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Magic Leap 2017.09.15

Magic Leap、半年以内にMRデバイスを限定提供 シンガポール政府ファンドからさらに資金調達との報道


MRヘッドセットを開発するスタートアップ企業のMagic Leap社は、これまでに巨額の資金を調達していることで注目を集めています。ブルームバーグによると、これまで一切の謎に包まれてきた同社の製品が今後6ヶ月以内に「少人数のユーザー」に提供されるとのこと。また、新たに資金調達を行う可能性があり、それによって同社の評価額は前回資金調達時の45億ドルからさらに増加し、60億ドル(約6,600億円)に達するとされています。


6ヶ月以内に製品が

Magic Leap社は、MRデバイスを開発中のスタートアップです。これまで特許やティザー動画は何回も公開されてきましたが、製品に関する具体的な情報は一切不明となっています。マイクロソフトのHoloLensのように、現実空間に3Dオブジェクトを配置することが可能になると考えられています。

ブルームバーグによると、ソース元は明かされていませんが、同社が開発するMRデバイスの価格は1,500ドル〜2,000ドル(約17万〜22万円)になる予定で、今後6ヶ月以内に少数のユーザーに向けて出荷を開始する予定とのことです。

シンガポール政府の投資会社が新たに出資

また、ブルームバーグによると、現在シンガポール政府が所有する投資会社テマセク・ホールディングスがMagic Leap社への出資を計画しているとのことで、同社に5億ドル(約550億円)以上の資金を出資するとのことです。

2015年末から2016年2月にかけて中国IT最大手であるアリババの主導によってシリーズCの資金調達を行い、8億ドル(約880億円)近い資金を調達しました。Magic Leap社はこれまで、シリーズCまでに合計14億ドル(約1,540億円)の資金を調達しています。これは製品発表を行なっていないスタートアップ企業としては異例の額といえます。

テマセク・ホールディングスもMagic Leap社も現在のところ情報は公表していませんが、今後の動向に注目されます

果たしてどのようなデバイスになるのか

具体的な情報はありませんが、Magic LeapのMRデバイスは、ワイヤレスで外部デバイスなしでディスプレイに情報を表示することが可能とのこと。ライトフィールドディスプレイを採用しています。これによりディスプレイの中に物体が存在しているかのように奥行き感覚のある表現が可能になり、データをよりリアルに表示可能、としています。

ブルームバーグの匿名の情報筋によると「眼鏡よりは大型だが、Oculus RiftのようなVRヘッドセットよりは小型」になるとのこと。同社は2015年にスマートグラスの特許を取得していますが、同社は製品の形状に関しても複数の特許を取得しているため、どのような形状になるかは全く不明です。

Magic Leap社のCEOであるRony Abovitz氏は、昨年2月に8億ドルの資金を調達したのちに米国のビジネス紙Fast Companyに語ったところでは、同社はすでにデバイスの研究・開発段階を経て、製品の大量生産に向けて準備を行なっているとのことです。

(参考)
Road to VR / Report: Magic Leap Could Reach $6B Valuation, First Device Shipping in 6 Months to “small group of users”(英語)
https://www.roadtovr.com/report-magic-leap-reach-6b-valuation-first-device-shipping-6-months-small-group-users/

Bloomberg / Singapore’s Temasek Mulls Investing in Magic Leap(英語)
https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-09-14/singapore-s-temasek-is-said-to-mull-investing-in-magic-leap

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