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VRヘッドセット 2024.12.02

mocopiをSteamVRの仮想トラッカーにできる「mocopi VR」の実力は? VRChatで試してみた

11月21日、株式会社SONYから販売されるモバイルモーションキャプチャー「mocopi」に対応するアプリ「mocopi VR」がリリースされました。

本アプリを使用することによって、mocopiをSteamVRの仮想トラッカーとして使えるようになり、従来のmocopiよりクオリティの高いフルボディトラッキング体験ができるようになります。これまでも「SlimeVR」を利用してSteamVR接続を行うことができましたが、mocopiのアルゴリズムを刷新し、トラッキング精度がさらに向上。セッティングの手間も大幅に改善されていました。

「mocopi VR」アプリは、SteamVRに対応しているVRヘッドセットで使用可能です。また、フルボディトラッキングを使用するメジャーなものとして「VRChat」や「バーチャルモーションキャプチャー」は動作確認が取れているとのことです。

アプリは、SONY公式の商品ページとSteamから無料でダウンロードすることができます。普段PCVRでVRChat等をプレイしていて、mocopiを持っている方であれば、すぐに試すことが可能です。

今回は「mocopi VR」を使用したVRChatの体験をレポートしていきたいと思います。
https://www.sony.jp/mocopi/info/20241121a.html

分かりやすい設定方法に使いやすさもさらにプラス

mocopiの設定方法は、以前からとても分かりやすく作られており、フルボディトラッキングの入門モデルとしてはとても優秀ですが、今回の「mocopi VR」ではさらに設定が簡単になっています。

まずmocopi本体と、スマホアプリ「mocopi link」の接続を行います。スマホとPCのネットワークの設定をして、「mocopi VR」を介して、mocopiとPCを接続。画面の説明に沿って進めていくだけなので、とてもお手軽です

接続方法の詳細については、公式のサイトをご確認ください。
https://www.sony.net/Products/mocopi-dev/jp/documents/mocopiVR/HowTo_mocopiVR.html

これまでVR使用時のトラッカーの装着は、「下半身集中モード」と呼ばれる両手の「ANKLE」トラッカーを膝に付け替える方法で行われていました。

今回mocopi VRを使用した方法では、まず頭用の「HEAD」のトラッカーが不要になり、腰の「HIP」トラッカー位置が腰の前側(お腹側)に変わりました。これによりVRヘッドセットとトラッカーの両方をつける煩わしさが解消されました。筆者としても大変嬉しい変更点です。

フルトラッキングはとてもしっかり

今回はVRChatでmocopiを試してみました。

使用した感触として、これまでのmocopiに比べるとトラッキングの精度は向上したように感じます。以前は足を動かした際に、アバター側の脚が浮くような見え方になることがありましたが、今回は滑ることなく動いています。足のねじれも内向きによれやすい印象がありましたが、よれにくくなっています。

座った状態でも確認しました。足が綺麗に90度直角に曲がるようになって、「座る」という動作が傍から見てもわかるようになりました。今回VRChat向けにアップデートされたことにより、座った姿勢をしばらく続けていても、崩れないような調整がされているとのことです。

足を組むと浮きますが、足同士が重なるといったことはないです。また、筆者の場合、アバターの身長と現実の身長に大きな差があったことで、右足がずれてしまうケースが何度かありました。

そうした場合、キャリブレーションを再調整する必要があります。今回の場合は、mocopi側とVRChat側の両方で調整します。お腹部分にある「HIP」のトラッカーを長押し。すると、キャリブレーション調整方法がVRのディスプレイに表示されるので、その手順に従えば大丈夫です。従来のようにスマホを見ながら調整する必要はありません。mocopi側で調整ができたら、VRChat側でキャリブレーション設定のボタンを押して反映させることで調整が完了します。
たしかに調整はこれまでよりも簡単に感じられましたが、VIVEトラッカーや「PICO Motion Tracker」と比べると、PCアプリをワンクッション挟むため、やや手順が多いと感じるかもしれません。

