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VRゲーム・アプリ 2025.06.07

“バーチャルペット”は今後普及するか? VRゲーム「Stay:Forever home」は本気度の伝わるタイトルだった

ペットを飼いたくても、住んでいる場所や家族の関係で飼えない。そんな人たちを癒やすために、さまざまなデジタルコンテンツが開発されてきました。「たまごっち」のような携帯玩具や、ニンテンドーDSの「ニンテンドッグス」のようにタッチペンを使ってコミュニケーションを取れるタイトルなどがありましたが、VRでも“バーチャルペット”との交流を実現しようとする動きがあります。

これまで「ペリドット」や「もっと!ねこあつめ」といったMR(拡張現実)を使い、自分の部屋にペットが訪れる体験を提供する作品はありましたが、今回紹介する「Stay:Forever home」は、ペットとの交流についてもう一歩先を見据えた内容になっていました。

はたして、バーチャルペットは今後世間に浸透するのか、今作のインプレッションを元に考えていきます。

「Stay:Forever home」はどんなゲーム?


(公式画像からも分かる、開発者たちの強いペット愛)

「Stay:Forever home」は、米国ワシントンのゲームスタジオ「Windup Minds」の開発したMeta Quest向けタイトルです。このスタジオは、MetaやNianticなど大手スタジオ出身のベテランクリエイターが、次世代「バーチャルペット」の開発に挑むため集結したというユニークな経緯があります。

そんな本作は、“エンバー”という名前の犬のようなペットと触れ合えるのが最大の特徴です。エンバーにはAIが搭載されており、実際の犬のように自分で考えて行動する仕草をしてくれます。

ゲームを開始すると、枠のような空間の中にエンバーが出現しました。最初はこちらを警戒しますが、餌をあげるとすぐに打ち解けてくれます。

現実の部屋に連れ出すと、中型犬のようなサイズなため、バーチャルなペットが本当にいるような実感が湧きました。ブラッシングや植物の育て方といった基本的なことを学んだら、さっそく扉を開けて外へのお出かけしましょう!

「お散歩」や「取引」など、いままでにないペットとの体験が楽しめる

本作と他のペットコンテンツの大きな違いは、VR空間上に作られた世界で「お散歩」できることです。ローポリゴンながら色鮮やかに作られた箱庭は、非常に美しく心が癒やされます。お散歩コースとしては、広くもなく小さくもないぴったりの規模感です。

ただお散歩するだけでなく、散策すると果物や種といったアイテムが見つかり、木などのオブジェクトに触れると光の玉が手に入ります。これらを「取引ボード」に持っていき、指定された量を納品すると、エンバーが寝るベッドや頭につけるリボンなど、特別なアイテムと交換できます。

さらに取引を繰り返すと取引レベルが上がり、さらなるアイテムが入手可能になります。これらを現実空間に持って帰ることもでき、エンバーといこいの場所を自分流に作り上げることができます。

なお、取引の方法は初見だとちょっと分かりにくい印象。取引ボートに貼り出された小さなボードを隣のメールボックスに貼り、ポストの中に指定されたアイテムを入れる&光の玉を指定数持っていれば、取引アイテムが手に入ります。

エンバーの愛らしい動きに心を奪われる

本作を語る上で外せないのは、エンバーの仕草です。ちゃんとペットを研究していると思わせる自然な動きをしつつも、アニメのようなデフォルメ感を織り混ぜ、ちゃんと目の前にペットが居る感覚を作り上げています。

歩く仕草は、まさに犬そのもの。周りをキョロキョロ見ながら進み、なにか見つけたらこちらに駆け寄ってくれました。しっぽの振り方、匂いの嗅ぎ方など、まさに命が宿っているような動きで、愛くるしい姿に心を奪われました。

移動はVRでおなじみのワープ移動もできますが、個人的にはスティックによる滑らかな移動を推奨したいです。VRゲームの移動速度としてはちょっとだけ遅めですが、実際に歩行する速度とほぼ同じなため、エンバーと一緒に散歩している感覚が強まってくれます。視界からいなくなったと思えば、スッと追い抜いて前を歩くなど、本当に犬と一緒にいるような瞬間が何度もありました。

取引や食事など、エンバーの要望に応えると好感度が上がり、できることが広がってくれます。例えば、英語で「GO」などと喋ると音声認識で反応します。さらに、今後のアップデートで日本語音声にも対応予定とのこと。

ちなみに、本作で可愛らしいのはエンバーだけではありません。歩いていると小さな生き物「モスリング」が近づいてきてアイテムをプレゼントしてくれます。ぴょこぴょこ跳ねる姿はキュートですが、たまにこちらのアイテムを泥棒してくる個体も現れます。盗まれたアイテムを取り戻すために、必死になって戦ってくれるエンバーも必見です。

バグ、休憩時間など気になる部分も

ペットとのコミュニケーションとしては非常によくできた「Stay:Forever home」ですが、それ故に気になってしまうのはバグです。物理演算的な動きでおかしいことが起こりがちで、せっかく取引したアイテムがいつの間にか消滅していたり、泥棒モスリングがいる場面でエンバーが完全停止してしまったりと、遊んでいて困るケースが多々ありました。幸い、本作は積極的にアップデートでバグを修正しているので、将来的には直ってくれることを願います。

また、エンバーは元気に散歩したあと、疲れて眠たくなってきます。家に戻ると眠ってしまうのですが、こうなると元気になるまでリアルタイムに数時間休まなくてはいけません。そこそこ眠らなければいけないのに対し、元気に遊び回れるのは数十分ほどなので、バランスの悪さを感じてしまいます。一応、眠くなったあとも散歩は問題なく続けられますが、眠いエンバーをずっと連れ回すのも正直気が引けるのが親心というものです。

その他、エンバーのリュックに詰められる物の種類が少ない、日本語化されているものの翻訳された文章はかなり読みづらいなど、気になる部分もあるので改善して欲しいところです。

まとめ:本作が示すバーチャルペットの可能性

「Stay:Forever home」は単純なVRペットゲームではなく、愛らしい生き物をいかに再現するかに注力しており、クリエイターたちの熱意が感じられました。バグなどで遊びづらい部分は少なくないですが、今後の更新に期待できる面もあり、ペットと触れ合いたいVRユーザーなら触ってみる価値があります。

本作はバーチャルペットの可能性を感じさせる部分も多く、特にこれまで部屋の中で完結していたペットとの交流を、「お散歩」の要素によって一緒にいる実感を強めたのは大きな強みです。取引などゲーム的な要素も、より一緒に遊んでいる気持ちにさせてくれます。目の前にいることだけでは成し得なかった部分なので、他のタイトルでもこのようなアイデアが増えて欲しいところです。

もちろん犬だけでなく、本作に続いてさまざまな生き物との交流が出来るゲームが増えれば、バーチャルペットはもっと普及するかもしれません。技術的にはまだ発展段階なので、これからの未来にはどんな事ができるのか、期待に胸が膨らみます。

「Stay:Forever home」のダウンロードはこちら


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