日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、クリエイターの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
【完全解説】 革命!退職!独立! 【音楽史RTA③】#レール先生のまったり音楽学
元宮廷音楽家、現役音楽講師の琴笙レールシュペナー。彼女は「音楽学」を中心とした配信を行ったり、動画をアップしたりしています。今回アップしたのは「音楽史RTA」の3回目、古典派について。社会構造や技術の進展によってどう音楽が変わったかを短く、わかりやすく、楽しく解説しています。
RTAというだけあって、概観を理解できるようまとめることに特化したトークになっています。なのであまり音楽史について知らない人にこそおすすめしたい、歴史の流れがよくわかる動画シリーズです。もちろん具体的な作曲家などもとりあげていますが、一旦そこは掘り下げすぎず、少し引いた目線で全体の時代的変化と音楽の変容を語ってくれているので、世界史をの勉強としてもかなり役立つ内容です。この複雑そうな話題を、軽快かつ好奇心くすぐるトークで盛り上げてくれるあたり、さすが現役音楽講師。このまま学校の音楽教材に使えるクオリティの動画作品です。
音楽理論についてわかりやすくまとめている「はじめての音楽理論」シリーズや、音楽等のニュースを扱う配信「#琴笙瓦版22」など、「音楽学」への興味をそそる活動を数多く行っている琴笙レールシュペナー。ものを学ぶ、考える面白さを感じさせてくれる先生なので、音楽に興味がある人以外でも是非見てみてほしいVTuberです。
【栞葉るりのゆるゆる文学教室】第五回 月にはいつからうさぎがいるの? ~日本文学で活躍する動物たち~【ゲスト:月ノ美兎】
栞葉るりが行っている「栞葉るりのゆるゆる文学教室」は、聞き役を招きながら、テーマをひとつ決めて日本古典文学を掘り下げるスタイルの配信。今回は月ノ美兎を招き、彼女のモチーフでもある「兎」について日本文学を考える内容になっています。
月ノ美兎は以前カチカチ山の研究動画でバズっていましたが、その調査の手伝いをしていたのが栞葉るりでした。
今回はその知識量を遺憾なく発揮し、兎のみならず狸や狐や猫についても調べて比較することで、日本人の見る動物観、ひいては日本人の宗教観まで分かる内容になっています。
栞葉るりのこのシリーズは、卯月コウ回は「御曹司」について、周央サンゴ回はネットミームについてなど、聞き手にライバーを呼び、そのライバーにまつわる話題を用意し、そこを切り口として古典研究を1時間行うというユニークなスタイルです。切り口が明快で、学校では到底習わないような見方であるからこそ、古典が苦手な人でもすんなり楽しめるようになっているのが見事なところ。話題一つ一つに対してスライドを大量に準備しているのも好感が持てます。
今回は聞き手である月ノ美兎が、栞葉るりの提示する話題ひとつひとつに心の底から深く興味を持って食いついているのがわかるゆえに、見ていてこちらも好奇心くすぐられる1時間になっています。あらゆるものに興味を持って学ぶ姿勢を常に持っていて、知ることの楽しさを理解している月ノ美兎の、聞き手としてのうまさも感じられます。
【#うさぶ-えにからガチ提案】“かわいい”だけじゃ通らない!?うさぶーを3C/SWOT分析!! #01【にじさんじ/五木左京】 #五木さきょう中
スーパーエリート営業マンであるにじさんじの五木左京は、自身が首から下げているキャラクター「うさぶー」を本気で売り込むのを目標に動いている、ちょっと変わったスタイルのVTuber。今回はその足がかりとして、ANYCOLORに営業を仕掛けるための分析を行う、という企画配信の「#うさぶ-えにからガチ提案」をスタートしました。
配信は解説の他、ブレインストーミング形式も取り入れています。行っている営業の基礎的考え方は、現実の営業マンがやっているものと同様。市場調査をはじめ「SWOT分析」など、かなり本格的です。
現段階ではまだ、語られる題材は営業職のいろはのい。なので営業戦略のロジックを知る勉強として、この配信は最初から見ることができる貴重な内容です。なにより営業戦略について、五木左京とともに「うさぶー」を題材に学びながら、配信で疑似会議として参加できる、というのが熱いところ。後々ANYCOLORのグッズ製造販売担当部署からのフィードバックもあるという本格的なものになっています。
