bilibili動画などを展開する中国の動画プラットフォームbilibiliは、2019年5月13日に行った2019年度第一四半期決算発表の中で、bilibili動画で活動しているVTuber・アバターを使う配信者(中国語で「虚拟主播」)のアカウント数が6,000を超えたことを発表しました。
(和訳)VTuber領域では完全にリードしており、
1Qは6000アカウント以上がアバターで配信し、600万人近くが視聴
これまで、日本から確認できる中国のVTuberの人数は、現地で制作されたVTuberデータベースサイト「VTUBER.MAGICTEA」に登録されている範囲となっていました。当サイトに登録されているVTuberは、5月16日時点で625名となっています。(主に日本を中心に活動しているとされるVTuberが224名、主に中国を中心に活動しているとされるVTuber(中国ではVupまたはVuperと呼ぶ)が391名)
今回、実際のアカウント数とこのデータベースとの間に約10倍の違いが生じた背景について、国内外のVTuberに関する各種企画を主宰する「V-To」は、「ランキングサイトなどには登録せずに、個人的な楽しみとして身近な小さなコミュニティで交流しようとする人が増えたのではないか。視聴者数を気にしない、自己表現としてのVTuberという活動が生まれてきているようだ。また、日本の人気VTuberの配信をミラー配信するアカウントも一部含まれている」と語っています。
日本ではキャラクターものとしてIP展開などのビジネスも試みられているVTuberですが、中国では「個人の自己表現の延長」としてのアバター利用が普及している点が特徴と考えられるかもしれません。また、今回の決算発表において、bilibiliの月間アクティブユーザー数が1億人を突破したことも発表されました。前年比130%を超える急拡大を見せています。
左のグラフ:月間アクティブユーザー数の推移(単位:百万人)
右のグラフ:3か月間の売上高の推移(単位:百万人民元)
直近では、いちから株式会社の運営するVirtuaReal Projectにおける新規ライバーの中国国内デビューや、カバー株式会社のVTuber事務所「ホロライブ」の中国向けVTuberのオーディション、bilibiliの運営する年次大型オフラインイベントBilibili Macro Linkにて人気VTuberのキズナアイ・白上フブキ・田中ヒメ・鈴木ヒナ・月ノ美兎らがゲスト出演すること等、今後も日系VTuber企業が中国へ進出していく事例は増えていくと考えられます。
今後も中国を始めとした海外のVTuber動向に目が離せません。
リンク:Bilibili Inc. Announces First Quarter 2019 Financial Results
参考:ぼくの考えた最強の中国Vtuber