人気ストリーマーの配信によって、国内で大きな話題を呼んでいる「VRChat」。ただ、触ってはみたものの「いろんな項目やシステムがありすぎて、どんな風に遊んだり、設定したらいいか分からない……」という人も少なくないかと思います。
本記事では、そんな初心者ユーザー向けに、「VRChat」のVRモードでの操作方法を改めて特集。移動システムやフレンド申請、メッセージの送り方といった“基本動作”を紹介します。
(※記事内では、VRヘッドセットMeta Quest Proを使用しています。)
目次
歩き方、ワールドへの移動の仕方
カメラの使い方
フレンドの登録&合流方法(インスタンスの基本設定)
セキュリティ設定の方法
ジェスチャー&メッセージの送り方
その他、知っておきたい便利機能
歩き方、ワールドへの移動の仕方
基本の歩き方
バーチャル空間のなかでは、一般的な3Dゲームと同じようにコントローラーの左スティックを使って自分のキャラクター(アバター)を動かします。基本的な動かし方はワープ移動と、スティックの動きにアバターが連動する“直接移動”の2種類です。
ワープ移動は、画面内にターゲットを飛ばして、その目標地点に瞬時にジャンプする移動モード。離れた場所に簡単に移動でき、歩くモーションが省略されるため、3D酔いしにくいのが大きな特長です。
VRゲームは、一般的な1人称視点の3Dゲームと比べて、(特に遊びはじめは)VR酔いしてしまう人が少なくありません。まずはワープ移動でプレイして、自分の“酔い度”をチェックしてみるのがオススメです。
直接移動は、普通のアクションゲームのようにスティックでアバターを動かすシステムです。激しい動きや細かい位置調整が行えるのがメリットですが、画面の動きが多くなるので酔いやすい人は注意が必要です。
移動モードの切り替えは、オプション欄のコントロールから行えます。欄内の“ホロポート移動”を有効にすると、ワープで動き回ることが可能になります。
また、ローンチパッド(クイックメニュー)の「座る/立つ」を選択すると、アバターの姿勢を変えられます。「座って遊んでいるのにアバターが立っていて違和感……」といった際は、このボタンを押してポーズを変更しましょう(移動方法自体には影響がありません)。
ワールドの探し方
ワールドを移動したい場合は、まずローンチパッドを開いて「ワールド」を選択します。この画面に移行すると、画面左側に“トレンド”やオススメのワールドが表示されるので、行ってみたいワールドを選んでみましょう。
選択後には、次のような画面が表示されます。画面真ん中の「入る」を押すとワールドに入室できますが、基本的にはパブリックインスタンス(オープン部屋)が初期表示されています。このままだと、部屋に誰でも入室できるので、自分だけでまず探索したい場合は、「インスタンスを作成」を選択した後、“インバイト”を選んでください。
もし行きたいワールドが見つからなかった場合、メニュー左側の「ワールドを検索」を押すことで文字検索が行えます。「JP」や「JPN」といったワードを入れると、国内クリエイターが作成したワールドが多く表示されます。
(「JP」と入力して表示されたワールド。日本発ワールドが多く確認できます)
ちなみにワールドには、直接メニューから飛ぶ以外にポータルを設置して移動する方法もあります。ポータルを使うと、フレンドと一緒に別ワールドに移動可能。またポータル本体を選択すると、移動先ワールドの情報を見ることができます。
アイテムの持ち方
ワールド内には、アバターを表示できる鏡や座れる椅子、各種オブジェクト(ドア、ぬいぐるみ、ペンなど)が置かれている場合があります。コントローラーの内トリガーを引くと、これらの“アイテム”を使用できます。例えばドアは、開いたり閉じたりすることが可能。ペンは、握りながらトリガーを引くことで、字や絵を描くことができます。
各オブジェクトは、内トリガーを押し続けることで、掴んで好きな場所に持ち運び可能。戦う系のゲームワールドに置いてある銃や剣も、このやり方で使えます。
なおワールドに設置されているオブジェクト類には、完全な“置き物(触ることができない)”もあります。近づいて手を向けた際に青いハイライトが出た物は、動かしたり持ったりできるオブジェクトです。
