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VRで予習してから『リメンバー・ミー』を見に行ったら感動した話


ピクサーの最新映画『リメンバー・ミー』が、2018年3月16日に日本で公開されました。監督は「トイ・ストーリー3」のリー・アンクリッチ。本作は2017年アカデミー賞の長編アニメーション部門・主題歌部門のダブル受賞を果たした話題作です。

この作品の公開を心待ちにしていた筆者は、初日に映画館に足を運びました。ですが、筆者はピクサーやディズニーの熱狂的なファンだというわけではありません。

では、なぜ『リメンバー・ミー』だけは特別になってしまったのか。映画公開よりさかのぼること4ヶ月。筆者は、本作の主人公ミゲルが訪れた「死者の国」に、すでに何度も訪れていたのです……VRで。

『リメンバー・ミー』の世界を味わえる、だけじゃない『CocoVR』


2017年11月16日。VR用HMDを持っている人たちの間で、とある無料のコンテンツが話題になりました。『リメンバー・ミー』(原題:Coco)の宣伝用に作られたVRコンテンツ『CocoVR』です。

https://www.youtube.com/watch?v=688XEeK80GQ

この『CocoVR』は無料にも関わらず、ピクサー映画の世界観・美術を存分に味わえる、ハイクオリティなVR作品に仕上がっていました。この抜きん出たクオリティに一部のVRユーザーは盛り上がり、こぞって『CocoVR』を体験していました。もちろん筆者も、この突如として現れたあまりに出来の良すぎるVRコンテンツに魅せられ、何度も何度も足を運んでいます。

『CocoVR』で鏡のある部屋を訪れた体験者は、自分が死者(ガイコツ)の姿になっていることに気づきます。部屋で着替て表に出ていくと、外ではコンサートが行われていたり、野外シネマが開催されていたり。広場には自撮りができるフォトスポットもあります。

まずはビジュアルの美しさにポカーンと見とれて、それから散りばめられた様々な仕掛けを探し、Oculus Riftを持っている友人を誘って遊びに行きました(本作は4人までマルチプレイが可能)。友人とのチャットがとてもスムーズにできるのも驚きでした。正直、今まで体験したVRコンテンツの中でも一、二を争うレベルで快適です。

先ほども書いた通り、本作は無料コンテンツ。しかしクオリティは非常に高く、特に美術面は(もともとの映画が存在するとはいえ)群を抜いていました。


(友人と一緒にCocoVRのフォトスポットで撮った写真)

友達と一緒にガイコツになっておしゃれをし、街中をキャッキャとはしゃぎながら歩き回ると、ディズニーランドあたりの『リメンバー・ミー』のアトラクションに遊びに来たかのような気分を味わえます。

そうして「死者の国」に入り浸った私は、「VRで何度も行ったことのある場所を映画で観たら、自分はどう感じるのだろう……」という好奇心か、絶対に映画『リメンバー・ミー』を観に行こう! と決意したわけです。

VRで何度も訪れた舞台を映画で。すると……

なるべく予告編以外の情報は見ないようにして4ヶ月が経過。ようやく『リメンバー・ミー』の公開日がやってきました。ついに劇場で『リメンバー・ミー』の本編を鑑賞した私の脳内では、大きく分けて2つの感情が生まれていました。

1.「ここに来たことある!」

『リメンバー・ミー』のストーリーが死者の国に入ってからは「あそこだ~~~!!」の連続でした。本編に登場する死者の国の街並みを眺め、「私、たぶんあの上を歩いたことある!」「あの建物知ってる! 中はこんな風になってるんだ……」「あのゴンドラ乗ったよ!」と、初めて観た映画のはずなのに、既視感がすごいという事態に。

映画を観るとわかりますが、『CocoVR』は映画の中に出てくる建物や場所がほぼそのまま出てきます(もちろん、行ける場所は決まっていますし、実際の映画の中の縮尺とはまったく違うとは思いますが)。映画本編では背景程度のものでも、実際に乗ることができたりするのです。

VRの世界で「見る」だけでなく「乗る」「その中を歩く」といった体験をしているので、「実際にあの場所に居て、友人と一緒にゴンドラに乗った!」という記憶と強く結びつき、「自分はあそこに行ったことがある」という気持ちがさらに強くなりました。




2.「あそこはあんなに大事な場所だったのか!」

もうひとつは、『CocoVR』の中で何気なく見過ごしていた色々な場所が、作品内でこんな意味のあるものだったのか! という気付きです。本編のストーリーを追っていけばいくほど「あれはこういうことだったのか!」という、波のように訪れる「答え合わせ」の繰り返しでした。

映画を観て帰宅してすぐにまた『CocoVR』の世界にダイブし、目を皿のようにして見渡すと、「映画の中で観たあの階段、あそこにあった!」「このオブジェはあの子だったのか!!」など、ダブルでの「答え合わせ」が楽しめるという、とても贅沢な時間が過ごせました。

さらに『CocoVR』の中でのメインイベントを、映画本編を観てからまた体験すると……ネタバレになってしまうのであまり言えませんが、少なくとも二点において「うわああ~~~!!」と頭を抱えたくなるような感動が。あまりに良く出来ていて、言葉もありません。

というか、映画本編を見終わったあとも、私たちはいつでも死者の国に遊びに行けるなんて、ファンにとってはたまらない体験ではないでしょうか。 もう一回映画を観に行き、ストーリーを追っている段階では気づかなかった細かい部分などを観察したい気持ちでいっぱいです……。

「行ったことのある場所が映画で登場する」ことは、少なくない人数の人が経験していると思うのですが(私もあります)、「行ったことのある架空の場所が映画で登場する」という経験はなかなかに得難いものがあり、普通に新作映画を観るのとはまったく違った形での集中をもたらしました。

VR世界で作られた私の意識が、映画にいつもとは異なった没入のしかたをうながした……というような感覚です。映画の中にある、完全にファンタジーであるはずの物語が、「私はここを知っている!」という認識により、確かな実在感を持って迫ってきたように思えました。

『CocoVR』をやっていなかったら劇場で観る予定も立てていなかっただろう『リメンバー・ミー』でしたが、まんまとこの宣伝に引っかかり、こんな文章を書くほどに思い入れの強い作品になったのです。

惜しむらくは、現在この『CocoVR』を楽しめるのは、VRヘッドセット(Oculus Rift)を持っている人に限られるということ。『リメンバー・ミー』を観て感動した、という方には体験してほしいVRコンテンツなので、どうにか劇場などで体験できる機会があるといいのですが……。

とはいえ、『CoCoVR』自体もものすごくボリュームのあるコンテンツでもあるので(平気で1時間くらい遊べます)、それもなかなか難しいかもしれません。初心者には操作がやや難しいかもしれませんが、周囲にOculus Riftをお持ちの方がいらっしゃったりしたら、ぜひ体験してみてください!

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この記事を書いた人

工藤P

MikuMikuDanceというフリーの3DPVツールの初心者向けのブログや講座動画を作っています。 また、Oculus使用のVRコンテンツも趣味で作成。 女性が楽しめるVRコンテンツがもっと増えてほしい!という思いに突き動かされ、重い機材を転がして体験会を開催することも。

Twitter:@emifuwa
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