日々の食卓に並ぶ食べ物、特に肉や魚といった「生き物」が、どのように「食べ物」になるのか、意識することはあまりありません。どこから来て、どのように飼育され、加工されるのでしょうか。
この疑問に答えるべく、米国では、鶏肉がどのようなプロセスを経て消費者へ届くのかを伝える3つの360度動画が制作されました。
孵化から加工まで
米国の非営利組織、ナショナル・チキン・カウンシル(NCC)は、鶏が産まれてから加工されるまでを追う、3本の360度動画を公開しました。
動画はそれぞれ「孵化場」、「養鶏場」、「食肉加工施設」のシーンに分かれており、VRヘッドセットやPCのブラウザなどで視聴することができます。
NCCの広報担当、Tom Super氏は「消費者は鶏肉の生産についてもっと情報を求めていると思いますが、ほとんどの人は養鶏場を訪ねる機会がありません。ですから、我々から情報を提供することにしました」と話しています。「我々のVRツアーを通して、米国での鶏肉の生産工程を全て、とても高い没入感で見ることができます」ということです。
孵化場
鶏の卵を孵卵用の部屋にセットし、孵化させ、養鶏場へ出荷するまでのプロセスです。孵化したばかりのヒナたちが、ベルトコンベアで運ばれていく様子は壮観です。
養鶏場
卵からかえった鶏は、7~9週間、養鶏場で飼育されます。広いスペースで放し飼いになっている様子が分かります。
食肉加工施設
出荷サイズまで育った鶏を加工します。頭上を見上げると、先ほどの鶏たちがぶら下がって運ばれていきます。
様々なイベントで公開を予定
Super氏によれば、NCCはより多くの人にこの動画を見て、どのように鶏が飼育、加工されるかを知ってほしいと考えています。今後NCCは動画をオンラインで公開するだけでなく、展示会や学校といった様々なイベント、場所で提供することを計画しています。
日本でも、居酒屋「塚田農場」を展開する株式会社エー・ピーカンパニーが、VRを使った研修プログラムで鶏が食卓に並ぶまでを体験するVRコンテンツを導入しています。NCCの動画に屠殺のシーンはありませんが、普段目にすることのない食べ物の加工プロセスを知るコンテンツとなっています。
(参考)VRFocus
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