日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber（バーチャルユーチューバー）や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。話題のものから個性派まで、要チェック！
今回からは特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りしてご紹介していきます。そのためピックアップする動画の本数自体は少し減りますが、一人ひとりのこれまでの活動スタイルなどをより詳しく紹介し、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていこうと思っています！
【NGなし?】VHuman冥途ヶ原の全て！教えちゃいます！【マシュマロ】
バーチャルヒューマン・VHumanとして配信活動をしている、ANOME所属の冥途ヶ原さらさ。バーチャルなアバターを使っているという点ではVTuberと同じ枠組みかもしれませんが、アバターはものすごくリアルな人間寄りです。そして技術の進歩で自然にかわいくなりました。
冥途ヶ原さらさはVHumanとして2023年9月から活動を続けており、今回改めて自身についてマシュマロに答える形で赤裸々に話しています。これを聞くと、VTuberではなくVHumanの魅力もかなり分かると思います。
「それもはやリアルでよくね、っていう人もいると思うんですけど、バーチャルだからリアルな人間のできないようなバーチャルでしかできないこともできるし、しかもかつ今までのVTuberと違ってめっちゃリアルだから人の目をひいて、かわいいし、これ絶対流行ると思ってオーディションに応募して合格しました」（19分くらいから）
現時点でANOMEに所属しているのは、美姫仁奈にきび、KAILI、天使㋲子（３月１日からスタート）、冥途ヶ原さらさが所属中。しゃべりに関してはそれぞれ個性が尖りまくっていて、見応えがあるのは、他のVTuberやストリーマーと同じ。「かわいい」をどこに求めているかの方向の差と、需要がどこにあるかを考えた場合にうまれた解答のひとつのようです。
ぱっと見リアルな人間で、（人によってとはいえ）理想的なかわいさで活動することができる、というVHumanスタイルの配信者、ファンタジー色があるVTuberとはまたちょっと違う新しい形式として、人気を伸ばしていきそうです。バーチャルなはちゃめちゃをやったときにリアルっぽいがゆえに他にない面白い絵面になる、というのは強みのひとつかもしれません。
【 #にじ格女3D 】にじさんじ格付けし合う女たち -3Dバレンタインスペシャル-【 にじさんじ 】
竜胆尊がバレンタインデーに行ったのは「にじさんじ格付けし合う女たち」。参加者全員と4066人の視聴者たちがお題に対して、参加した女性ライバーを順位付け。発表していくというものです。この形式自体は色々なVTuberグループでも行われていますが、今回3Dでやっているというのが大きなポイント。大人数の「ひな壇」が可能になったというのは技術的革新を感じます。全員のトラッキングが破綻しておらず、なめらかな動きでそれぞれの個性をしっかり動きで見せてくれています。これは今後のVTuberの企画では、大きな可能性になりそうです。
9人の座り方がバラバラで、並んでいるのを見るだけで個性が感じられてとても楽しい画面になっています。またコメンテーターとして卯月コウ（中学生男子）と剣持刀也（高校生男子）が参加して視点を追加しているのも見事な采配です。
奇しくも「花」の字を持つ3人が争うことになるなど、波乱にとんだ内容。それぞれどういう順位になっているか、ライバーはそれぞれをどう見ているか、じっくり楽しんでみてください。
VTuberの女子格付け企画は他にも多く行われており、最近だと犬山たまきによる
#格付けしあうあおぎり高校【犬山たまき/音霊魂子/大代真白/栗駒こまる/山黒音玄/石狩あかり】、さくらみこによる【企画】バレンタインに格付けしあうホロライブの女たち‼💘【ホロライブ/さくらみこ】なども配信されています。中でも宗谷いちかは「#女の格付けV」シリーズとして【 #女の格付けV 】格付けしあう女たち -新人SP-〖宗谷いちか /ななしいんく〗などを自身の配信内で幾度も企画しています
だいたいが、いわゆるVTuberグループとしての「箱」を活用しています。全員の個性が見える、ネタ的ないじり方で笑ってもあまり傷つかずむしろおいしい、VTuberのキャラ立ちが内側と外側から見られる、などの点で楽しめるポイントの多いスタイルの企画です。
視聴者参加デスゲーム「アルター・カーニバル」1st GAME【20:00開幕】