カメラの使い方
ワールドで面白い場所を見つけたり、自分のアバターの写真を撮りたくなったりした際は、カメラモードの出番です。ローンチパッドを開いたあとに表示される“カメラ型アイコン”を選択することで起動できます。
表示されたカメラは、スマートフォンのカメラのように手で持って使うことができます。ズームやオートフォーカスといった機能も実装されており、遠くの場所を拡大して撮ったり、フレンドのアバターに“絞って”撮影したりすることも可能。「アンカー」を使用すると、ワールド内にカメラを固定できます。
ちなみに自分のアバターを近くで撮りたいときには、カメラを前後逆に持つか、カメラ上部のボタンを押すと、レンズが自撮りモードに切り替わります。
また「VRChat」のカメラでは、ドローンのようにカメラを飛ばせる“飛行モード”も使えます。このモードは、主に空からの見下ろし撮影や、ワールド内の行きにくい場所を撮りたいときなどに使います。
飛行モードは、カメラ内の同項目を選ぶと起動できます。このモードに切り替わると、コントローラーのスティック操作がドローン側に“スイッチ”します。カメラを飛ばしている間はアバターを操作できないので注意してください。
その他には、写真の構図決めをサポートしてくれる“グリッド”や、「集中線」「セピア」といったエフェクトで写真を加工できるフィルター機能も利用できます。移動しながらいろんなアングルで写真を撮りたい場合は、“自分を追従”を有効にすると、カメラがアバターを追跡するように動作してくれるので、非常に便利です。
フレンドの登録&合流方法(インスタンスの基本設定)
プレイ中に他ユーザーと仲良くなった時は、フレンド申請をすると、より交流を深めることができます。
フレンド申請を行うためには、まずローンチパッドを開きます。この状態で相手プレイヤーにレーザー(コントローラーから伸びる光線)を当ててコントローラーのトリガーを引くと、プロフィール欄が出現。このメニュー内の「フレンド登録を申請」を押すことで、相手にリクエストを送信できます。
登録が承認されたプレイヤーは、メニューのフレンド欄に表示され、ログイン状態や現在いるワールドを確認することができます。
フレンドを自分の場所に呼びたい場合は、「招待」機能を使いますが、フレンドのオンラインステータスによっては、「招待」が届かない場合があるので注意が必要です。
また「VRChat」には、5種類の“インスタンス(部屋設定)”があります。設定によって、入室や招待できる人の条件が異なるので、自分で部屋を建てる際は、集まるメンバーなどを確認をしておくのがオススメです。
パブリック:誰でも自由に入室可能
フレンド+:インスタンスにいる人のフレンドなら、誰でも入室可能
フレンドオンリー:インスタンス主のフレンドのみ入室可能
インバイト+:インスタンス内の誰かから招待を受け取った場合のみ、入室可
インバイト:インスタンス主から招待を受け取った場合のみ、入室可
セキュリティ設定の方法
「VRChat」には、表示するアバターや“データ上限”を設定できる「セーフティー」機能があります。「VRChat」は、ユーザーが自由にアバターを制作できますが、”重い”アバターがワールドに集まると、PCやQuestが処理落ちする場合があります。また、パブリックのインスタンスで遭遇する場合がある“荒らし”は、アバターに悪意のあるギミックを仕込んでいる場合がありますが、「セーフティー」を高めに設定しておくことで、被害を抑えることができます。
設定を変更するには、まずメニューから「セーフティー」を選択します。セーフティー設定は4段階で変更可能です。
・「ノーマル」:「Known user」以下のオーディオやシェーダーなどを制限。
・「最大」:「Known user」以下のアバターは非表示に(音声だけ出力)。
・「なし」:制限なし
・「カスタム」:すべての項目を任意で調節可能
「None」にすると、すべての描画が有効になりますが、パフォーマンスに影響する場合があります。最初は「Normal」に設定しておき、大丈夫そうなら「None」に切り替えると良いでしょう。
