HTC ViveとOculus Riftがリリースされて2ヶ月が経過し、新たな統計データがValve社により示されました。データはVRアプリケーションの開発者に対し、ユーザーのルームスケールを考慮することの重要性を示しています。
Valve社による利用者の統計データ
SteamVRはHTC Viveを使用する際の“Play Space” を次のように定義しています。
“ルームトラッキングVRは2メートル×1.5メートルの領域を最小要件としており、VRアプリケーションによっては、より大きな最小要件範囲を指定することができる。現在一部のアプリケーションではまだ小さな最小要件をサポートしつつ最高の体験を効果的に提供し、プレイエリアの大きさに基づき拡張できるように設計されている。”
今回公開されたValve社の統計では、SteamVRを利用する人々のうち81.5%がアプリケーションの最小要件である広さを満たしているとのこと。SteamVRユーザーの大多数が、少なくとも1.5メートルから2.0メートル以上の広さの部屋でVRをプレイしているようです。
残りの18.5%はほぼその場で立ちか着座してプレイしていることになりますが、これはSteamVRを利用するOculus Riftユーザーも含まれた値であるとのこと。
統計データ(横軸と縦軸はそれぞれ部屋の短辺と長辺を表す)
これはつまり、約81%のViveユーザーが自分の家やオフィスにてVRのための部屋を持っている、もしくは用意を厭わないことを示唆しています。しかし3メートルスケール以上の部屋を確保しているユーザーに限るとさすがに10%を切るようです。
ユーザーの部屋事情を考慮することで最適なVR体験を実現
Oculus Riftは今年後半に、Oculus Touchコントローラと同様に第二のトラッキングカメラをリリースし、より広範囲のプレイ(ルームトラッキングではない)に対応する予定です。今後VIveやRiftのアプリケーションをリリースする際、開発者は今回のデータを考慮に入れて最小要件を設定することで多くのユーザーに最適なVR体験を実現できるでしょう。
もしくは同じアプリでも部屋のスケールに応じて機能が拡張できるようにするなど、ユーザー部屋事情を考慮に入れた開発が鍵となりそうです。
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(参考)
Valve Data Suggests Developers Should Seriously Consider Room-Scale VR(英語)
http://uploadvr.com/steamvr-usage-data-room-scale/
SteamVR Play Area Size Stats(英語)
http://steamcommunity.com/app/358720/discussions/0/350532536103514259/