Android/iOS/PC用RPG「ブルーアーカイブ(ブルアカ)」のイベント「帰ってきた!ブルアカVR!+」が10月30日~11月3日の日程で、東京都のTOC有明にて開催された。

本イベントは、ブルアカ初のVR単独イベント。過去の「ブルアカふぇす!」等で上映されたVRコンテンツ2作に加え、本イベントに向けて制作された新作1作品を体験できる。ブルアカのおなじみの登場人物たちと、非常に親密な距離にいられるということで、これまでファンからも好評だった催しだった。
著者もブルーアーカイブファンとして、今回のメディア向け体験会に参加した。
殺風景な体験会場が……変わった
会場のTOC有明のコンベンションホールは、会議・展示商談会・セミナー等のビジネス利用が主に想定されている施設のためか、比較的フォーマルな会議室的な雰囲気の中で開催されていた。


(チケット確認後の待機スペースでは新作のグッズ、フィギュア等の展示があった)
入場時に配布された注意書きラミネートを受け取り、体験を待っている間に内容を確認できるようになっていた。
そして、列が進むと隣の会議室へ移動し、いざ、体験!!
会議室でずらっと着席した来場者が全員VRヘッドセットをつけているという、かなり近未来的すぎる光景がそこには広がっていた……。
レギュレーションは、一テーブルを一グループとし、グループ毎に一斉スタートで、体験が終了したグループ毎に退席し、また新たな来場者が着席するという風な形式で、スタッフのサポートや案内も行き届いており、入れ替わりはかなりスムーズだった。
体験機はMeta Quest 3と見受けられるVRヘッドセットとヘッドフォン。足元には体験者1名につき1台大きなパソコン本体も設置されており、PCVRとしての体験だった模様だ。

(VRヘッドセットとヘッドフォンは直接の装着なので、気になる方はVR用のマスクなどを事前準備するのをおすすめ)
体験前は正直
「いや……、もうちょっと体験前の会場の世界観は作り込んだ方が……!?あまりにもただの会議室すぎ、殺風景すぎて……!?」
などと考えていたが、VRヘッドセットとヘッドフォンを装着して体験が始まり、耳元でユウカに囁かれた途端、そんな邪念は……消えた!!!
1作品目は「VR『先生、ちょっとお時間いただけますか?』」。ミレニアムサイエンススクールの生徒会「セミナー」メンバーであるユウカ・ノア・コユキが登場する。

