日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、クリエイターの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
このお話は、メモを取って頂いて構いません。
ホラー的内容があるのでご注意ください。齋藤のんのんがアップしたのは、とても爽やかな夏の光景、と見せかけて話している内容は相当にどぎつい、インパクト大な映像でした。メモを取っていただいてかまいませんとのことなので興味がある人はとってもいいと思いますが、くれぐれもご用心を…。
今作は「【怪談】ネットで最も怖い夜2025【怖い話】」に投稿されたものとのことです。
普段から齋藤のんのんは様々なVlogをアップしているのですが、そのスタイルはかなり独特です。非常にかわいらしいアバターで現実世界に溶け込んでおり、画質はかなりレトロスタイル。ビデオカメラで撮影したかのようなざらついた画面が印象的です。そして環境音や音割れもそのまま活かすスタイルも特徴。まるで平成初期に撮影されているかのような、不思議な錯覚に囚われます。
自己紹介動画を見ると、色彩、音楽、画面構図などへのこだわりが強く、自身の実在感をオリジナリティのある切り口で撮影し映像化することに長けているのがよくわかります。普段のVlogがとても現実的だからこそ、最新のホラー映像もまた、生々しさが強いです。
【運命の地】集合場所を決めずにアムステルダムで出会うことはできるのか?
2023年に撮影された、イギリス、スイス、イタリア、オランダ……ぽんぽことピーナッツくんの、超フットワーク軽すぎ世界旅行動画のシリーズが完結しました。タイトルの通り、海外での合流企画、というスケール感覚がおかしくなりそうなネタです。
合流のヒントはLINEで撮った写真だけ、会話NG、というリアルジオゲッサー状態。写真は5分に一回のみ。ピーナッツくんの「無理だろ、滋賀じゃないんだから」が本音すぎます。
見どころは、ふたりが街の中に自然に溶け込んでいるところ。まずはフル活用されまくっているパペット。如実に普段よりテンションの高い二人の様子が激しいパペットの動きからよく伝わってきます。
と同時に移動中の映像は3Dモデル。アムステルダムの街の中を、いつものぽんぽこが歩いている、という普通ではない映像が、ごく当たり前に感じられるからこのふたりはすごい。さらにピーナッツくんは体型的に人間サイズよりはるかに小さいにもかかわらず、子どもが街を歩いているかのように自然に映り込んでおり、実在感があります。
もちろんLINE用に撮った写真も自身は3D。特異な光景なはずなのに、違和感がなく見えてくるから不思議です。
ふたりがうろうろするたびに、カレンダーのようなアムステルダムの光景をくまなく見ることができる、という素敵企画。ふたりの大胆すぎる行動力ならではの映像でした。
【 #らでんちゃん2周年 】2周年記念特別企画!伝統工芸と科学とロケと落語!?らぽラボで出張してきた!!【儒烏風亭らでん/北白川かかぽ】
「らぽラボ」は美術工芸に詳しい儒烏風亭らでんと、化学に長けた北白川かかぽによるコラボシリーズ。今回は儒烏風亭らでんのデビュー二周年特別企画として、伝統工芸・備前焼について、実際に備前で体験し、調査しています。
焼き物、といっても種類が多く、何がどう違うかわかりづらいものですが、焼き物全体の解説から入って「備前焼きはどこが特別なのか」からちゃんと説明しているのが「らぽラボ」流。
工芸パートでは2人が土砕きからはじめ、粘土を練り上げ、こねて器を作ったりろくろをまわしたりと、フルに器作りを体験しています。
そして北白川かかぽが得意とする化学パートでは、備前焼がなぜ土だけできらきら輝くのか、備前焼に花を活けるとなぜ長持ちするのか、電子顕微鏡で見るとどうなっているのかなど、なかなか見ることのできない話題をふたりが掘り下げており、「備前焼」「焼き物」の見え方ががらっとかわるほど勉強になる部分盛りだくさんです。
今回の2周年記念配信版「らぽラボ」で白眉なのが、儒烏風亭らでんの落語パートが入るところです。そもそも備前焼ってなんだろう、という前段階から踏まえて、町人同士の創作会話を短い落語で楽しく語ります。その江戸の町人の会話から流れるように、備前での体験映像に入っていく流れが見事。
一通り備前で工芸と化学を学んだ後、そこでもオリジナル落語パートが入ります。江戸に帰ってきた町人たちが焼き物への理解の復習をしつつ、きれいなオチまでつく、というスタイル。配信全体の構成が美しく、最初から最後まで飽きさせません。
噺家としての発声、落語らしい小粋なボケ、本編につなぐための興味をそそる単語のピックアップなど、儒烏風亭らでんの落語技術の高さがよくわかる内容です。落語パート自体は小分けになっていることもあり、落語ってこんなに聞きやすくて面白いんだ、というのを体験するきっかけとしても非常によくできた配信になっています。
