2025年12月10日、オランダ・アムステルダムの「OBA Theater」にて、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と共に生きるダンサー、ブレアナ・オルソン氏を主演に迎えたライブパフォーマンス作品「Waves of Will」が披露されました。
本作はDentsu Labが展開するプロジェクトの第3弾で、NTTの脳波技術と表現デザインを融合させ、人間の可能性を拡張する試みです。
主演のブレアナ氏は3児の母であり、バレエなどを学んできた実力派ダンサーです。2023年10月にALSと診断された後も、意欲的に活動する彼女の意志とプロジェクトの思想が重なり、今回の共演が決定しました。テクノロジーを起点に社会課題の解決を目指すクリエイティブR&DチームであるDentsu Labと、NTTの脳波技術が組み合わさることで、身体的な制約を超える表現の場が創り出されました。
本公演では、18個の電極を備えたヘッドセット型脳波計で脳波を計測。頭の中で運動をイメージすると、そのパターンを機械学習で検知します。これにより、デジタル上のアバターをリアルタイムに動かすことに成功しました。NTTの技術により、状態に合わせモデルを個別調整しています。刻々と変化する脳波から、正確に運動イメージを捉えることが可能です。
自然言語処理(人間の言葉を処理する技術)を活用した演出システムも開発されました。身体的に意思を伝えることが難しくても、脳波で言葉を選び振付家に伝えられます。表現を自ら選ぶことで、クリエイティブな意思決定を継続できる仕組みです。会場の熱気に合わせ、アバターの動きを選ぶUIも導入されました。身体的な制約を脳波で超えることで、表現の新しい可能性を提示しています。
作品のテーマは「風」であり、命を吹き込む象徴として描かれました。構成は「創造」や「共生」など4つの要素に基づいています。第1幕ではマックス・リヒター氏の音楽に合わせ、車いすに乗ったブレアナ氏が登場しました。意思の選択を示すマークが映し出され、彼女が表現したい動きを選択します。選ばれた動きに応じ、アバターがダンスを披露しました。
NTTは今後も、脳波を活用したアバター表現や車いす操作の研究開発を継続します。Dentsu Labも技術とアイデアで、社会課題の解決を実践していく方針です。障がいを持つ方の視点や創造力を借り、誰もが社会で活躍できる世界の創造を目指します。
参考
先方提供資料
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