Home » VRChatに「グループ機能」が登場! イベントやコミュニティの管理が一変しそうな新機能を解説


VRChat 2022.12.08

VRChatに「グループ機能」が登場! イベントやコミュニティの管理が一変しそうな新機能を解説

12月8日(木)、ソーシャルVR「VRChat」に新機能「グループ」が登場しました。ユーザーがコミュニティを作り、運営する上で便利な機能が追加されており、従来のイベント開催やコミュニティ管理を一変させ得るアップデートとなっています。

「グループ」とはなにか?

「グループ」とは、その名の通り「VRChat」でグループを作成できる機能です。これまで「Discord」などで行われていた、コミュニティのメンバーなどの管理を「VRChat」単独でも行えるようになります。

本機能は12月1日にベータ版にて登場しており、今回正式に実装された形です。なお、グループ機能は「VRChat に大きな変化をもたらす」との考えから、機能リリースは全部で三段階に分けて実施されるとのことです。

「グループ」でなにができるの?

1. 「グループインスタンス」を作成できる

グループ機能の大きな特徴のひとつとして、「グループインスタンス」を作成できるようになります。「VRChat」におけるワールドインスタンスの新しい種別となり、「グループに所属している人なら誰でも入場できる」インスタンスとなります。

グループインスタンスには、インスタンス内にフレンドがいなくても、グループに所属していれば入場ができます。逆に、グループに所属していない人は参加ができないため、「特定のコミュニティに属する人だけが気軽に入れる場所」を簡単に作れるようになります。

大きな恩恵を受けるのは、「VRChat」開催のイベント運営をする担当者かもしれません。これまで「VRChat」で、イベント開催のため「特定の人だけが入れる会場」を作ろうと思ったときには、「代表者にフレンドリクエストを送信し、承諾後、代表者へJoinまたはRequest Inviteを送信」という、やや遠回りな操作を行う必要がありました。

グループ機能を用いれば、イベント参加希望者は事前にイベント用コミュニティに参加し、イベント当日にはグループインスタンスで会場をオープンする、といったことができます。イベント参加者の制御が、よりかんたんに行えるようになるかもしれません。

2. メッセージやロールによるコミュニティ管理ができる

グループ所属メンバーに対して、「お知らせ」通知の送信もできます。突発的な情報共有などに活用できる可能性があります。

また、所属メンバーに「ロール」を付与もできます。「お知らせ」の送信や、他のユーザーのグループ招待といった各操作を、権限として管理可能です。また、公式ブログでは、実用的な用途だけでなく「ロールを使って独創的な考え方をすることができるようになる」といったアイデアも提示しています。

このほか、コミュニティ全体で写真を共有できる「ギャラリー」も用意されています。これらの機能を活用して、Discordサーバーのようにコミュニティを複数の軸から管理できるようになります。もちろん、「誰がコミュニティに参加しているか」が可視化されるのも大きなポイントです。

「グループ」はどうやって作るの?

グループへの参加は全ユーザーが行えますが、グループの作成は、本機能リリース時点では有料プラン「VRChat Plus」加入ユーザーだけが作成できます。また、作成できるグループは1ユーザーごとに最大3グループまで。作成できるのは「VRChat」のWebサイト上のみで、アプリ内部からはまだ作成できません。

ただし、上記の制限は「新しいグループが一気にたくさん作られること」を危惧して設けられたとのことで、運営サイドは将来的に誰でもグループを作成可能にしたいとコメントしています。

グループを作成する際には、名前、識別子、説明、グループアイコン、バナー、公開か非公開か、などを設定します。「識別子」は、任意設定できる3〜6文字の文字列と、ランダムに割り当てられる4ケタの数字で構成されるもので、グループの名前とは別個で設定する項目です。

また、グループは「公開」か「非公開」を設定する必要があります。この設定はグループ開設後に変更できません。また、公開グループの場合は、グループへの参加方式を「誰でもOK」「承認制にする」「メンバーなどからの招待が必要」のいずれかに設定する必要があります。

グループはパブリック設定かプライベート設定も設定でき、プライベートなグループは、(後述する)グループ検索で表示されないようになります。

そして、グループには「ルール」を記載できます。そのグループがどのように行動するべきかなど、コミュニティに求めるルールや行動規範などを記すことで、コミュニティの管理につなげられます。

ただし、コミュニティのルールと同時に「VRChat」そのものの利用規約とコミュニティガイドラインも引き続き有効である点は、留意するべきでしょう。

今後もアップデートは続く

上述の通り、グループ機能は三段階に分けてリリースが予定されています。今回リリースされたのは基本的な機能のみで、今後は「グループの検索機能」などが追加される見通しです。また、フィードバックも随時受け付けており、迅速ながら慎重にグループ機能を展開しようとする姿勢が垣間見えます。

これまで「VRChat」のコミュニティは、DiscordサーバーやTwitter上で運営・管理されており、「VRChat」単独では「どのようなコミュニティが存在するか」が可視化されていませんでした。また「cluster」のようなイベント開催機能がないため、ソーシャルシステムを駆使した複雑なイベント運営が求められてきました。

グループ機能は「VRChat」に数多あるコミュニティを見つけられるようにして、コミュニティ単位での行動をより行いやすくする、かつてないほど大きなアップデートとなります。コミュニティのあり方にも影響を及ぼしそうなだけに、今後機能面のアップデートも含めて注視したいところです。

(参考)VRChat公式ブログ


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード