女性向けのVRコンテンツが徐々に登場しつつあります。
8月26日、DMM GAMESがVR事業の取り組みを発表しました。
参入の第一歩として、「刀剣乱舞-ONLINE-」とコラボし、9月15日~18日に開催される東京ゲームショウにて出展が行われます。抽選によって参加できるVRコンテンツは、人気キャラクター「三日月宗近」を題材としたもので、ファンの間で大きな話題を呼んでいます。
また、以前からリアルイケメンによる“壁ドン”や“あごクイ”などで注目を集めているボルテージブースでは“椅子ドンVR”が初披露となるなど、ゲームの世界でも、女性が積極的に楽しめるVRコンテンツが、今後ぞくぞく登場してくることが予想されます。
しかし、VRコンテンツを体験したことのない方にとっては、「そもそもVRっていったい何?」「どんな体験ができるの?」など、分からない部分も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、代表的なVR体験用の機材の説明をまじえながら、VRにあまり詳しくない女性の方がVRを安心して楽しむための注意点をご紹介します。
ヘッドマウントディスプレイ~Oculus RiftとHTC Vive
リッチなVR体験展示に良く使われている機材として、Oculus RiftとHTC Vive、Gear VRがあります。
Oculus Riftは、2014年に上野美術館で展示された、「進撃の巨人展」360°体感シアター “哮”で使用されています。この展示は、「進撃の巨人」の世界の中にあたかも自分が存在しているような体験のできる展示として、大きな反響を呼びました。
HTC Viveは、お台場のVRアトラクション体験施設「VR ZONE」で使用されています。仮想の空間の中を動きまわったり、動く筐体によってリアルな振動を感じることによって、よりいっそう没入感を得られる展示の数々が人気となり、予約の取りにくい状況が続いています。
これらのVRを体験するためには、大きなゴーグルのような形をしたヘッドマウントディスプレイを装着することが必要となります。装着した状態で、中のレンズを両目で眺めると、そこにヴァーチャルの空間が映しだされます。
では、どのようにしてVRを楽しめばよいのでしょうか。
VRを体験するときに気をつけたいこと
1.ディスプレイを頭にしっかりと固定するので髪型に注意
ヘッドマウントディスプレイを装着する際には、自分の頭にぴったりと固定するようにしましょう。ベルトの長さが調節できるようになっているので、体験前に必ず調整してください(または、係員にお願いしましょう)。
ヘッドマウントディスプレイから手を放してもグラつかず、頭を左右に振っても位置がずれない状態で体験できないと、せっかくの360度の視界を存分に味わうことができません。
頭をベルトで止める必要があるので、女性のポニーテールやアップスタイルは、残念ながら装着時に邪魔となってしまう可能性があります。ヘッドマウントディスプレイをかぶる日には、高い位置で髪をまとめるなど、ヘアスタイルをアップにするのは避けた方が無難です。
ヘッドマウントディスプレイは、必然的に顔の大部分を覆うような形になります。肌にふれる部分は、展示側が様々に工夫をこらし、衛生的に保たれるよう配慮されている場合がほとんどです。穴のあいたマスクのようなものを体験者につけてもらい、直接肌にふれることを防ぐ方法もあります。
体験が終わったあとは、少し休憩して鏡を覗き、メイクやヘアスタイルの乱れをチェックしてみてもいいかもしれません。
2.メガネは中に入るが…可能であればコンタクト推奨
Oculus Rift(※ここでは製品版を想定しています)とHTC Viveですが、どちらにも視力に合わせてピントを調節する機能はついておらず、体験者がメガネをかけている場合には、メガネを中に入れる必要があります。
しかし、没入感をさまたげないよう、装着部分の中のスペースはあまり大きくありません。大きなフレームのメガネをかけていると、中に入れることが出来ず、せっかくのVR体験をボケた裸眼の状態で見ることになってしまうかもしれません。
これらのヘッドマウントディスプレイの中に入れることのできるメガネの大きさは、それぞれ公式にアナウンスされています。
Oculus Rift
Riftヘッドセットとメガネを併用するには、次の要件に合ったメガネにする必要があります。
・フレーム幅142mm以下
・フレーム高さ50mm以下
HTC Vive
たいていの眼鏡は、ヘッドセット内部にフィットします。大きい度付き眼鏡をかけている場合は、レンズ距離ノブを調節してヘッドセット内のスペースを増やしてください。
特にRiftの方はスペースがやや狭めとなっており、小さめのメガネであれば中に入れて装着することはできますが、可能であれば、コンタクトレンズの使用をおすすめします。
もしメガネ着用時に上手く装着できず、ボケた状態のまま体験が始まってしまいそうになったら、構わず中断してもらい、メガネの位置を合わせる時間を要求しましょう。ディスプレイと顔の隙間から指を入れ、少し位置を調整すれば、メガネをかけた状態で問題なく体験できるはずです。
3.体験中、周囲が見えなくなるので足元と服装に注意!
