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イベント情報 2018.05.31

auがつくる「音のVR」、アンジュルム・和田彩花と川村文乃が語るその魅力

KDDI総合研究所が開発した「音のVR」。360度動画の映像に合わせて、任意の箇所の音、人の声をピンポイントで聞き取ることができるインタラクティブなコンテンツです。擬似的にカクテルパーティー効果(※)のような体験を行うことが可能で、人混みで騒々しい中でも、特定の会話の内容を聞きとることができます。

(※カクテルパーティー効果:大勢の人が会話をしている状況でも特定の人の声や発言を聞き取ることができる、音声の選択的な聴き取りのこと)

この「音のVR」で、女性アイドルグループ、女性タレントが所属するハロー!プロジェクトとのコラボレーションしたコンテンツを配信することが発表されています。

発表に先立って行われた記者向けの体験会には、ハロー!プロジェクトに所属するアイドルグループ、アンジュルムの和田彩花さんと川村文乃さんも参加しました。筆者がiPadで「音のVR」を試したところ、映像をピンチアウトすると画面に表示される箇所の音量が拡大され、逆にピンチインすると映されている全体の音が聞こえるようになるという体験でした。複数の指向性マイクを使い合成された音が聞こえるというものです。

(左からアンジュルムの川村文乃さん、和田彩花さん)

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また、配信は「音のVR」専用のiOSアプリ(iOS 11.0以降)に限定され、Androidアプリについては今のところは計画にないとのこと。また、YouTubeやハコスコストアなどの他の配信プラットフォームへの展開も計画にはないとのことです。

(同じく発表された「au ハロプロケータイ図鑑」の説明で過去のケータイ端末を操作する和田彩花さん)

アンジュルムとハロー!プロジェクトのリーダーを兼任する和田彩花さんは「音のVR」を使うとユニゾン(合唱)のパートでも、アンジュルムのメンバーの1人に合わせてピンチインすると、そのメンバーの声だけを聞くことができる楽しみ方を指摘。

川村文乃さんも、今回「音のVR」の収録曲である「大器晩成」のユニゾンパートの部分でも、ピンチインすることでソロパートとして聞くことができると指摘しました。ユニゾンパートで各メンバーがどのように強弱などを付けた歌唱法、表現をしているかをチェックできるのはファンの方々も楽しいのではと話しました。また、和田彩花さんはサビでユニゾンが続くアンジュルムの楽曲「次々続々」を「音のVR」にしたいと語りました。

(収録では「メンバー全員で喋っているように」と説明を受け、普段の収録とは違う指示に驚いたと語った和田彩花さんと川村文乃さん)

(「音のVR」がプリントされたau×ハロー!プロジェクト オリジナルデザインハコスコ)

「音のVR」は立体音響的だがモバイルで楽しめる間口が広いコンテンツ

体験会では、KDDI総合研究所の堀内俊治さんにも「音のVR」を制作した背景やこだわりなどについて話を伺いました。

堀内氏:私は立体音響の研究を進めてきました。立体音響は多くのスピーカが必要だったりと、体験するには一定のハードルがあります。

今回、モバイルコンテンツと考えた時に、スマホで誰でも体験できるコンテンツという出口にたどりつきました。「音のVR」はそういうコンセプトで生まれ、立体音響をリデザインしたコンテンツと見ることもできると思います。

「音のVR」はステレオ再生ですが、録音は複数のマイクで行い、バイノーラル合成技術も部分的に活用されています。ズームインした時に、音源に近づいていると感じられる体験を可能にしたのは、こだわった部分です。イメージとしては、複数の音源のうち、ある音源に向かって顔だけを前方に突っ込んだようなものを想像して頂ければと思います。

(「音のVR」を体験する和田彩花さん)

堀内氏:また、音源の方向に向かうと、その周囲の部分は音量も範囲も小さくなるようにしています。この小さくなるというのがポイントで、選択して示した箇所の音源群だけが聞こえるようにしてまうと、体験者は違和感を感じてしまうためです。周りの音が少し聞こえる方が自然に感じられるんですね。

このため、「音のVR」では、最も近づいた時、最大限にズームインした時に、真後ろ付近の音量がゼロになるように設定していますが、その他の周囲の方向の音は聞こえるように設定しています。

ただ、非常に小さい音をどう表現するかなどは課題です。例えば自分の足で草を踏んだ時は、音自体は非常に小さいですが、動作が伴ったことで本人が感じる音は現実よりも大きく思えますよね。

また、ホールなどの反響音が大きい環境だと、今回とはまた違った調整などが必要になってくるでしょう。野球場やサッカースタジアムなどの応援や歓声の音なども「音のVR」で体験できたら面白いかもしれませんし、屋外での収録というのも関心があります。

「音のVR」はお客さまごとの聴き方ができるインタラクティブコンテンツと思って頂ければと思います。スマホを持っている方であれば、誰でも簡単に楽しんで頂くことができたのなら、研究としても一定の成果を出せたと言えるのではないかと考えています。

日本武道館ライブのセンターステージから360度カメラで撮影したい

また、アンジュルムの和田彩花さんと川村文乃さんに体験してみたいVRコンテンツについて質問をしたところ、和田彩花さんは事務所のマネージャーだけが参加する会議に360度カメラ撮影と「音のVR」で、各々がどのような反応と発言をしているのかチェックしてみたいと話し、川村文乃さんはアンジュルムの楽屋の賑やかな様子を「音のVR」で体験できるコンテンツに関心があると話しました。

さらに和田彩花さんは日本武道館のライブでは会場中央にステージを設置して1万人収容可能なセンターステージの配置があることを挙げ、センターステージから見える360度のライブの景色を360度カメラで収めたいと、今後の抱負を語りました。


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