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AR/スマートグラス 2025.12.03

【レビュー】写真も動画も漫画も立体化!「XREAL 1S」は、3D体験が深まる新ディスプレイグラスだ

XRKaigi初日の12月1日、XREALから新たな3DoFディスプレイグラス「XREAL 1S」と、ニンテンドーSwitch 2の映像コンバーターとしても使えるモバイルバッテリー「XREAL Neo」が発表されました。なおXREAL 1Sの”S”にはSpecial(特別)、Superior(優れた)の意味が込められているそうです。

「XREAL 1S」のターゲットは“一般ユーザー”

発表会ではまず、XREAL株式会社 PRマネージャーの尾崎大介さんから、日本市場における2025年の成果が紹介されました。メディア掲載数が5,000件を突破するなど、「持続的成長」を遂げた1年だったとのことです。
続く2026年の製品戦略としては、

  • 一般ユーザー向けの普及モデルの投入
  • シンプルでわかりやすい周辺機器の展開

といった方向性が語られ、製品の価値を直感的に理解できることを重視していく方針が示されました。

続いてXREAL株式会社 プロダクトマネージャー高天夫さんより、XREAL 1Sが発表されました。エントリーユーザー向けのモデルで、価格は6万7980円。現在は予約受付をしており、2026年1月下旬以降に出荷される見込みです。

「XREAL One」シリーズの流れを継ぐデザイン

ぱっと見のシルエットはXREAL Oneと大きく変わりませんが、フレームカラーが一番の違いです。従来のベースカラーだった黒から、新色のサイレントブルーに変更されています。取材時の写真では逆光の都合でやや黒っぽく写ってしまっているのですが、実物は深みのある青藍色という印象です。


参考までに公式の画像をご覧ください。深みのある青藍色です。

フレームの基本デザインはXREALシリーズの流れを踏襲しつつ、XREAL Oneシリーズ同様、フロントのパネルを交換できる構造になっています。

外側レンズにはエレクトロクロミック調光機能が引き続き搭載されており、透過度を3段階で切り替え可能です。

テンプル(つる)は角度調整に対応しており、サイドのデザインもXREAL Oneに近いもの。既存モデルのユーザーにとっては、違和感なくかけられる安心感があります。余談ですが、スマートグラスは身体に身につけるウェアラブルデバイスであり、ファッションや社会との相性も重視されます。奇抜なデザインの製品も見ていて楽しいですが、日常的に使うものとなると、どうしても普遍的でなじみやすいデザインを選びたくなりますね。

なお、テンプルの根本部分は軽量化(XREAL One 85g → XREAL 1S 82g)を目的として、金属から樹脂パーツに変更されています。

ディスプレイパネルには、ソニーセミコンダクタソリューションズ製の0.68型OLEDマイクロディスプレイを採用しています。輝度は700nit、解像度は1920×1200ピクセル(1200p/WUXGA)、アスペクト比は16:10です。16:9表示だった従来機に比べると、わずかではありますが縦方向の視野が広がりました。スマートフォンやタブレット、ノートPCでも16:10比率のパネルが多用されるようになった昨今のトレンドにもマッチしていると言えます。

光学系はハーフミラーを用いたバードバス方式で、視野角は52度。XREALによると、2m先の約73インチ、10m先の約500インチ相当のスクリーンとして見えるとのことです。

オプションのXREAL Eyeを装着できる拡張ポートも備わっており、後述する6DoF環境への拡張も想定された設計になっています。

オーディオ面では「Sound by Bose」によるスピーカーユニットを内蔵していますね。耳をふさがないオープン型でありながら低音の量感が確保されており、映像コンテンツと合わせてしっかりとした没入感を得られるサウンドを狙ったチューニングです。

操作系は、右テンプル下側に配置された+/-ボタンと、赤いXボタンがメインのコントローラーとして機能します。

さらにテンプル上側にはショートカットボタンも搭載されています。発表会後のデモ環境では、このショートカットボタンにXREAL 1Sの目玉機能である「2D→3Dのリアルタイム変換」が割り当てられていました。

AIによる3Dモードの恩恵を受けるのは「漫画」

XREAL 1Sの装着感はXREAL OneやOne Proとほぼ同等で、耳まわりの収まりもよく、側圧の強さも感じませんでした。フロントヘビーな印象もなく、重心バランスは良好。
肝心の2D→3D体験ですが、内蔵されているX1チップが変換を受け持ちます。つまり、専用アプリの類は不要で、映画やアニメ、ゲームだけではなく、PCのデスクトップ画面や、スマートフォンのホーム画面など、USBで入力できる映像/画像のすべてを3D化できます。接続しているデバイス側の性能に依存しない点もポイントです。

