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話題 2018.04.16

一ヶ月VR生活、仕事もVR内で行うイタリアの開発者

VRの連続体験時間を競う挑戦は、アメリカオーストラリアでギネス記録が残されています。イタリア・トリノの開発者Enea Le Fons氏は、30日間もVRの中で過ごすというチャレンジを行っており、更に日数を延ばしています。

しかし、彼の挑戦はギネス記録に残るものではありません。なぜなら24時間ヘッドセットを着けたままではなく、食事や睡眠などの時は外しているためです。

Le Fons氏は、自分がVR内で過ごすことによって、長時間にわたるVRの効果を確認し、「VRを日常生活の欠かせない一部にする」アプリ開発に役立てようとしています。

VR内で生活する挑戦

Le Fons氏の挑戦は、2018年の「レディ・プレイヤー1」公開から間もない頃に始まりました。メディアSkarredGhostによれば、30日間の日程は終わろうとしているものの、さらに15~30日間、VR内で過ごす期間を延ばそうとしています。このチャレンジは、開発のアイディア出しを行う、ちょっとした”一人ハッカソン”のようになっています。

彼は1日に7~16時間を HTC ViveやVive Focus、Vive Proといったヘッドセットを付け替えて過ごしました。VR内での時間を快適にするために、彼はフォトグラメトリーで自分の部屋全体を”デジタル化”し、VR空間内に家具も備えました。そしてこのデータをお絵かきアプリの「Tilt Brush」にインポートし、部屋の中に絵を描くことを可能にしました。

続けて彼は現実の室内にある家具類にViveのトラッカーを取りつけました。こうして、VR内でも実際の椅子をつかんで座る、ターンテーブルを動かして音楽を聴くといった動作が出来るようになりました。


(Viveトラッカーを付けた身の回りのもの)

さらに、通常の自分の仕事もVR内で行いました。実際の仕事場の3DデータをUnreal Engine VR Editorで編集し、VR内の仕事場でVRコンテンツ開発を行っています。彼はVR内で自分が作っているものを体験しながら、WebVRや音楽関連のコンテンツを開発しました。

Le Fons氏の挑戦は、記録に残るものではありません。しかしそれはVR内に住む理由や、VR内で快適に過ごす方法を探る試みとなっています。彼はVR内での仕事の成果を公表するとしています。

(参考)Road to VR

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