ディスプレイを装着したあと、体験者には外の風景はほとんど見えない状態となります。
足元には注意をしましょう。立って体験する場合、高いヒールの靴などは避けた方が良いかもしれません。(※このような危険が想定されるため、座って体験するタイプのコンテンツも多いです。冒頭で紹介した、DMM GAMESの「三日月宗近VR」は「畳の上に座して体験する」という記述があります)
同じ理由で、ミニスカートなどもあまりおすすめできません。現実の周囲の空間が見えていない状態でVRコンテンツを体験する姿は、見ようによってはとても無防備なものです。
VRを初めて体験するあなたにとって、ほぼ360度が仮想空間の視覚体験は、非常に大きな刺激となることが考えられます。大好きなコンテンツのキャラクターであれば、余計に刺激は大きくなります。思わずしゃがみ込んで目をそらしてしまう人、足元がふらついて立っていられなくなる人もいます。
目が見えていないのとほぼ同じ状態で、自分が周囲から見てどうなっているかはわかりにくいものです。
思わぬ醜態を晒さないためにも、どちらかと言えばパンツスタイルなどの動きやすい服装をおすすめします。
4.無理はしない!!3D酔いしてしまったら…
体験するコンテンツによっては、3D酔いしてしまう人も居るかもしれません。
「自分の視界が動いていないのに、周囲の視界が移動している」など…自分の目から入る情報と、実際の自分の動きにズレを感じた時になりやすいようです。
VRの中でも3D酔いになりやすいコンテンツとなりにくいコンテンツが存在します。また、3D酔いへの耐性も人それぞれ、かなりの個人差があります。開発者はなるべく3D酔いにならないよう配慮をしていますが、様々な事情により酔いが発生してしまうこともあります。
「気持ち悪い」と感じたら、構わず体験を中断し、休憩をとりましょう。
5.終わったあとは…メイクやヘアスタイルなどの乱れを直し、心を落ち着ける
ゆっくり落ち着いて体験を反芻する時間も必要でしょう。刺激が大きかった場合は、少し休んでください。お疲れ様でした。
※注意(年齢制限について)
現在、二眼式(レンズが2つあるもの・RiftもViveもこれに当てはまります)のヘッドマウントディスプレイを、13才未満の児童が使用することは禁止されています(医学的な見地から、目の正常な発達に影響を及ぼすおそれがあります)。もちろん、ハコスコなどのVRビューアーの二眼タイプのものも同様です。
店頭やイベントなどで、二眼タイプのVR体験を小学生にやらせたりしているケースがあるようですが、そのような場所では決して児童に体験をさせないようにしてください。
ただし、一眼タイプのものは、小さなお子さんが体験しても問題がありません。お子さんに体験させたい場合は、一眼タイプのものを購入してください。
気軽にVR体験・スマートフォンVR
さて、これまでに説明してきた機材は、イベントではよく使われるものの、現時点ではまだやや高価です(Rift・Vive共に10万前後)。もっと手軽にVRを楽しみたくても、VRに馴染みのない皆さんが手に入れるにはちょっと…と感じられてしまうかもしれません。
そんな方々に、もっとカジュアルにVR体験ができる方法として、「ハコスコ」に代表されるスマートフォンVRというものもあります。
ハイエンドでリッチなVR体験ができるRiftやVive。どこでも気軽に安価に楽しめるハコスコ。これら以外にもたくさんの種類のVR体験ガジェットの開発が進んでいます。
もっともっとこれから充実してくるであろうVR体験の世界、様々な場所でふれる機会が増えているかと思います。何かのついでに、ちょっと見かけたら、少し勇気を出して、VRの世界に足を踏み入れてみませんか?
きっとそう遠くはない未来、もっと身近な存在になっているはずです!