。最近のVR体験では、頭や手だけではなく、足や腰をもトラッキングさせて、全身を動かすことも珍しくありません。両脚や腰にとりつけるVRトラッキングデバイスも、安価&精確なものが増えており、快適に楽しめるようになってきています。
しかし、両足を動かせたとしても、バーチャル空間内の移動は、コントローラーでのスティックやボタンを使った入力によるものがほとんどでしょう。それはそうです、部屋の広さ、形状には限度があるのですから。無限の広さを作り出せるVRを歩き回るには、物理的な広さが全く足りないのです。
そんな環境でも楽しめる”歩くため”のVRデバイスがあります。それが『Omni One』。専用のシューズを履き、台座の上で闊歩することによって、VR内にもそれが反映され、歩行することができます。
今回は、「Omni One」が体験できる「歩くVR」という施設についてレポートします。
神奈川の体験施設「歩くVR」とは?
「歩くVR」は、歩行VRゲームの体験ができる施設で、神奈川県神奈川区新子安に店舗を構えます。JR新子安駅から徒歩10分ほどにあるアクセスが良い場所です。店舗はマンションの1階にあります。駐車スペースはないため、店舗に向かう際は交通機関などを使って行きましょう。
体験をする際は、事前予約が必要です。公式サイトから予約を行った上で現地に向かいましょう。予約は、1名の場合4,546円、ペアの場合9,091円です。予約が完了すると、受付メールが届きます。
VR歩行デバイス「Omni One」をいざ体験!
今回体験する「Omni One」は、アメリカのVirtuix社製の歩行VRガジェットです。360度歩いたり走ったりといった動作をVRゲーム内で行うことができます。回転や屈むアクションもでき、3つの可動域を持つアームと回転する台がそれを可能とさせています。
大きさは、幅121.92インチ、奥行152.4センチ、高さ121.92インチと大きく、幅の広いルームランナーのようなスケールです。
「歩くVR」では、1名につき一枠30分で歩行VRゲームの体験ができます。最初の10分で準備として、操作説明や諸注意などを聞いたり、体験するゲームを決めます。残りの20分はゲームを満喫できる時間です。

事前説明では、身長の確認があります。Omni Oneを使用する際の調整で必要になるので、あらかじめ確認しておきましょう。
Omni Oneに乗る前に専用のシューズを履きます。シューズといっても簡易的なサンダルのような作りで、靴を脱いでから履きます。事前に靴下の準備もしておきましょう。靴の先端には、トラッカーが付いており、この部分で歩行を認識します。
今回使用した画像のシューズはSサイズでしたが、同行した知人の24.5㎝の足でも、筆者の28.0cmの足でも問題なく履くことができました。
履く前にシューズの裏にあるフリップ式の滑り止めを表にしておきます。このフリップを裏にすると、摩擦が効かなくなりOmni Oneの台座の上でとても滑りやすくなります。
シューズを履いたらお待ちかねのOmni Oneにライドオン!
台座に足を踏み入れるともう滑る滑る!
体幹があまり強くない筆者は、浅いすり鉢状になっている台座の上で、小鹿のように足が震え、バランスを崩しがちでした。想定以上の滑りやすさに笑いが止まりません。ちなみにシューズの滑り止めは、まだキープした状態です。
鉢状の台座の上で、足を両側面に置いて仁王立ちの状態になるとやっと安定しました。
その状態でいよいよ「Omni One」を装着していきます。
Omni Oneは、リュックサックのように背負うストラップと、腹に巻くベルトで体を固定します。ストラップは、胸のあたりでバンドを留め、ベルトは幅が大きく、両方留めると非常にがっちりとした安定感が生まれます。
さらに、背中と腰部分にあるクッションはとても厚く弾力もあるためフィット感を生み、抵抗感なく装着することができます。
また、体を支えるOmni Oneのアームは、3点で曲がるようになっており、可動域がとても柔軟に広がります。態勢を低くしても、背中を引っ張られたりといったことは全くありません。ゲームをしていても全く気になりませんでした。アームの高さは、身長によって調節ができ、アームの補助の重さも4段階で調節が効きます。(体験時は”2”でした)


そして、忘れてはならないVRヘッドセット。「歩くVR 新子安店」では、「PICO 4 Enterprise」 を使用します。ヘッドストラップがダイヤル式で調整できるため、装着がとても簡単です。また、頭頂部のバンドの長さは、スタッフの方が調整してくれるため、体験する際の手間はありません。
コントローラーも片方ずつ渡され、ストラップを付ける余裕もあります。VRに慣れていない方も落ち着いて準備ができます。ここまで準備ができたら、いよいよシューズのフリップを返して滑る状態にします。
「歩くVR」で体験できる基本のゲームは、6月10日現在で主に2種類です。宇宙空間にある基地でクライムやスイムで探索できる「Hubris」と、カントリー調のステージで剣や銃を使ったアクションを楽しめる「Crimen – Mercenary Tales」の2種類のゲームで歩行VRを体験できます。

