません。「右下!」や「上!」など自然と声をかけ合うことになるため、初対面同士でも盛り上がります。
『地球を守れ』
『地球を守れ』は、中央にある地球に向かってくる隕石をタッチして破壊するゲームです。
こちらもコウモリ同様、隕石の数やスピードが上がってくると一人では位置を把握できなくなるため周囲の人の声かけが大事です。
『ホッケーゲーム』
『ホッケーゲーム』は対戦と協力モードの2種類のプレイスタイルが用意されている2人用ゲームです。
対戦モードでは、プレイヤーは左右の陣地に分かれます。その間を動くボール(映像)がホールドに接触する瞬間に、ホールドを体のどこかでタッチすることで跳ね返します。ボールが相手陣地のゴールに入ると得点が入ります。テーブルホッケーを壁でやっているようなゲームです。
協力モードは動くボール(映像)を二人で協力して跳ね返させながら、ランダムに現れる黄色い球に当てることで得点するゲームです。
対戦モードはお互い熱くなるとボールの動きが速くなって白熱した展開となります。協力モードはじっくりタッチする場所をお互い見極めながら得点を重ねていくと、どちらのモードも体力が限界になった方が「あーもうダメだ!」と叫んで落ちて終わっていました。見ている側もスリリングで楽しいゲームです。
筆者も『イライラ棒』と『ホッケーゲーム』を体験してみました。
『イライラ棒』は通常のスタートからゴールを指定されて登るより、本当に感電するわけなくとも、当たったら終わりがあることでクリアしたときの嬉しさが増します。
『ホッケーゲーム』はゲームスタートした時点から、ボールに集中するため支えてる側の手足が動かすことが難しく体力的に辛くなりますが、空いて方の手を伸ばしたり、足を延ばしてタッチすることが楽しく、たとえ腕が辛くなっても長く続けていたいゲームでした。
ボルダリングというと上に登っていくスポーツです。このようなゲームで壁に張り付いていても、通常のボルダリングでもルートの確認や休憩など、ホールドを掴んだ状態で腕を伸ばしている時間があるため、これらのゲームは、実際に練習としても意味があるとのことです。
壁一面の高さは約4mあり、ゲームエリアの高さは最高で約3.5mです。どのゲームもエリアの高さ設定が高・中・低の3段階に変更できるので、初心者や小学生から上級者まで誰でも楽しめます。操作盤はタッチパネル式で、初めてでも1人で操作できます。
導入のきっかけ
株式会社コナミスポーツクラブ 川越 支店長 上続善則氏と同社業務開発本部施設開発部 直営・FC開発グループマネージャー吉井佑介氏に話を聴きました。
株式会社コナミスポーツクラブ 川越 支店長 上続善則氏
上続氏によると、本施設は8月からプレオープンし、会員向けに体験をしてもらったところ、すでに小学生に大人気で、何回落ちてもすぐにチャレンジしに行ったり、70歳~80歳の高齢の方も楽しんでいるとのこと。スポーツクラブとしては継続してもらうことが大事なため様々な体験を提供していますが、人気がすでに出てきており、手ごたえを感じているとのこと。
株式会社コナミスポーツクラブ業務開発本部施設開発部 直営・FC開発グループマネージャー吉井佑介氏
吉井氏は、本システムを導入した目的として、「長くつづけてもらいたい」と語りました。ボルダリングはCM等、目にする機会があるため、始めたいと思う人は多いかもしれません。しかし、始めようと思っても他のスポーツに比べ、ハードルが高いと感じるらしいこと、始めた人も体験してみると体力的にきついことや、体験するには教えてもらわないとできないことなどから、8割から9割が辞めていくとのこと。
そのため、プロジェクションマッピングを使ってゲーム要素を取り入れることで、初めてでも体験しようと思ってもらい、楽しく、失敗しても何度でもチャレンジしたくなると、いつの間にかボルダリングができる体作りとなり長く続けてもらえるのではないかとのこと。
今回、導入された「Augmented Climbing Wall」は日本初上陸とのことですが、すでに世界では30施設で展開され、ゲームの内容も同じものです。
「Augmented Climbing Wall」は、ボルダリングにプロジェクションマッピングを組合わせてゲーム要素を加味することで、体験者は長時間、失敗しても何度でもチャレンジしたいと思え、周囲で見ている側もショーのように楽しめます。体験動画をSNSに投稿しても注目されやすい動画になります。
プロジェクションマッピングとボルダリングを組み合わせたものには他に『WONDERWALL』(株式会社アクアリング)や、東京・VR ZONE SHINJUKUの『トラップクライミング』(株式会社バンダイナムコエンターテインメント)があります。
施設概要
名称 |
|
営業時間 |
平日 10:00~23:30(最終受付22:00) |
オープン日 |
2017年9月8日~ |
対象年齢 |
小学生以上 |
住所 |
〒350-0809 |
アクセス |
東武東上線「鶴ヶ島駅」西口徒歩5分 |
問い合わせ |
コナミスポーツクラブ情報ダイヤル 0120-919-573 |
ボルタリング施設サイトページ |
料金
利用料 |
コナミスポーツクラブ会員:無料 |
会員証発行手数料(初回のみ) |
1,080円 |
利用料(フリー) |
1,836円 |
利用料(90分) |
1,296円 |
レンタルシューズ |
324円 |
レンタルチョーク |
216円 |
子供(一般) |
1,080円(レンタル料込) |
子供(スクール会員 |
864円(レンタル料込) |
※金額はすべて税込
※子供は小学生~15歳までです。年齢・時間帯により保護者の同伴が必要です。
館内の温泉施設。