(「最大」に設定すると“User”ランクの他プレイヤーは、音声のみ聴こえる形に)
またアバター表示は、最大容量などを個別に制限することもできます。この数値を下げることで、重い(容量が大きい)アバターを非表示化し、パフォーマンスを維持できます。使用しているPCのスペックによりますが、最大50MB前後に設定すると、パフォーマンスと描画(あまり多くのアバターを消さない)を両立できます。
(現在の筆者の設定。人が少ない環境で過ごすなら、これぐらいの設定でも大丈夫です)
あらかじめ、ワールド内で表示されるアバターの最大数や(自アバターを中心軸とした)表示範囲を設定することもできます。
なお「VRChat」のアバターには、パフォーマンス(ポリゴン数、テクスチャー容量など)を基準としたランク付けが行われています。最もパフォーマンスが良好なモデルは「Excellent」、逆に重たいアバターは「Very Poor」と表示されます。
(筆者のアバターLapwingのステータス。ほぼ初期状態なので“Medium”ランクになっています)
一部のイベントでは、負荷軽減を理由として「Poor」や「Very Poor」といった重さのアバターの参加を禁止したり、ブロック対象に指定している場合があるので、参加時にはイベント詳細を読んで予めチェックしておきましょう。
ジェスチャー&メッセージの送り方
「VRChat」は、音声チャットでのやり取りのほか、アバターの手を使って(ジェスチャー)コミュニケーションできるのがユニークなポイントです。
アバターの手は、コントローラーと同期して動く仕組み。例えばフレンドに対して手を振りたい場合、コントローラーを左右に振ればOKです。
(手を振ったりピースをしたり。アバターによっては手の形と連動して表情も変化します)
「話したいけどVCできる状況じゃない……」という時には、エクスプレッションからアクセスできる絵文字機能が便利。
「笑顔」や「いいね!」といったバリエーション豊かな絵文字が使えるので、シチュエーションに合わせた“反応”を出せます。上手く使えば、会話を大きく盛り上げることができるでしょう。また、文字通り“絵”を見せるので、海外ユーザー(日本語が分からない相手)とのコミュニケーションにも便利です。
その他、知っておきたい便利機能
ネームプレートの表示
アバターの上部に表示されるネームプレートは、エクスプレッションやオプション画面から、オン/オフを切り替えられます。プレートを消すと、よりVRへの没入感を高めることができます。
メニューからは、4種類(色)のオンラインステータスの設定も可能です。この項目は、ワールド表示や「招待」の受け入れなどに関係しており、例えば「取り込み中(赤色)」の場合、その相手に「招待」をすることはできません。
青:現在地ワールドを表示、「招待」を自動承認
緑:現在地ワールドを表示、送られた「招待」を表示
オレンジ:現在地ワールドを表示しない、送られた「招待」を表示
赤:現在地ワールドを表示しない、「招待」は受け取らない
なお、フレンドが青か緑ステータスで、かつパブリックやフレンド+(あるいはフレンドオンリー)にいる時は、その相手に直接“ジョイン(Join)”することができます。
ボイスチャットの調整方法
大人数のパブリックインスタンスなどでは、ワールドのあちこちで会話やあいさつなどが行われている場合があり「いろんな方向から音声が聞こえて混乱する……」といった状況になることも少なくありません。こういった場合は、オーディオ欄から“イヤーマフ”を有効にすると、声が聴こえる範囲を制限することができます。
また他ユーザーのプロフィール欄では、各プレイヤーごとにボイス音量を個別変更することができます。声が小さかったり大きすぎたりする場合は、スライダーを動かして調整してみましょう。また、(音声)荒らしユーザーと遭遇したときには、“ミュート”でボイスチャットを強制的にカット可能です。
(オーディオのメイン項目。ここから音声チャットの全体音量も変更可能)
オーディオ欄では、音声入力デバイスも変更可能です。例えば、VRヘッドセット側のマイクが不調になった際、PCに外部マイクを接続しておけば、“入力”を切り替えることができます。
執筆:井文