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Meta Quest 2020.11.19

【Oculus Quest 2】90Hz対応、フィットネス機能など最新アプデを徹底解説

2020年11月17日現在、「Quest 2」を含むOculus Quest(オキュラス クエスト)系VRヘッドセットに、最新のソフトウェア・アップデート(v23)が順次配信されています。

今回のアップデートでは、Oculus Quest 2の90Hzのネイティブサポートなど、様々な新機能が導入。本記事では、筆者所有の両ヘッドセット(Quest/Quest 2)を使用して、アプデの検証を行っていきます。

最初に注意ですが、更新は“順次”であり、一斉配信ではありません。アップデートが行き渡るまでには時間差があります。手動更新する方法も一応ありますが、Oculus側から配信を待った方が良いでしょう。

90HzにはUSB3.0が必須

今回のアップデートの“目玉”のひとつが、「Quest 2」で使用する「Oculus Link」が、最大90Hzのリフレッシュレートに対応したことです。リフレッシュレートが上昇すると、その分、映像が滑らかに表示されます。

「Oculus Link」は、PCとUSBケーブルでヘッドセットを接続することで、PC向けのVRゲームなどを遊べる機能。「Quest 2」は、90Hz対応のヘッドセットですが、ローンチ時には一部機能(後述)を除き、リフレッシュレートが72Hzに固定されていました。

リフレッシュレートの90Hzへの変更は、PCのOculus公式アプリから行えます。“デバイス設定”から「Quest 2」を選択し、“グラフィック”設定から変更してください。

注意が必要なのは、高リフレッシュレート化には、USB3.0のケーブルが必要ということ。筆者は最初、手元にあったUSB2.0ケーブルで接続したのですが、以下の注意書きが表示され、設定が変更できず。「Quest 2」に付属する充電ケーブルもUSB2.0なのでダメでした。

そしてこちらが、USB3.0(Oculus公式のLink向けケーブル)で接続した際の画像です。


(リフレッシュレートは、80Hzにも設定できます)

リフレッシュレートの差を画像でお伝えするのは、正直難しいのですが、90Hzの「Oculus Link」で軽く遊んでみた限り、これまでのVR体験と比べて、“滑らか”な印象を受けました。

「90Hzに設定した」という先入観の影響かもしれませんが、普段PCVRゲームのレビューで使っているRift S(最大80Hz対応)よりも、差が分かる程度にはスムーズに感じました。“初代”Questから直接乗り換えた人は、もっと差を感じるかもしれません。

なお画像にもある通り、今回のアプデからレンダリング解像度も変更可能になりました。また、v23の配信開始と共に、2019年のリリース以降続いていた「Oculus Link」のベータ版が終了。正式版となったことがOculusから告知されています。


(90Hzかつ、レンダリング解像度を最大にして撮影した画像(Pistol Whip))

対応ゲームリリースも目前

リフレッシュレートの90Hz化は、「Oculus Link」以外(通常の使用時)にも適応されます。

これまでは、テスト機能をオンにすることで、一部アプリ(ブラウザ、Oculus TVなど)が90Hz状態で利用できましたが、アップデートでホーム画面、ガーディアン、およびパススルーを含む、すべてのシステムソフトウェアが、デフォルトで90Hzで動作するようになりました。

記事執筆時点(11月17日)では、「Quest 2」向けゲームで90Hzに対応した作品はありません(「SUPER HOT VR」「Beat Saber(ビートセイバー)などが近日中に対応予定)。

初代Questを使ってリフレッシュレートの差を比べてみましたが、ホーム画面などでは、そこまで劇的な違いは感じませんでした。最終的な評価は、VRゲームの対応を待つことになりそうです。

オーバーレイ機能もある便利トラッカー

「Oculus Move」も、今回実装された新機能です。VRヘッドセットを利用中に運動量を計測するトラッカーで、カロリー消費量の推定と運動時間の記録を行ってくれます。

ホーム画面の“アプリ”項目から使用可能。ゲームを含めた、あらゆるタイトルに対応しており、初代Questでも利用できます。

「Oculus Move」を初起動すると、性別や身長、1日に消費する目標カロリー量や運動時間などの設定が求められます。これらが終わると準備完了、自動的に“オン”状態に移行します。

オーバーレイ機能も搭載されており、ゲーム中などに特定の方向を向くことで、消費カロリー量や運動時間を確認可能です。


(軽く「Beat Saber」で遊んだ後のグラフ。時間や曜日別(カレンダー)、アプリ別のカロリー消費も確認可能です)

これまでは運動量の判断は(外部のトラッカーなどを使用しない限り)「結構身体動かしたな」など、感覚的に行わざるを得ませんでした。カロリー消費が、数字として明確化されるようになったのは、大きな進歩と言えるでしょう。

フィットネスを継続して行うためのモチベーションの維持にも、効果を発揮してくれそうです。


(ゲーム中に上を向くと出現する、トラッカーのオーバーレイ表示。設定で画面下に表示させることもできます)

ギフト機能も実装予定

2020年11月末には、家族や友人に、Oculus Storeで購入したゲームをプレゼント可能になる「App Gifting」機能の提供が開始されます。ギフトを受け取った利用者は、同じくブラウザか、スマホ向けの公式アプリから利用することができます。

昨年のハンドトラッキング対応や「Oculus Link」実装など、ユーザーも驚く機能を定期的に盛り込んでくれているOculus。次の大型アップデートでは、どのような機能が導入されるのか、期待したいところです。

執筆:井文


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