連続殺人事件に巻き込まれた少女たちを救う謎解きリアルタイムショー「みやまん」で話題になったProject:;COLD。主要なキャラクターが登場し、視聴者との交流の中で事件と対峙していく、非常にバーチャルなスタイルで生々しいサスペンスを作るプロジェクトです。
新しく始まった企画「アルター・カーニバル」は、さらに直球で残虐。バーチャルなキャラクターたちがデスゲームに挑む、確実にえげつない展開になるのが最初からわかっているシリーズです。最初から見る人は大きくふるいにかけられそうなのも含めて、攻めの姿勢が見られます。
デスゲームものの基本である「登場人物がゲームに参加して脱落者が死ぬ」という形式はそのまま守られています。そんな中で他にない仕掛けのひとつになっているのが、デスゲームが始まると参加者たちが個別の配信を開いて、VTuberの配信のように視聴者コメントとのやりとりが行われる、という部分。ここで一気にフィクションキャラクターから、バーチャルな実在存在として、視聴者は生きた少女たちと交流することになります。一度でも言葉を交わせてしまうと、一気に情がわきます。
配信は一斉に行われるため、自分の推しのところを選んで参加することになります（複窓は可能ではありますが）。コメントとのやり取りを含む雑談もしながら、それぞれの謎解きを視聴者が協力して行い、タイムを競うというもの。早い順に抜けていくので、一番遅い人は最後までとけず幕が下ります。つまり、彼女たちの命は参加者の手にかかっているということ。
アルター・カーニバル個別配信【風張美聡】
アルター・カーニバル個別配信【吉永瑠奈】
アルター・カーニバル個別配信【花崎薫】
アルター・カーニバル個別配信【日下部祥子】
アルター・カーニバル個別配信【墨田季楽々】
今後物語として何かが起きるかもしれませんが、今のところ本当に死にます。それぞれのリスナーの一喜一憂の重さが、普通の勝ち負けの比じゃありません。負けたらもう、戻ってきません。ここで応援して一緒に謎解きをする少女のことを「推し」という言葉で表現しているのは特徴的です。
デスゲーム主催者の最高に悪趣味な性格が、そのまま楽しめるヒヤヒヤ体験は「みやまん」の「救う！」とは別の面白さがあります。なんせ自分たちが頑張って推しの子が生き延びれば、他の子が死ぬという死神でもあるわけですから、生殺与奪の権を渡された視聴者はどう転んでも後味の悪さを感じざるを得ません。こんな経験一生で何度もあるわけがないです。眼の前で命を持ったバーチャルなキャラクターが死ぬ、でも自分が死なないデスゲーム体験、やっておかないともうできないかもしれません。
あまりにも生々しい、VTuber形式のリアリティを手法にとったこの内容、心臓の強い人は次回ぜひ参加してみてください。そもそもこのデスゲームはなんなのか、主催は誰なのか、など謎も多いのですが、加減抜きで、あなたの手に眼の前の少女の命がかかっているキワキワ感、他では得られないものがあります。
【雑談配信】宝石の写真をたくさん撮ろう！【宝石研磨師見習い新人Vtuber】
宝石研磨師見習い新人VTuberのごももが行ったのは、宝石の写真撮影配信。雑談配信、とは言っていますが、普通では見ることのできない宝石の原石を大量に見られる貴重な映像になっています。
ごももはおもしろ宝石研磨を行ったり、世界を飛び回って宝石を撮影したりと、宝石の魅力と研磨技術の興味深さを見せてくれるチャンネルです。ごももがVTuberになった経緯は猫ミーム動画で紹介されており、これを見るとVTuberで好きなことを発信していく面白さと可能性も感じさせてくれます。
実写多めのVTuberなのは、宝石の研磨がメインテーマだからというのは大きそうです。こればかりは現物を見てもらわないとどうしようもない。それでいてこのコアなテーマを知ってもらうフックとしてVTuberであることを利用しているのは、VTuberを使う上で非常に大切な活動方針です。
【オリジナル曲】生きんのが下手【VTuber/煮屋】
別に応援しているわけでもないし励ましているわけでもないのだけれども、凹んでいる時に聴くととっても救われる、そんな曲を煮屋がアップしました。タイトルの通り「生きんのが下手」な様子をひたすら表現していく歌です。
頑張れと言われるとしんどいけれども、同じような境遇を見ていると心が休まる、そんな人にぜひおすすめしたい作品です。何より本当に手に負えないしんどさは歌っておらず、日々の中でのどうでもいいことなんだけれどもできなくて凹む、そのくらいのさじ加減のしょんぼりが盛り込まれているからです。
これをふんわりしたかわいく優しい歌声で歌っているのも、聴いていて心地が良いです。
VTuberには特に背中を押すタイプの応援型や、推してもらい元気を与えるアイドル型なのがいますが、こういう寄り添い型は心の支えとして強力。そのスタンスと生き方をきちんとこの曲のように形にできるのは貴重な才能です。
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