2022年8月版のSteamハードウェア利用状況調査が公開されました。この調査結果では、以前より指摘されていた「VRユーザ数の”異常”な数値」が修正されたと、米メディアUploadVRが伝えています。
2022年5月以降のSteamハードウェア利用状況調査では、VRユーザーは5月に3.24%に上昇、その後1.87%に減少した後、6.67%に急上昇するという変動を示していました。
しかし、この”激変”とも言える変動を、UploadVRは「不可解」であると解説。以前よりValve社に対して調査結果について説明および修正を求めていましたが返答はなく、「VR市場分析における信頼できる情報源として、この調査を使用しない」と発表していました。
9月10日、UploadVRはValveより過去3ヶ月間の修正データが提供され、精度と一貫性に影響を与える「収集と分析」の問題を修正したという回答があったと伝えています。Valveは以下のようなコメントもUploadVRに寄せています。
ハードウェアの調査では、月ごとに調査回答率に自然な変動があるため、統計に多少のばらつきが生じることは予想されます。しかし、5月と7月に回答率が上昇し、8月にカテゴリが追加されたため、より深く調査し、データの収集と分析に関するいくつかの問題を修正し、8月の調査結果ページを修正しました。今後、より正確な結果が得られると期待しています。
(UploadVRより引用。左が修正前のデータ、右が修正後のデータをもとにした、VRユーザー数の推移グラフ)
あらためて、修正後のデータを確認してみると、以前のデータで見られた急激な変動は見られず、増減を繰り返しながらも上昇傾向であることがうかがえます。
8月版の利用状況調査におけるVRユーザーの割合は2.05%で、前月から0.38%減少しています。機種別に見てみると、「Meta Quest 2」のシェア率は0.29%上昇して49.25%、「VALVE INDEX」は0.05%上昇して15.44%、「Oculus Rift S」は0.53%上昇して11.05%となっています。また、「Pico Neo 3」は0.43%も減少し、シェア率は0.84%となっています。
ハードウェア利用状況調査について
Steamによる月例のハードウェア利用状況調査は、ユーザーへの調査に基づく、ゲームで遊んでいるPCのグラフィックボードなどのハードウェア、またOSなどのソフトウェアに関する統計です。
本調査は、調査月にPCに”接続された”デバイスを示すもの。機器が実際に利用されているのか、またいつ購入したものかは不明です。さらに調査はSteamでの利用に限るもので、任意参加となっています。他プラットフォームの公式ストアにおける利用数は含まれていないため、市場全体のシェア率を直接推定するには不十分なことに注意が必要です。
(参考)UploadVR
Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。