【#ホロフレ夏休み】ホロフレと僕の夏休み思い出写真館!!【ホロライブ/夏色まつり】
夏にしか撮れない美しい写真がある。ぬい活だからこそ撮れる推しの一瞬がある。視聴者参加型で集まった、夏の思い出いっぱいの写真が楽しめる「ホロフレ夏休み」を夏色まつりが配信しています。
「hololive friends」通称「ホロフレ」とは、ふわふわした素材でできた、おすわりポーズがかわいらしいホロライブのメンバーのぬいぐるみシリーズのこと。通常衣装の他に、配信でおなじみの私服や魔法少女衣装なども販売されており、ものすごい種類のホロフレぬいぐるみが販売されています。
バリエーションが多いからこそ、推しを連れて外に出る楽しさもひとしお! 真っ青な空の下撮影されたものや、花火を背景にしたもの、ホロフレによるスイカ割り、緑の中涼むホロフレなどなど、それぞれのイメージにあわせたシチュエーション全てが、夏真っ盛りです。加えて構図や被写体深度や色味など、撮影技術も全体的にクオリティが高いもの揃い。ぬいぐるみなのに表情が変化しているようにすら見えるものもたくさんあります。
美しさを表現できるのもありますが、やはりこの「ホロフレ夏休み」は、自分の推しの魅力をアピールできるのが楽しいところです。フワワとモココのふたりがセミの抜け殻を囲む写真は、無邪気そうに見えるところも素敵ですし、なによりふたりが参加した配信を観ているとその元ネタがわかるのでニヤリとできるのもいいところ。
夏色まつりがそれぞれの写真に対して、いいところを的確に言語化してくれているので、写真の魅力がぐっとあがっている配信になっています。彼女が発言したように「写真で一言選手権ホロフレ編」は、今回のクオリティを見る限りエモ方面でもギャグ方面でも大いに盛り上がりそう、とつい期待したくなってしまいます。
【🎊 4周年記念/前編】口頭発表風配信:1年間のVTuber活動の分析および今後の展望【#星見まどか4周年記念】
「宇宙の魅力をお届けするVTuber」として活動四周年を迎えた星見まどか。その振り返り配信は形式がだいぶユニーク。スライドを用いながら壇上で口頭発表をするかのような演出になっており、今までの星見まどかがまるっとわかる、学者スタイルの構成になっています。
スペースバルーンで成層圏へ行ったり、平塚市博物館コラボプラネタリウム番組を実施したり、野辺山観測所特別客員研究員に就任したり、各種宇宙研究者とコラボしたりと、外部での活動も目覚ましい星見まどか。その歩みを聞いていると、彼女の足跡の大きさが非常によくわかります。
同時にYouTubeでの活動についての分析が非常に細かく、データとしても興味深いです。配信や動画の内訳、チャンネル登録者数の推移の推測、最大同時接続者数の推移分析、視聴者層の分布など、赤裸々に自身のチャンネルの4年にメスを入れています。研究発表スタイルの配信だからこそ、考えさせられる部分はたっぷり。
総括として、宇宙をメインに取り扱うVTuberとしての今までの自身の活動を解析しながら、5年目どうしていくのかについてかなり具体的にプランニングまでしています。
専門知識や教養を中心に扱うVTuberのひとりである彼女がこのような分析公開をしたことは、他の様々なVTuberの活動方針を考える際にも参考になる部分が多々あると思います。視聴者からすると、今までの彼女の活動の積極性と内容の濃さは、そのまま教材として学生たちに観てもらいたいレベルのものなのですが、彼女は「まだ宇宙に興味を持っていない層」へのリーチを現在進行系で企画中とのこと。活動はまだまだ高みに向かっていきそうです。
「惑星科学の研究をしていた者として。そして、宇宙の魅力を伝えたいVTuberとして。『 チ。 ― 地球の運動について ― 』を見て、必ずこの歌を歌おうと心に決めていました。」と概要欄にあるように、彼女の活動に対しての強い思いが、カバー曲MVに込められています。身が引き締まるような凛とした歌声は、サビでは知ることへのワクワクをもしっかり表現しているように感じられます。4周年振り返りとあわせて観て欲しいMVですが、このカバー曲だけを聞くだけでも、彼女の決意と夢がしっかり伝わってきます。
そしてもうちょっとゆるくくだけた彼女の思い出話は後編でしっかり行われている構成も丁寧で、ファンを喜ばせていました。
【Original song】宿命 / YUKIHIME【MV】
入りの一瞬で、この歌を最後まで聞こうと決心させてくれる、ハイクオリティなオリジナル曲をYUKIHIMEが披露してくれました。とても優しくて柔らかい歌い方の声なのに、どうしようもない寂しさをも感じさせる表現力が、心をつかみます。
