「Quest 2 Eliteストラップ」が一番良い選択肢？ サードパーティのアクセサリーと比較してみた

「Quest 2 Eliteストラップ」は、装着感を向上させるMeta Quest 2（旧Oculus Quest 2）の公式アクセサリーのひとつです。VRゲーム中に遊んでいても本体がズレる心配がなく、バーチャルでの体験をより快適にしてくれます。

VRヘッドセットMeta Quest 2の発売当初は他アクセサリーの選択肢が少なく「これ一択」という状況でした。しかし、2022年現在はサードパーティ製のアクセサリーも出揃っています。本記事では「Quest 2 Eliteストラップ」とサードパーティ製のストラップを比較し、どのアクセサリーが現状一番良いのかを検証してみます。

「Quest 2 Eliteストラップ」とは？

「Quest 2 Eliteストラップ」は、Quest 2の公式アクセサリーのひとつです。デフォルトのゴムバンド製ストラップと比べると、全体がプラスチック製の安定した構造となっています。後頭部の調整ダイヤルを回すことで、頭部への装着がすぐに行えます。

ラインナップはストラップのみの「Quest 2 Eliteストラップ」（6,820円）と、バッテリーを内蔵した「Quest 2 Eliteストラップ バッテリー付き」（13,200円）があります。

筆者はMeta Quest 2発売時に、本体とあわせてバッテリー付きのものを購入しました。上の写真が実際にアクセサリーを装着したMeta Quest 2です。

Eliteストラップのメリットといえば、やはりダイヤル調節が可能になる点です。ゴムバンドよりも圧倒的に頭部へフィットさせやすく、脱着の手間が大幅に減ります。さらにバッテリー付きの場合、稼働時間を2時間延長できるので、VR体験をより長く楽しめます。

一方で、後頭部に接するパーツがやや硬めで、また頭部の形状が合わないとちょうどよくフィットしないという難点も抱えています。そしてなにより、価格が高めなのがネックです。

サードパーティのQuest 2向けストラップたち

サードパーティ製のMeta Quest 2向けストラップを紹介していきます。

SHEAWA ヘッドストラップ

SHEAWAより発売されているストラップ（写真右）は、Meta Quest 2のデフォルトのストラップに追加で装着するパーツです。

装着した様子がこちら。後頭部をクッションが包みます。シンプルですが、頭を支える面積が広がり、安定感はなかなか向上しています。簡単に取り付けられるのもポイント。

価格は1,498円（税込み）とリーズナブルです。Meta Quest 2と合わせて購入しておけば、VR体験の質が良くなるかもしれません。

WELLEXPRESS ヘッドストラップ

WELLEXPRESSから発売されているヘッドストラップはユニークな構造をしています。目を引くのは前頭部を覆うような形状のパーツです。そのフォルムは、さながらOculus Rift Sを彷彿とさせます。

そして構造上の特徴として、前面部にフリップアップ機構が搭載されています。この前面のパーツを軽く上に持ち上げるだけで、VRヘッドセットの外の様子をすぐに見られます。

後頭部と前頭部のクッションも良好で、頭を安定的に包み込んでくれます。装着感のやさしさはEliteストラップよりも良いと思います。

ただし全体的な頭部への固定具合は若干弱いようにも感じられました。調整次第だと思いますが、激しい動きを伴うコンテンツだと少し心配になるかもしれません。

価格は筆者がAmazonで購入した時には35%OFFで3,880円、参考価格は5,999円です。4,000円前後と考えると価格に見合った性能という印象でした。少なくともEliteストラップよりは安価なので、あまり動かずに映像系のコンテンツを楽しむ人には、よい選択でしょう。

KIWI design ヘッドストラップ

KIWI designのヘッドストラップは、Amazonでもとりわけ評価の高い製品でした。なぜかと思いながら組み立ててみましたが、完成した姿をみて納得がいきました。Eliteストラップと瓜二つだったからです。

その上で明確な違いがひとつあります。後頭部と頭頂部にクッションがある点です。Eliteストラップでは無骨なプラスチックとゴムバンドが頭部を覆うだけですが、このストラップはやわらかいクッションがやさしく頭部を包み込んでくれます。明確にEliteストラップに足りていなかったものを補完しています。

また、フレームには跳ね上げ機構が搭載されています。これによって、もっともフィットするところまでストラップを締めていても、後頭部を上へ持ち上げるようにフレームを曲げれば、Meta Quest 2を気軽に外せます。ダイヤルの調整も不要です。

装着の際も、曲げた状態から顔面に当て、後頭部部分を下ろすことで、もっともフィットする状態のまま装着が可能です。再調整の手間が省けるのはよいところでしょう。

総合的に見て、Eliteストラップをより扱いやすく拡張した良い製品であると感じました。そして価格は4,988円と、Eliteストラップより安価です。正直なところ、現時点では本家Eliteストラップをいろんな面で上回っているように思います。

cheero バッテリーキット バックヘッドスタイル

ストラップとは趣向が異なるものの、バッテリー付きEliteストラップの対抗馬にふさわしいアクセサリーがあるので紹介します。cheeroのMeta Quest 2向けバッテリーキットです。

バッテリー本体と、バッテリーをはめ込むホルダーパーツで構成された製品です。ホルダー側にはマジックテープが用意されており、これを用いて後頭部に装着します。

デフォルトのストラップに装着した状態がこちら。マジックテープ式なので、Eliteストラップにも装着可能な柔軟性が魅力です。

バッテリーのラインナップは15000mAh、10000mAh、5000mAhの3種類。今回筆者が検証したのは10000mAhでしたが、この容量であれば4〜6時間は稼働時間を延長できるとのことです。バッテリー付きEliteストラップの2〜3倍は長持ちする点は非常に大きいでしょう。

そして、バッテリーそのものの重量がカウンターウェイトとしても機能します。デフォルトストラップでも、このバッテリーを装着するだけで、重心バランスが相当に改善されます。

総重量こそ重くなりますが、重心バランスの改善はVR体験の改善にもつながるため、稼働時間延長と相まってVR体験がより良好になる可能性があります。「本体装着時におでこや頬骨あたりに不快感がある」方は試してみると良さそうです。

価格は10000mAhモデルが6,000円。バッテリー付きEliteストラップの半額以下です。

結局どれが一番おすすめ？

結論を述べると、Eliteストラップよりも良い選択肢が増えています。とりわけKIWI designのストラップは、価格も安価な上、公式のEliteストラップの機能を拡張しており、とてもオススメできます。

筆者が今回気に入った組み合わせは、KIWI designのストラップにcheeroのバッテリーキットをあわせたものです。総重量はだいぶ増えますが、とても絶妙な重心バランスが確保できます。本家Eliteストラップからだいぶ快適になりました。我が家のMeta Quest 2はしばらくこれでいってみようと思います。

ただし、公式から発売されているEliteストラップは、公式ストアから購入した場合、不良品や不具合があった際の保証や、30日以内の返品サポートがあります。こういったものを重視するのであれば、Eliteストラップを選ぶのもアリでしょう。

こうした「自分好みのカスタマイズ」が比較的行いやすいのも、Meta Quest 2の特徴のひとつです。Meta Quest 2向けのサードパーティ製アクセサリーは、現在かなり豊富に流通しており、組み合わせ次第ではさらなる進化を遂げるかもしれません。本記事がみなさんの理想のMeta Quest 2をつくる一助となれば幸いです。

執筆：浅田カズラ