実際にデモコンテンツを試した範囲では、3D化との相性にかなり得意・不得意がある印象でした。数分間の体験だったためチェックできたシーンは数少なかったのですが、メインの被写体が大きく映り込んでいる映像、一点透視構図のカット、背景が比較的シンプルなシーンなどは得意。こうしたコンテンツは立体感が出やすく、ちゃんと飛び出るような、もしくは奥深くまで空間があるように感じられます。一方で細かいオブジェクトが画面いっぱいに詰め込まれているような映像や、奥行きの手がかりが少ないシーンでは、立体感が薄かったり、奥行きの付き方に違和感が出るケースもありました。
またフレームレートは30fpsまでに制限されるとのことで、滑らかな60fps以上のゲームをそのまま3D化して楽しむという使い方には向きません。

個人的に最も印象に残ったのが、漫画のページを3D表示したときの体験です。平面に描かれたキャラクターが、まるで3Dアバターになったかのように、奥行きのある立体感を持って描かれます。
キャラクターの顔や体が前面に浮き出し、背景との距離感も自然に感じられるため、知っている漫画なのにまったく新しい読み方をしている感覚になります。好きな漫画を全部XREAL 1Sで読み直したくなる魅力があります。

課題もあるけど、このあたりは今後のファームウェアアップデート時に改善されるかもしれません。またXREAL One Proにも2D→3D化の機能が追加されるそうですが、XREAL Oneで実現できるかどうかはまだ不明とのことです。

実は今回の大きなニュースは「6DoFを用いたアプリ開発の解禁」

XREAL 1SはXREAL Oneシリーズ同様に、XREAL Eyeと組み合わせることで6DoF環境での利用も可能になります。なお発表会の壇上で6DoFを用いたアプリ開発の解禁/SDKの提供もアナウンスされましたが、実はこれって大きなニュース。カメラにアクセスできるXRヘッドセットは少しずつ増えてきましたが、スマートグラスタイプだとまだまだ少ないんですよね。プライバシー保護のことを考えると取り扱いが難しいところではありますが、カメラつきスマートグラスのユースケース拡大には欠かせない要素となるため、XREALの英断に拍手を送ります。

デモでは、初音ミクのライブMRコンテンツを体験できました。グラスをかけたまま、好きな位置・好きな角度からステージを眺めることができ、視点を移動するたびにそこにいるキャラクターを追いかけられる楽しさがあります。

ヘッドセット型のXRデバイスほど大げさではない装着感で、こうしたライブ的コンテンツを楽しめるのはXREAL Oneシリーズならではのもの。UnityやUnreal Engineで3D CGのMVを制作しているクリエイターが、XREAL Oneシリーズ向けの視聴体験を前提にした作品づくりを行えば、また新しいライブ表現が生まれそうだと感じました。

細かいポイントですが、化粧箱のデザインも印象的でした。正面には「1」ではなく「ONE」のロゴが大きくあしらわれており、XREAL Oneから続く「THE ONE」ブランドとしてのライン展開を、XREAL自身が強く意識していることが伝わってきます。

Switch2を試したい? それなら「XREAL Neo」を使おう

もう一点の新商品、モバイルバッテリー「XREAL Neo」もご紹介しましょう。XREALシリーズを長時間使い続けられるように、10,000mAh/38.7Whの容量を持っています。価格は1万4580円で、XREAL 1S同様に現在は予約受付中。出荷予定は2026年1月下旬以降です。

上面の大きな丸い意匠はマグネット。iPhoneのMagSafeなどに合わせたサイズとなっており、ベルトなどを使わずとも固定できます。

iPhone以外のデバイスに関しても、Amazonなどで「Magsafe用リング」といった名称で販売されている円型磁石シールを使えばカンタンに固定できますよ。

背面にキックスタンドパーツつき。本体に生えているケーブルはデバイスと接続するためのUSB Type-Cケーブルで、その横にはXREALシリーズと接続するためのコネクタが備わっています。

逆側には充電用のUSB Type-Cポートがあります。充電しながら使うことも可能です。最大60Wの急速充電にも対応。なお出力は40Wです。

買い!といえるポイントはなんといっても、ニンテンドーSwitch2の映像をUSB Type-Cのまま取り出してXREALシリーズで見ることができるところ。ニンテンドーSwitch2はDisplayPort Alt Modeではなく、独自プロトコルでUSBポートから映像信号を出力しているようで、XREALシリーズで大画面を楽しむのが難しいとされていましたが、これで一安心。(とはいっても、ニンテンドーSwitch2側のファームウェアアップデートで仕様が代わる可能性があることは記しておきます)

なおXREAL 1SとXREAL Neoを予約すると、合計8万2560円になるところ7万6560円にプライスダウン。これはお得です。お見逃しなく。

「XREAL 1S」公式サイトはこちら:https://jp.shop.xreal.com/products/xreal-1s
「XREAL Neo」公式サイトはこちら:https://jp.shop.xreal.com/products/xreal-neo


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