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VRChat 2022.08.03

【VRChat】アメリカの有名老舗スーパーマーケットをファンが再現 入店して驚愕したのは……

アメリカのスーパーマーケット「Kmart」を、ソーシャルVR「VRChat」上に再現した非公式のファンワールドが話題になっています。複数ある「店舗」のうち、「Super Kmart Center」は現在パブリックで公開されており、誰でも無料で入場できます。

「Kmart」はかつて、アメリカ有数のスーパーマーケットとして展開され、最盛期では2000を超える店舗が存在していました。しかしその後、破産宣告を行い店舗数は急減。2022年4月現在では3店舗のみ経営されています。

売り場からバックヤードまでくまなく再現!


そんな「Kmart」の店舗を再現した「Super Kmart Center」は、店舗入口をくぐると、眼前にとても広大なフロアが広がります。





売り場も様々。食料品、衣料品、家電、ガーデニング、さらには自動車サービスまで。ありとあらゆるものが店内に存在するのでは……と思わされるほど、様々なものが陳列されています。


銃器まで販売されています。中には「どこで使い方を習った?」と尋ねられそうなものも。


フードコートのような場所もあります。席数は多め。買い物に来た家族連れがピザを囲む絵が脳裏に浮かびます。


ゲームコーナーや写真スタジオまであります。この店舗だけで生活の全てがそろってしまいそうな勢いです。



表側だけでもボリュームがすごいのですが、このワールドはバックヤードまで作り込まれています。食料品売り場の調理室、倉庫、スタッフルーム、ロッカールームなど、裏側も非常に広大です。


スーパーマーケットの表側も裏側も、余すことなく作り込まれています。広大な敷地も相まって、写真で伝えようとしても枚数がとても足りません! そんな規模感もまた、「アメリカのスーパーマーケット」のように(日本人として)感じられます。

あるツイートをきっかけに大きく注目されたロールプレイコミュニティ

この非常に広大でかつ細かく作り込まれた「Kmart」を制作したのは、VRChatコミュニティ「VRChat Kmart」のEricirnoさん。「VRChat Kmart」は「VRChat」上に作り上げた「Kmart」にて、ロールプレイなどを行っているコミュニティと紹介されています。

本記事で紹介した「Super Kmart Center」以外にも、Ericirnoさんが1992年に働いていた店舗を再現した「VRChat Kmart」や、Quest向けに調整した「Kmart Express」なども存在します。ただし、どちらもパブリック公開はされていません。店舗一覧はこちら

「VRChat Kmart」は以前から活動していたようですが、7月28日(木)に、アマチュア声優のCoach DornさんのTwitterにて、「Super Kmart Center」のギミックを映した動画が投稿されたことで注目を集めたようです。

Coach Dornさんは「私がこれまでオンライン、特にVRChatで経験した最も狂気じみたことのひとつ」として、「3000人規模のDiscordに参加する人たちが”皮肉にも”ここでロールプレイをしている」と紹介し、約1.2万リツイート、約9.9万いいねを獲得するなど、大きな反響を呼びました。さらに同日には、ゲームメディア「PCGamesN」でも記事化されました。

この事態は「VRChat Kmart」にとっても想定外だったようです。7月30日(土)に、「VRChat Kmart」はTwitterにて、以下のような声明を発表しました。

お買い物客のみなさんにお知らせ!

先週、私たちはたくさんの注目を浴び、どこから手をつけていいのかわからないほどです。

私たちはVRChat Kmartのコミュニティで、ノスタルジアへの愛に基づいた共通の土台を見つけることができた、小さな(それくらいの!)VRプレイヤーのグループです。私たちの主な目標は、チームワーク、思いやり、そして最も重要な「楽しさ」に基づいたポジティブなコミュニティを育むことです。
私たちのコミュニティはロールプレイの側面で最もよく知られており、それは当初から私たちのグループの糧となっていますが、私たちには額面通りに受け取るだけでは簡単に見落とされてしまう、他の多くの側面があります。

ロールプレイも楽しいのですが、私たちは、このヴィンテージドアで出会った仲間や買い物客のユニークなニーズに合わせて進化していることに気がつきました。そして、そのようなお客さまとの対話の中で、「どこにもなじめない」という共通項が見えてきました。そして、その絆は、数少ないゲーマーから友人へと発展し、現在のVRChat Kmartファミリーとなったのです。

増え続ける買い物客と従業員は、メタバースで最も美しく多様性に富んだコミュニティの一つです。私たちのチームは、世界中のほぼすべてのタイムゾーン、さまざまな母国語、才能豊かな障害者、そしてLGBTQIA+コミュニティのメンバーなど、数え上げればきりがないほど、美しい断面図を誇っています。私たち一人ひとりが、小さなコミュニティを継続させるために必要な愛と思いやりをテーブルに提供しています。

このような注目を浴びることにどう反応すべきかまだわかりませんが、ひとつだけ確かなことがあります。

私たちは完璧ではありませんが、皆それぞれの旅の途中です。私たちがこの旅の次の目的地を見つけるまで、ぜひ皆さんとご一緒したいと思っています。

心からありがとうございました。

広報・メディアに関するお問い合わせは、[email protected] までお願いします。

Coach Dornさんのツイートや「PCGamesN」の記事には、「ソーシャルVRの中でスーパーマーケットのロールプレイを行う」ことに対する奇異の視線もうかがえます。しかし、「VRChat Kmart」にとって、ロールプレイとはコミュニティを育む営みなのでしょう。

共通の活動を通して、コミュニティの人々が交流を深めていくのは、日本のVRChatコミュニティでもめずらしいことではありません。

今回の取材では「VRChat Kmart」が実際に「店舗」を運営しているところまではリーチできていません。ノスタルジアを感じられるほど愛のこもったワールドを作るコミュニティによる「Kmart」がどのようなものか、折を見て来店してみたいところです。

もちろん、ワールドそのものもぜひ一度訪れてみてください。とても広いスーパーマーケットは、歩いているだけでワクワクすることでしょう!

ワールドへのアクセスはこちら(Meta Quest 2、またはPC接続型VRヘッドセット、高スペックPCが必要です)。
https://vrch.at/g79x2v0m

(参考)「VRChat Kmart」公式サイト


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