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イベント情報 2022.09.01

10代の姉弟クリエイターユニット・8LEGSのVR作品は何がすごいのか? 全身で体験してみた

クリエイターユニット・8LEGSによる個展が、8月17日(水)から8月27日(土)にかけて開催されました。8LEGSは、姉の森谷安寿さんと弟の森谷頼安さんによる、10代の学生姉弟ユニット。「未踏ジュニアスーパークリエーター」や「文化庁メディア芸術祭」などの受賞歴を持つ、気鋭の若手クリエイターです。

そんな8LEGSの個展にて、目玉となるコンテンツはオリジナルVR作品「DRIFT ABYSS」。「体を動かして空を飛ぶ」というユニークなVR作品を体験してみました。

個展の会場は日比谷OKUROJI。個展および「DRIFT ABYSS」の体験は2部屋にて実施されており、会場にはこれまでの8LEGSの作品などが展示されていました。

今回体験する「DRIFT ABYSS」は、自動生成されていく世界を自由に飛行して探索できる作品です。作品コンセプトは冒険と「健康寿命を伸ばし、誰もが末永く活躍できる体作りの環境を整えること」。そのコンセプトの通り、基本操作にボタンやスティックは必要ありません。


今回、体験時に使用されたVRヘッドセットは「Meta Quest 2」です。操作方法はいたって単純。両手を羽ばたかせると上昇し、水平に広げると前方へ飛行、気をつけの姿勢でゆっくりと降下。これだけです。全身を文字通り「フル活用」して体験するコンテンツなのです。

実にフィジカルな操作方法で、最初は戸惑いますが、1分もかからないうちにコツはつかめます。慣れてしまえば、羽ばたきも滑空もコントローラーの位置・角度から思い通りに反映される操作感がとても心地よく、ついつい羽ばたいてしまいたくなるほど。

「DRIFT ABYSS」自体には大きな目的は存在せず、無限に広がる世界をその体一つで探索し、体を動かすことがメインとなります。真っ赤な荒野や、カラフルな未来都市、広大な地下世界など、行くことができる世界は全てランダムで自動生成されるため、毎回まったくちがう世界を体験できるのが大きな特徴です。

いわゆるエクササイズコンテンツとして見ると、「毎回ランダムである」ところが大きなポイント。ジョギングコースも10回走れば見慣れてしまい、ついつい飽きてしまう人もいるはずですが、「DRIFT ABYSS」で飛ぶことができる世界は毎回異なるため、飽きることはないでしょう。いつも新鮮な気持ちで冒険し、そして運動できるため、習慣化しやすそうです。

「操作しやすく、飽きにくい」という特徴は、8LEGSのふたりが過去の作品から得られたフィードバックがもとになっているのだそう。筆者が体験している最中にも「ここはこうした方がいいね」とふたりでブラッシュアップに向けて話し合っていたのが印象的です。

8LEGSによる個展は8月27日で終了しましたが、9月16日(金)から9月26日(月)にかけて、日本科学未来館で開催されるメディア芸術祭でも体験型の展示を実施するとのことです。気鋭のクリエイターによる作品を体験したい方は、こちらに足を運んでみるとよいでしょう。


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