Hubris
https://virtuix.com/products/hubris

Crimen – Mercenary Tales
https://virtuix.com/products/crimen-mercenary-tales
今回、筆者は「Crimen – Mercenary Tales」を体験しました。ゲームのステージの移動で歩行体験が楽しめます。普段の歩いている感覚というよりも、両足で上手く滑りながら小走りで進むといった感覚に近いです。
傾斜があるところや、幅の狭い道でも、そのまま歩いて進んでいけます。歩行する際のコツは、浅いすり鉢上の坂を歩幅を狭くして上ることです。シューズが滑るため、自然と台の中央で歩き続けることができます。
ゲームとしては、物をもって投げたり、剣や銃を使っての戦闘ができます。出現する敵に囲まれる場面がありましたが、360度回転できるOmni Oneの力で歩き回り、小回りを利かせ戦うことができました。
同行した知人は、「Hubris」を体験しました。
壁を上ったり、反り立つ壁に対して視点を上に向けないといけませんが、Omni Oneのアームの可動域によって、とても楽に行っていました。
また、ステージ内には広い湖のような場所があり、泳いで進むことがあるのですが、ゆとりあるアームの可動域によって、歩行しつつも少し前に屈んで泳ぐ動作を取れていました。より自然に近い”立ち泳ぎ”のように動けるのは歩行系VRだからこそかもしれません。
ゲームをクリアしても体験時間に余裕がある際は、他のゲームでも遊べることがあるそうです。「Crimen – Mercenary Tales」をクリアした筆者は、「Dead Zone」というゾンビアクションゲームも体験しました。
手にした銃やこん棒といった武器で、迫りくるゾンビたちを倒していくというゲームで、360度からゾンビたちが襲い掛かってきます。
ステージに落ちている物資を掴む際に、かがむことがありました。ここでも可動域の広いOmni Oneのアームの本領が発揮されます。
途中、ゾンビに囲まれることがありましたが、滑らかに360度回転できるため対処しやすく感じられました。
思ったよりも激しい! VRで走り回れる嬉しさ
体験時間が終わり、VRヘッドセットを取ると額には大粒の汗が。自分が感じていたよりも運動量はとても多そうです。後で撮ってもらった動画を見ると、Omni Oneに乗る自分がこんなにもグルグルと回っていたのかと驚きました。ですが、その新しい感覚に興奮していた筆者は、疲れを感じないままにその時間を終えました。運動量としては、アミューズメント施設の中でも、かなり高い部類の体験だと思います。
また、使用していた「PICO 4 Enterprise」がコードレスだったということもあり、歩行VR体験に干渉しないところが良いポイントでした。
Omni Oneで公式サポートされているゲームは、Virtuixのサイトで公開されています。
筆者は、以前「KATWALK」を自前の靴下や靴を履いた状態で使った経験がありますが、「Omni One」は専用の滑りやすいシューズを使用する分、非常になめらかに足を動かすことができました。むしろ歩くより走る方に向いていると思います。その様子は、少し前にネットで流行っていたエッホエッホと小走りするフクロウのようです。
今回体験した機材は、「Omni One Core」と「PICO 4 Enterprise」で、価格はトータルで50万円以上になる機種ですが、あくまで一般向けの機種になります。しかし、その大きさは、直径で約120㎝。その大きさは日本の住居に置くには非常に難しい代物です。また、今回遊んだ中で、機材から出る音や、大きい機材ゆえの振動なども気になります。
体験するゲームを用意したり、機材のメンテナンスも考えると、プライベート向けに購入するよりも「歩くVR」のような体験施設で遊ぶのをおすすめします。
次に体験したいのは“泳ぐ”
「歩くVR」の今後の展望を、店長の藤巻氏にお聞きしました。
藤巻氏は、Omni One自体をより楽しんでもらえるような新しい体験を作っていきたいと語っていました。Omni Oneを体験した方の中で、特に評判が良かったのが「Hubris」のような「泳ぐ」体験とのことで、歩くためのデバイスではありますが、VRで泳ぐ体験ができるデバイスとして使えるのでは、と考えているのが現在の考えのようです。
また、歩くVR体験は、心地よく汗をかけるということを大きなポイントとして考えているそうです。VRゲーマーにも、適度な運動を楽しんでもらうことで、顧客満足度に繋がると考えており、そこにエンタメ性をプラスしていくと、先述した「泳ぐVR」になっていくのかもしれないと話していました。
VR体験は一見に如かず。ぜひ現地の施設で”歩くVR”を体験してもらいたいです。
| 項目 | 詳細 |
| 施設名 | 歩くVR 新子安店 |
| 住所 | 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1丁目16-24 グランディール・横濱 1F |
| 料金 | 1名:4,546円(30分)ペア:9,091円(1時間) |
| 公式サイト | https://aruku-vr.com/ |
| 公式X | https://x.com/aruku_vr_ |











