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Mogura VR Job 2022.12.09

「ヱヴァンゲリヲン」や「ファイナルファンタジー」の制作に関わった彫刻家がメタバースの会社へジョイン 株式会社Synamon 3Dモデラー/デザイナー 雨ノ宮一紀さん

――Synamonに入社されたきっかけを教えていただけますか?

Synamon雨ノ宮さん:
SynamonのCDO(開発責任者)の西口が前の職場の後輩だったのですが、採用の相談をされたのがきっかけで連絡を取るようになりました。デザイナーの経験者でディレクターかそれ以上の人を採用したいのだが、誰かいい人はいないか?という話で、3ヶ月ぐらいの猶予があってその間にいろいろと探したのですが、なかなかピッタリな人が紹介できずに「僕がお手伝いします」ということで仕事をすることになりました。

▲CDOの西口さんと3Dモデラー/デザイナーの雨ノ宮さん


――元々はどんなお仕事をされていたのでしょうか?

Synamon雨ノ宮さん:
ずっと彫刻を制作しているのですが、それだけだと食べていけないので、3DCGやアニメの仕事をフリーで受けていました。最近では3DCGのディレクション、アートディレクションをすることが多く、コンシューマーゲームやPVのモデリングなど多岐に渡って担当していました。そういう仕事をフリーで受けて、会社にはどこにも属していなかったのですが、お願いされる仕事をやっていたら今のようなスタイルになりました。

――少し脱線しますが、気になったので質問します。どんな素材を使った彫刻をされているのでしょうか?

Synamon雨ノ宮さん:
具象彫刻が中心で素材は何でも使います。土や石を使った彫刻だけではなく、ジュエリーやアクセサリーといった類の彫金もやっています。今年に入ってからは、3Dプリントで出力した立体造形にも挑戦しています。来年からは、手で作ったものと3Dプリントしたものを組み合わせて制作したいと思っているところです。最近もギャラリーのグループ展に出展しましたが、基本的には年に6〜12回ぐらいの展示をやるようにしています。


雨ノ宮さんが制作された彫刻作品

――話を戻したいと思います。Synamonさんを一言で表すとどんな会社でしょうか?

Synamon雨ノ宮さん:
本人の伸びしろをすごく大事にしてくれる会社だと思います。僕は50歳を過ぎていますが、会社に入って結構いろんなことにチャレンジさせてもらっています。アートディレクションやデザインにまつわることをずっと勉強してきましたし、3DCGに関してはモデリングをずっと業界の中でもやってきた方だと思いますが、Unityとなるとまたちょっと毛色が異なります。概念や考え方がプログラム寄りの話になるので、最初はとっつきづらく、今でも度々苦労することがあります。ただ、外部の方とコミュニケーションを取る際に、共通言語が理解できないとどうしようもないので、少しずつではありますが、Unityを使えるようになっていけてるのはよかったですね。

――どのようにUnityを学ばれたのでしょうか?

Synamon雨ノ宮さん:
ゼロからのスタートだったのですが、1人だとすごく難しいので少し前に提案してチームを組んでもらい勉強するようにしています。まだ20代の武藤というデザイナーがいまして、仕事としての経験値は僕よりも少ないのですが、Unityのオペレーションについてはすごいんですね。なので、「武藤くんとチームを組ませてほしい」とお願いしました。Unityに関して自分のわからないところは武藤から教えてもらい、逆に武藤には外部との打ち合わせなどに参加してもらって、データのチェックなどを手分けしてもらったりしています。今では、1日の半分以上を一緒に行動しています。お互いにとってよい学びになっているんじゃないかと僕は思ってます。


一緒にお仕事されている武藤さんと雨ノ宮さん

――Synamonさんの持っている強みって何だと思いますか?

Synamon雨ノ宮さん:
今、スマホやPCを使う人は増えていますが、それぞれが持っているデバイスから自由にアクセスできるような環境を作ろうと会社が一丸となって取り組んでいるのが強みですね。どんな環境にいたとしても――例えば、電車の中でも、デスクワークでPCを触っていても、広い場所でVRゴーグルをかけていても、メタバース空間上に一緒に集まって面白い体験ができるようなサービスを作っています。ネックなのは、デバイスによってデザインに制限が出てくることですね。スマホとPCを比較すると、両者の表示能力は全然違います。ポリゴン数や解像度が原因ですが、僕の今まで培ってきたスキルで解決できれば、他社に差がつけられるのではないだろうかと思っています。スマホで空間に入ってもクオリティの低いものにならないようなデザインを考えるのは難しいですが、工夫のやりがいがあります。

――現在、携わっていらっしゃるプロジェクトは何ですか?

Synamon雨ノ宮さん:
先日新しいサービスを開始して、新しい案件がどんどん入ってきているので、ニーズにあった新しい空間を顧客に応じてカスタマイズして作っていますね。


新サービス「SYNMN」の画像

――コンピュータ上で3次元のものを作るのと、彫刻のように現実世界で3次元を作ることに違いはありますか?

Synamon雨ノ宮さん:
細かいことを言いだすと実はたくさんあリます。現実世界のものは片方だけを作って、ミラーをかけてシンメトリーのものを作ることはできませんが、コンピューター上では、それができてしまいます。例えば、アバターで片方の手を作ったら、もう片方の手はミラーをかけると両手ができるんですね。現実世界の彫刻では、そんな風にうまくはいきません。しかし、一方でCGは手で触れることができないので、そのもどかしさもありますね。僕は彫刻の制作の過程で、手で触ったり、実際に鑿(のみ)で削ったりしますが、魂が入って見えるかどうかはすごく重要だと思っています。しかし、CGだと素手で直接触ってなくても出力されてしまいます。それでも、ちゃんと魂が入って製作されるのか、そこが難しいし要(かなめ)の部分だと思っています。



――休みの日の過ごし方について教えていただけますか?

Synamon雨ノ宮さん:
修行僧のように何十年も彫刻しています。それ以外ですと、リビングの家具はDIYで全部自分で作ってますね。家に道具を買い揃えているので、だいたい何でも作れます(笑)。棚やテーブル、ソファなどのリビングの家具は全部手作りです。ホームセンターで2×4材を買うのですが、最近では海外の木材が今どんどん値上がりしていてつらいです。


雨ノ宮さんがDIYされたもので囲まれたご自宅

――最後の質問です。どんな方に応募してほしいですか?

Synamon雨ノ宮さん:
そうですね。今必要なのはアイディアを形にすることができる人だと思います。僕は何も形のないところから形にするのが好きですが、同じような思いを持っている人と一緒に仕事がしたいです。この会社では、エンジニアやデザイナーの人たちはみんな信念を持って仕事をされていると感じるので、同じように「自分はこれを何としてでも形にするんだ」という強い意志を持った人に新しく入ってきてほしいです。そんなメンバーと一緒により良いものを作っていけたら、会社がどんどん発展すると思います。

インタビューに答えてくださった方

雨ノ宮一紀 (アメノミヤカズキ)さん

▼所属・肩書
株式会社Synamon 3Dモデラー/デザイナー

▼プロフィール
ゲーム「バイオハザード0」「ドラッグ・オン・ドラグーンⅡ」などのムービー用キャラクターモデリング。劇場映画「デビルマン」「ヱヴァンゲリヲン新劇場版(序)」などの制作に関わる。「ファイナルファンタジーVII リメイク」ではアートディレクションを務める。大手遊技機メーカーで企画に10年携わり、多くの機種開発と特許出願も経験。