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【レビュー】VRリズムゲーの新定番『SEIYA』誰にでも伝わるその面白さ

VRゲームで人気のジャンルと言えば、シューティングにアクションに、そしてリズムゲーム。多くのタイトルが登場しています。

VRでのリズムゲームは、自分に向かって近づいてくる「ノーツ」に手で触れる動作が基本動作となります。右に左にと手を伸ばし、身体を動かすことになり激しい動きになるときも。リズムに合わせて身体を動かす感覚がスポーツ的でもあり、ほどよい心地よさと楽しさがあります。

そんな1ジャンルを築いているVRリズムゲームに、満を持して日本から新たに登場したのが『VR RHYTHM ACTION SEIYA』(以下、SEIYA)です。これまで2016年からイベントなどでも出展を繰り返しており、配信が期待されていた本作ですが、2018年3月15日にいよいよ配信されました。

https://www.youtube.com/watch?v=DyaJQNP7sPU

その『VR RHYTHM ACTION SEIYA』をレビューしていきます。

叩くだけの超シンプル操作

SEIYAは、叩くだけという非常に簡単な操作が最大の特長です。前方から飛んでくる、歌詞などが書かれたノーツを手に持ったコントローラーで叩いていきます。間奏などの時間は星が流れてきます。

ゲーム性を持たせるために、他のVRリズムゲームは操作に一捻りを加えています。たとえばHTC ViveのローンチタイトルでもありVRリズムゲームの定番『AudioSield』では左右に色の違う盾を持っており、飛んでくるノーツを同じ色の盾に当てなければなりません。『SEIYA』と同じく日本発でこちらもVRリズムゲームの定番『Airtone』では、ノーツを叩く場合とボタンを押して握り込む場合などの操作が存在します。

『SEIYA』は叩くだけです。

操作とは異なりますが、叩く以外に唯一「叩いたときの強さ」はカウントされており、最終的なスコアに影響します。操作がシンプルで、VR初心者が戸惑いがちなボタン操作を一切使わないことで、誰でも楽しめるデザインです。

「叩くだけでも面白い」のはなぜか

他のVRリズムゲームに比べても『SEIYA』の操作はシンプルです。筆者はこれまで幾度となくイベントで体験してきました。プレイするたびに、面白いなあという感想がまずでてくる本作。今回配信されたことで改めて長時間プレイしてみましたが、やっぱり面白い。その面白さの要素を分解してみると……。

1.お祭り感
2.がんばると曲が完成するカラオケ感

この2要素が面白さの源泉であるように感じられました。

お祭り感

『SEIYA』という名称からも分かるように、本作は非常に勢いのあるゲームです。次々と迫ってくるノーツはお行儀よくは飛んできてくれません。正面だけではありますが、上下左右色々な方向に“着弾”します。

飛んでくる範囲も広く、比較的腕の長い筆者でもしっかり腰を落として構えないと手を伸ばす距離が足りないことも。『Airtone』では、直立の状態で左右の腕を振れば比較的スタイリッシュにプレイができましたが、『SEIYA』ではそうはいきません。さらに叩く強さでスコアが変わるとなると、思いっきり叩きたくなるもの。全身を使って腕をブンブン振り回してプレイします。

全身を使うからこそ、身体を動かす心地よさが加わります。★3など難易度の低めのコンテンツをプレイした後でも、運動不足の筆者は息が上がってしまい、ちょっとしたランニングをしたような感覚になりました。曲が終わった瞬間は、スコアに関わらず「やりきった感」が強く残ります。

なお、リズムゲームでおなじみの難易度設定はNormak、Hard、Super、SEIYAの4段階用意されています。ノーツの飛んでくるスピードが変わるだけですが、最高難易度のSEIYAモードは「どうやってパーフェクトを出すんだろう」と思うほど。まるでバッティングセンターで時速150kmの豪速球を初めて試した時のように、圧倒され、そして必至に手を伸ばして叩こうともがくことになります。

全20曲ある楽曲はボーカロイドが歌うものが多くなっていますがジャンルは豊富。中にはVRアダルトゲーム『VRカノジョ』や『なないちゃんと一緒』の主題歌、VR好きでも知られる声優の有野いく氏が歌う唐揚げをテーマにした楽曲などコラボ楽曲も含まれているところも、ある意味お祭り感を演出しています。


初期の曲数は少ない

なお、初期の楽曲は10曲。高評価を出していると曲が増えていき、最終的には全25曲が解放されます。

モニター映し出される視点はプレイヤーの視点ではなく後ろから観る第三者視点で、必至にプレイしている様子を友達と観て盛り上がることもできます。

がんばると曲が完成するカラオケ感

VRのみならず、リズムゲームで気になるのが、プレイの出来と楽曲の関係。ノーツと楽曲が連動しているゲームの場合、しっかりクリアしないと曲が完成しません。

『Audio Sield』では、その連動が一切なかった(その代わりPCに保存してある曲を読み込んでどんなゲームでもリズムゲームにすることができた)一方、『SEIYA』では歌詞そのものが連動します。

叩くことができなかった歌詞は読まれません。プレイヤーにとっては、楽曲の核とも言うべき歌詞がないと楽曲が不完全になってしまうため、完成させて楽曲を聴きたいという気持ちになり、より一生懸命プレイにも気持ちが入ります。

歌詞が飛んできて、合わせてその歌詞を叩くと歌が完成するのは、プレイしていてカラオケにも似た印象を受けました。目の前にある大スクリーンにはMVやイメージ映像も流れることも多くカラオケ感を増していました。

パーフェクトに歌いきった(叩ききった)ときの爽快感は、身体を動かした「やりきった感」とも相まって心地よさに繋がりました。

叩くだけに宿る美学

叩くだけというシンプルな操作性ながら面白さの詰まった『SEIYA』ですが、本作を手掛けた株式会社ワンドブイのプロデューサー近藤善洋氏は、「老若男女問わず、誰もが酔わずに楽しめるVRの入り口になるようなアプリを目標に作りました。そのため、音楽ゲーム好きな方やVRゲームが好きな方はもちろんですが、過去にVR酔いで辛い目にあった方達にも
ぜひ遊んで頂ければと思ってます。」とのこと。

まさにその言葉の通りに仕上がっていると感じられました。

叩くだけの簡単操作で盛り上がれる本作。VRデバイスを買ったらまず試してみたい作品でもあり、VRを体験したことがない知り合いにもまずはおすすめしたいタイトルでもあります。


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この記事を書いた人

すんくぼ(久保田 瞬)

慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、環境省に入省。環境白書の作成等に携わる。ECベンチャー勤務を経て、現Mogura VR編集長、株式会社Mogura代表取締役社長。VRジャーナリスト。
VRが人の知覚する現実を認識を進化させ、社会を変えていく無限の可能性を感じ、身も心も捧げている。VR/AR業界の情報集約、コンサルティングが専門。また、国外の主要イベントには必ず足を運んで取材を行っているほか、国内外の業界の中心に身を置きネットワーク構築を行っている。Boothにて書籍「寝転んでNetflixを観ると、 VRの未来が見える」販売中

Twitter:@tyranusii

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