「暖かい眼差しとその優しさが 受け止められるほど強くはなくて」「何気ない言葉すら少しも信じられずにひとりで傷ついて 愛に飢え続ける 私のサガなのです」というフレーズは、静かに流れる涙のように、清らかなのにとてもやりきれないものを感じさせます。だからこそ後半、それでも「今もまだ本当は甘えたくて仕方ないんだ 幼いままずっと」「きっといつかは受け止められる 愛に飢え続けた私のサガもすべて」と前向きになっていく歌詞が入るとき、歌い方にじわじわと、でも確実に温かさがこもってくるのがわかります。
完全な解答のない、でも変わりつつある心境の微細な差異を一曲の中で描ききったYUKIHIMEのボーカル。聞き終わった後にもう一度最初に入りの部分を再生すると、聴こえ方が少し変わってくるはずです。
【original】眼差シ – version ∞-/星降あめる
星降あめるによる、強烈なサムネイルとインパクトのあるタイトルが印象的なこのオリジナルMV動画、再生するとバギバギに決まったギターと、荘厳さを感じるボーカルでぐっと引き込まれる…のですが途中から様子がおかしなことに。
45秒くらいからのどんでん返しで驚かされるこの作品。パワーを力に変えるかっこいい歌詞かと思いきや、水道水のおすすめCMへと早変わり。温度差の激しさは実際に聞いてみてください。
ツッコミどころ満載すぎるのですが、徹底して曲の構成がシンフォニックでがかっこよく、かつサビの星降あめるはかわいらしいので、作品としての品質は激高。これをライブでやったら、大声で「水道水!」と大声でコールしてしまうこと間違いなしの、強烈な引力があります。何より歌がうまいからこそ、ここまでふっきった作品ができているのは忘れてはいけないでしょう。メタルパートでのシャウトは心をぐっと掴んでくれます。
とはいえ歌詞は「インセンティブありリスクノルマなし」など、かなり危なっかしいのでやはりにやりとさせられてしまいます。グイグイ迫る星降あめるのガンギマリな瞳に狂わされてしまうのも一興な、楽しい作品です。
ドレミファロンド / ふらっふぃい cover
人間形態が圧倒的多数を占めるVTuber界隈の中、人間ではない姿で人気を伸ばし続けているのが、にじさんじのでびでび・でびる、黒井しば、ルンルン。ユニット名は、ふわふわもふもふを意味する「ふらっふぃい」。キュートな生き物たちによる、これ以上無いくらいぴったりなカバーソングがアップされました。
元々の曲がかわいらしさ抜群なのもありますが、ふらっふぃい三人(匹?)の歌声がそれぞれの個性そのままにキュートなので、癒やし力抜群です。また、背景はでびでび・でびる、動物は黒井しば、人間キャラはルンルンがイラストを担当している、というクリエイティブなところにも才能が溢れています。
元の歌詞の「大切なのは僕でいること 間違いだらけの毎日も 手と手をつないで目と目を合わせてどこまでも歩こう」という部分を、人間ではない、それぞれの命が歌っていることに深い意味を感じさせられてしまいます。ふらっふぃい3人の配信を見て、お人間さんであるこちらが一緒に歩んで楽しんで笑えるのは、バーチャルだからこそです。
twinkle night / covered by 魔界ノりりむ 卯月コウ
魔界ノりりむと卯月コウによるカバーソングMV「twinkle night」がアップされました。これはふたりのおそろい新衣装公開(卯月コウ版・魔界ノりりむ版)にあわせて公開されたもの。ストリート系のクール&キュートなおしゃれファッションは、それぞれでも十分に素敵なのですが、2人揃うことでいろいろな想像が掻き立てられるようなシナジーがありました。その想像をこのMVが、とんでもない勢いで加速させてくれたものだから、ふたりのコラボ「おりコウ」ファンにはたまらないものがあったはずです。
声の高い魔界ノりりむが、夜にささやくような低音パートを担当し、少年らしい声の落ち着きの卯月コウが、ぐっと見上げるような高音パートを担当しているというのが見事。ふたりの良さを引き出すにはどうすればいいかを熟知したような掛け合いになっています。
「おりコウ」はVTuberコラボの中でも、ちょっと変わったコンビ。というのもふたりともしばらくの間13歳固定で活動をしているからです。ソロ配信の多い卯月コウ、どんどん外に飛び出す魔界ノりりむ、と活動スタイル自体も全く異なるのですが、ふたりが揃うとそこは、永遠の少年少女の時間に早変わり。ふたりの他愛のないフリートークも、学校の放課後の大切な時間を観ているかのようで、つい聴き入ってしまう魅力があります。
「おりコウ」のふたりは言語センスが鋭く、ときおりどちらもハッとさせられるような発言をすることがあります。バーチャル13歳の視点でしか切り取れない世界を見るセンスは、今回のカバー曲の歌詞にも、ドット絵とレトロOS風の画面にもぴったり。ふたりの独特な距離感をさらに深く味わえる、相乗効果抜群のコラボMVになっています。
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