2月11日(火)VTuber(バーチャルユーチューバー)ケリンさんが、近隣住民への騒音トラブルを起こしたことへの謝罪動画を投稿しました。プロデューサーの最善啓氏が出演し、騒音がなぜ起きてしまったのか、物件自体の構造の問題についても触れつつ解説しています。
https://www.youtube.com/watch?v=arHpCLUeAq0
投稿動画では、今回の解説は“いい訳”であると前置きした上で、視聴者が同じようなトラブルに巻き込まれないようにしたいとの思いから撮影したと説明。なお自身はすでに別物件への引っ越しが完了しているそうです。
動画中盤からは、最善啓氏が騒音トラブルを起きた物件の構造を解説。それによれば、2019年5月より「RS造(Reinforced-Steel)」のマンションで収録が行われていたそうです。
このRS造とは、防音性に優れた鉄筋コンクリートの「RC造」と鉄骨の「S造」の複合型のこと。最善啓氏は上層のS造に住んでおり、防音性の高い物件と思いながら収録をしていたものの、実際は配信音声が近隣に大きく聞こえていたため、騒音トラブルに発展したと説明しています。
騒音トラブルはどう対策するべき?
VTuberの騒音トラブルはケリン氏の例のみでなく、度々発生しています。実際VTuberは部屋から漏れ出る音について、どのような対策をしているのでしょうか?
あくまのゴートさんはギター配信を可能にするために、防音室の制作工程の動画を公開しています。販売されている簡易防音室「だんぼっち」を改造し、鉛の遮音材とテープで強化。約30~40dB減衰するなど、防音の効果が発揮されているようです。
詳しい話をしますと防音には「遮音」と「吸音」がありまして。
まず音が外に出ないように高密度な(最強は分厚いコンクリート)物体で四方を囲み「遮音」します。
理想は1mmでも隙間無くすことです。
そうすると音が外に出ないので中で反響します。
その反響を殺すのが「吸音」です。続く
— 冷水ぬるめ🎸/歌と作曲の高校生VTuber (@nurunuru_nurume) June 8, 2019
カーテンやダンボールは中の密度が薄いので「吸音」には役立ちますが、「遮音」は行えないため、隙間から外に音が漏れまくります。
スタジオとか音楽室とかにある穴だらけの壁は「吸音」の為にあり、更にその奥で「遮音」を行っています。続く
— 冷水ぬるめ🎸/歌と作曲の高校生VTuber (@nurunuru_nurume) June 8, 2019
なのでガチな物が欲しい場合は「ボーカルブース」や「簡易ではない防音室」等が良いんじゃないかと思います。
「アビテックス」等が有名で月額1万円でレンタルとか出来ます。
一番オススメはコンクリートでガチガチの1階1フロアの物件に引っ越しです。
私は最終的にスタジオに引っ越しました。— 冷水ぬるめ🎸/歌と作曲の高校生VTuber (@nurunuru_nurume) June 8, 2019
冷水ぬるめさんは、騒音トラブルに悩んでいた家長むぎさんにアドバイスするかたちで音のメカニズムを解説。音を遮る「遮音」と音の反響を抑える「吸音」の違いを紹介しつつ、対策法をまとめています。
また楽曲などの収録が必要な場合は、専用スタジオ貸し出しを利用するという方法も。VTuberの収録の場合、ゆにクリエイトのレンタルスタジオやクリエイトVTのレンタルルームといった選択肢があります。
防音物件への引っ越し料金や設備投資などを踏まえると、決して簡単ではない騒音対策。VTuberは快適に配信できる環境を整える問題と今後も向き合うことになりそうです。