ソーシャルVR「VRChat」では、友人と遊べるゲームワールドから、ゆっくりするのに最適な風景系ワールドまで、様々なコンテンツが日夜公開されています。本連載では、膨大なワールドの中から、特に“映える”ワールドをピックアップしてお伝えします。
今回紹介するのは、世界文化遺産である厳島神社を「3DGS(3D Gaussian Splatting)」とフォトグラメトリ(※現実の建物などをさまざまな方向から撮影して、写真データをもとに3Dモデルに変換する技術)を組み合わせて作られた、リアルなワールド「Itsukushima Jinja Sando」です。
「Itsukushima Jinja Sando」は、日本人クリエイターで、株式会社ホロラボの龍 lileaさんが制作したワールド。龍 lileaさんは、「3DGS」やフォトグラメトリを使ったコンテンツ制作で知られる人物で、2025年12月には、国内最大級のXR系カンファレンス「XR Kaigi 2025」に登壇し、両技術に関する講演も行っています。
龍 lileaさんは以前から「VRChat」で活動しており、2025年には鳥取県・米子市にある米子城跡を「3DGS」を使って作成したワールド「Yonago Castle」や、広島市の世界遺産である原爆ドームを再現した「VR原爆ドーム」などを公開。3Dゲームのような作風のワールドが多いVRChatのなかで、現実の景色をスキャンし、メタバース上で再現を目指すという方針で作成されたワールドとなっています。
そもそも「3DGS」とは3Dスキャン技術の一種です。現状、実際の風景をメタバースなどに持ち込みたい場合、フォトグラメトリを活用するのが主流ですが、完成した3Dモデルが、やや平面的になってしまうことがあります。「3DGS」は 光の反射や透明度を自然なものとして再現でき、最近多くの開発者に注目されています。
「Itsukushima Jinja Sando」のリスポーン地点は、厳島神社がある宮島の表参道商店街。目の前には、10mの高さを誇る御笠浜の石鳥居があります。龍 lileaさんによると、撮影は2025年7月に行われたとのこと。
石鳥居の先は、神社へと向かう参道が続いています。宮島は観光名所として多くの人が訪れる場所ですが、「Itsukushima Jinja Sando」内では人混みを気にする必要はありません。のんびりと景色を楽しみながら、厳島神社へと向かうことができます。
また参道の右手には、あの有名な赤い大鳥居が。鳥居単体で撮影するのも乙ですが、個人的には周囲に生えている木々の隙間から撮ってあげると、より美しい写真に仕上がる印象です。
ワールドの終点は、厳島神社の入口。残念ながら奥まで入ることはできませんが、「3DGS」で作られた本殿を遠くから眺めることができます。
「Itsukushima Jinja Sando」は、リアルに再現された厳島神社を「VRChat」で訪れることができるワールドです。筆者は同神社を修学旅行で訪れたことがあるのですが、昔の記憶が蘇って、とても懐かしい気持ちになりました。訪れたことがある人は、自分の来訪時と変わった場所がないか、探してみるのも面白いかもしれません。
なお記事執筆時点では、「Itsukushima Jinja Sando」はかなり“重い”ワールドとなっています。龍 lileaさんもこれを認識しており、軽量化のアップデートを予定しているとのこと。もしFPSが大きく落ち込む場合は、デスクトップモードに切り替えて再訪するのがオススメです。
「Itsukushima Jinja Sando」で、あの広島の名所を訪れてみませんか?