舞台はブルアカプレーヤーこと「先生」たちにはお馴染みの、シャーレのオフィス。
円卓を前にして真ん中に先生が着席し、左側にノアが、右側にユウカが座り、円卓を挟んだ向こう側でコユキが終始暴れているという光景だった。
最初に耳元でユウカから囁かれるという演出で、声に指向性がある(生徒がいる方向から声がする)というのはすでに明らかになっていたが、次に印象的だったのは3Dモデルのクオリティの高さだ。
生徒達の顔、髪、洋服等を含めた造形はもちろんのこと、シャーレのオフィスに置かれた備品も細部までよく作り込まれている。
生徒達一人一人もよく見たいし、シャーレの様子もよく見たいし……と、最初からもう眼が足りない。
そして生徒達の表情豊かさと、違和感のなさ!「その顔をしているところ、今までも何度も見たことある!」という表情をVRの中でも見ることができた。
そして今回のイベントのポイントは、「触れられる」だ。最初からコントローラレスでハンドトラッキングが前提の状態になっている。体験者は自分の手の動きをVR内でも見られるようになっており、その手で、髪を触ると……それに合わせて髪がなびく!
体験してみた感じ、揺れ物設定が入っているところであれば、触った時にそれに応じた動きがなされるようだった。
ユウカ・ノア・コユキの日常や先生との関係性を感じられつつ、「3人と一緒に花火を見た」という思い出も作れる濃密な体験だった。
2作品目の『VR「先生、今週もお疲れさま、です」』にはトリニティ総合学園の放課後スイーツ部に所属するカズサ、アイリ、ヨシミ、ナツが登場する。
冒頭からカズサのインパクトがすごい。インパクトがすごいというか……近い!! とにかくカズサが近い!! なんだその距離感は!!!
カズサの爪の形まではっきりわかるほどの距離の近さ。そしてそんなカズサの両手で自分の頬を触られると、そんなはずないのにカズサの体温まで伝わってくる気がした……。
そして間近で見てもカズサの顔の造形が良すぎる。眼も綺麗すぎる。
つい、まじまじとカズサの顔を凝視していると、他のスイーツ部メンバーのアイリ・ヨシミ・ナツが入室してきて、私は何もしていないのにすごく気まずい!!
い、いや、みんな!! これは違くて、カズサが……。
カズサが着席した状態の私の背後を半周ぐるーっとゆっくり周るところもVRならではの演出ですごく良かった。
ちなみにカズサの猫耳にも触れられたり、そして机の上のコーヒーにも触れたり(触ると傾く)できるところも芸が細かい。
ラストの3作品目「VR『先生、ちょっとお話ししよっ』」では、トリニティ総合学園の生徒会にあたる「ティーパーティー」のミカ・ナギサ・セイアの3人が登場する。ちなみに、公式HPで紹介されている制服姿ではなく水着バージョンの方だったので度肝を抜かれた。
な、何か羽織りなさ~~い!!!
意外とあざといセイア、無垢なナギサと無邪気にはしゃぐミカと、メインストーリーの進行を経て””親しくなったからこそ見せてくれる一面””を三者三様にこちらに見せてくれている感じがして、そこがうれしかった。
流星群がいくつも流れて、思わず「この時間がずっと続きますように……」と祈った人は私だけではなかったのではないか。
ちなみにこの作品では髪の毛の他、セイアの耳としっぽ、ナギサのフープピアス(イヤリング?)、ミカとナギサの羽根に触ることができた。
また海辺のロケーションもかなり綿密に作り込まれており、ティーパーティーの3人にぴったりのラグジュアリーな空間になっていて、そこも良かった。
ありがとう ブルーアーカイブ
「ディスプレイの壁を越えて、2次元の彼ら・彼女らが過ごしている日常そのものの中に自分もいる」愛する作品があるファンなら誰だって一度は夢見たことがあるのではないだろうか??
それを考え得る限りの最高のクオリティで実現させたのが、「帰ってきた!ブルアカVR!+」だったように感じる。その下敷きとしてあったのは、やはり常日頃から感じられる丁寧な作品制作への姿勢、ASMR作品発売や、3Dモデルを使ってのショート動画制作・発表の経験値、ノウハウなどが総結集されていたことのように感じる。
コントローラレスなので操作説明もほぼ不要、最初からファン向けに作られているので世界観の説明も不要で、最初から最後までフルスロットルでブルーアーカイブの世界観に浸れる設計も良かった。
そして登場する生徒達が総じて画面越しでの印象以上に華奢であることや手が小さいことなど、そういったサイズ感を実感を持って理解できるのもまたVRならではの良さだろう。
3作品併せてもおそらくは20分弱程度の体験時間と思われ、本当にあっという間だったが、濃密な体験でかなり満足度は高かった。

惜しむらくは、使用ヘッドフォンがかなり廉価なモデルで遮音性もほとんどなかったため、最高の音響環境の享受はできていないであろうという点だが、あの体験で音響環境が良すぎたら、本当に「こちらの世界」には戻ってこれなくなってしまう気がするため、もはやそこはむしろそのぐらいで良かったのかもしれない……とも思う。
あとは、3作品とも現実の体験者の姿勢と同じく、VR内でも「椅子に着席した状態の自分を生徒たちに取り囲まれる」という構図だった。欲を言えば、起立した状態で生徒達との身長差を感じてみたかった、という気持ちもある。(とはいえ、ここは体験のクオリティと安定性の両立、そして安全性を考えると「着席&原則定点からの体験」には多くのメリットがあろうことも理解はできる)
ともかく、「多くの人が一度は思い描く夢を、最高の形で実現する」はブルーアーカイブがゲームはもちろん様々な媒体を通して体現してきたことだが、「それをVRにおいてもここまでの練度で実現させられるのか……」とシンプルに感嘆した。
「ブルアカふぇす!」でのVR体験ブースの設置や評判の良さは元々あったとは言え、初のVR単独イベントで、ここまでの集客をした上で、安定した体験の提供とクオリティを担保できているのもなかなか画期的ではないだろうか。
2次元系IP×既存ファン向け×VRの好事例として、後に続く作品が他にも増えていくことにも期待したい。

なお、私はこの取材日にプレスとして取材した日の他、もともと個人的に取っていたチケットで後日別途一般来場者として入場した。その際は、「事後通販があるから当日物販は良いか……」と体験前には思っていたものの、体験後にはふらふらと物販コーナーに吸い寄せられ、気がついたらグッズを手にしていた……という後日談がある。
恐るべしブルーアーカイブ。
公式サイトはこちら:https://5thanniv-vrplus.bluearchive.jp/