また、ある程度の素早い動きもセンサーが追えるようになっていますが、激しい動きをすると少し遅延を感じるところがあるため、大振りなダンスなどをしたい方へのオススメはまだ難しいように感じました。しかし、歩いたり、座ったり、寝たりなどの日常的な動作であれば問題なく使用可能なため、気軽にフルトラッキング体験をしてみたいという方には良いと思います。

今お得にフルトラッキングを実現したいなら? 人気デバイスとの比較

これからVRChatでフルトラッキング体験をしたい方向けに、対抗馬となりそうな9月に発売された新機種「PICO 4 Ultra」と比較してみました。今回はフルトラしてみたいという方向けに、外部センサーを必要としない簡単設定で使えるデバイス同士の比較となっています。

デバイス 金額
Meta Quest 3S 128GB 48,400円
mocopi 49,500円
合計 97,900円
デバイス名 金額
PICO 4 Ultra 89,800円
PICO Motion Tracker 11,800円
合計 101,600円
デバイス 装着・調整の手間 トラッキングポイント数 トラッキング精度
Meta Quest 3S 128GB
+mocopi
○ 8点(頭、両手、腰、両腿、両足首) ◎
PICO 4 Ultra
+PICO Motion Tracker
◎ 5点(頭、両手、両足首) ○

合計金額としては、「Meta Quest 3s」+「mocopi」の方が3,700円ほど安いですが、あまり大きな差ではありません。

装着の手間としては、どちらもかなりセッティングしやすい部類のデバイスです。ただ「mocopi」はスマートフォンアプリ→PCとの接続と、少し手順を挟みます。「PICO Motion Tracker」は体に装着して、ペアリングとキャリブレーション調整を行うだけの(中継するアプリがない)ためかなり楽です。キャリブレーション設定も、下を向いてトラッカーを見るのみのため数秒で行うことができます。

トラッカーの数を比較すれば「mocopi VR」使用時は腰、両腿、両足首の計5箇所に装着しますが、「PICO Motion Tracker」は両足首の2か所のみ。トラッキングの精度については、(VRChatでの使用という観点においては)長時間座ったり、寝たりすることに強い「mocopi」が良いでしょう。「PICO Motion Tracker」は、仰向けや長時間同じ体勢を維持することが難しい印象です。VR空間で睡眠をしたい方はこの点に注意です。

また、「mocopi」は元々の機能としてモーションデータの送信ができるため、VTuberの動画や配信撮影に使用するといった用途もあります。「mocopi」のスマホアプリにVRM形式のアバターをアップロードして動かすことで、動きを確認・保存可能です。背景色を変えれば、そのまま動画の素材として使用できます。

そして「mocopi」自体がとても小さく、服の下に付けても使えるため、屋外での使用に向いていることも魅力の一つです。外で撮影したいVTuberに向いているデバイスと言えます。対して「PICO Motion Tracker」は、屋内での使用は想定されておらず、モーションデータを送信するアプリなどもありません。また、服などで隠れない位置に装着する必要があります。

現状としては、VRChatで使う際の設定の手軽さでは「PICO Motion Tracker」が上回りますが、長時間の同じ体勢の維持が難しい場合があります。「mocopi」は使用用途が幅広く、長時間の使用にも向いています。VRChat以外の使用も考えているのであれば「mocopi」が良いと言えるでしょう。

まとめ:圧倒的なわかりやすさが何よりの魅力

「mocopi VR」によって、mocopi自体の性能はとてもアップしています。

これまであったような足が滑るような動きがなくなり、モーションが綺麗になりました。しかし、足の向きがねじれるなど、気になる問題点もあります。また、ダンスやモデルなどを想定した激しい動きやクオリティを精確に追求したい方には向いていないかと思われます。フルトラッキング体験をしたい方の入門モデルといった位置付けです。

しかし、mocopiで最も評価したいのは、圧倒的な分かりやすさです。

細かな設定手順をスマホやPCが示してくれるため、HMD等の機器類を使い慣れていない方でもすぐに使うことができます。「mocopi VR」にも、そのUIやUXが踏襲されており、本当の初心者の方へオススメすることができます。


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