全3回とのことなので、是非リアルタイムでコメントで参加してみてください。営業のノウハウを自分のこととして学び、みんなで考えることができる、学びが楽しみなシリーズになりそうです。
【 アコギ凸 】暑いし鏑木のために一曲歌ってくれませんか? 【 鏑木ろこ¦にじさんじ 】
鏑木ろこが行ったのは「アコギ凸」。3Dの姿でアコースティックギターをかまえ演奏しながら、来てくれた人に歌ってもらう、という変則的な3D凸配信です。本人は演奏だけで、来てくれた人が主役として歌うというスタイルの凸は、少なくとも3D配信としてはかなり珍しいです。
だからこそ、ソロの弾き語りとはまた一味違う、コラボならではの化学変化と、各々で生まれるエモが味わい深いです。特にキャッキャとおしゃべりしたあと、スッと歌に入るときの空気の変化は是非観てほしいポイント。多様な声質のボーカリスト全員の魅力を、鏑木ろこがセッションで引き出しています。
VR技術的には、鏑木ろこのギター演奏のトラッキング精度の高さに目がいきます。指一本一本、どのコードを押さえているのかがはっきりわかるあたり、ギター演奏再現はかなり高いクオリティなのがわかります。ギタースタンドにギターをさりげなく立てているのも、VRに触れたことがある人なら高度なことをやっているのがわかると思います。
また、まだ3Dがない珠乃井ナナ、早乙女ベリーが2Dの姿で自然に並んでいるのも見どころ。もちろん真横からみたらまだ真っ平らですが、前から見る分には普通にLive2Dで動けるので、カットによっては違和感がほとんどありません。
ANYCOLORのVR技術の進歩と、鏑木ろこのアイデアと演奏によってうまれた、新しい音楽エンタメの可能性を感じさせてくれるコラボ配信でした。
オヒトリサマ / 名取さな (official)
名取さながアップした新作オリジナル曲は、今までとちょっと異なったスタイル。これまでは彼女本人の生き方を歌ったものでしたが、今回は名取さなはどうやら見守る人の立ち位置で、他の人物が主役のようです。
ハードなサウンドのロックチューンで、名取さなが歌う歌声はものすごくパワフル。その声で訴えるのは「僕らは独りだ」という真実です。
名取さなのチャンネルでは以前から「馴れ合い」を禁止しています。基本的にはコメント欄の中などでの会話の馴れ合いNGのことを指すのでしょう。基本的にはチャンネルの運営方針としてのルールです。
でもそれだけでなく「馴れ合い禁止」の心持ちに、孤高であることの気高さ、強さ、安心感、自由さがあることを今回歌っています。実際Xでこの曲について「馴れ合い禁止の歌です」と明言しています。
「孤独を精々と讃える強い人になりたくて」「分かりあえないことを誇れ君と僕は違う人」人はそれぞれ別人であるから面白いし、孤独であるからこそ楽しめるものはたくさんあります。それを名取さなは高らかに、背中を押すように歌いました。
MVは人魚の子が孤独を謳歌しながらバイクで駆けていく様子が描かれています。そっと見守るようにでてくる存在が、名取さななのかどうかはわかりません。少なくとも、人魚の子は馴れ合いをせず独りでいることで、自由を手にし、満面の笑みを浮かべています。
お一人様でいることを誇りと考えるこの楽曲、名取さなの配信を見る時のみならず、日々を生きる際に、大きな勇気を与えてくれるはずです。
ぐうたらいふ – 松永依織 (Official MV)
松永依織はオリジナル新曲は「ぐうたらいふ」というタイトルでぐうたら人生を歌った作品。ゆるゆる感とパワフルさの両方を兼ね備えた、ある意味松永依織の新機軸的作品です。
松永依織は疾走感あふれる曲をソリッドに、格好良く歌うのが得意なVSinger。その武器をいかしつつ、今回の楽曲も独特な力強さでぐうたら讃歌を歌うという、タイトルからだけだと想像できない曲調になっているのがとてもユニーク。ライブで盛り上がること間違いなしなアッパーなぐうたらソングになっています。「Love!Love!」の部分でぜひともコールしたい!
明るいノリに仕上がっているのは、この曲は「ぐうたら」の姿勢に対して思想がポジティブだからでしょう。自堕落というよりも、無理しすぎず休むことも才能である、という前向きな考え方で組み立てられた楽曲なので、歌声はアッパーに、歌詞はまるでエールのようになっています。
ドット絵で描かれた松永依織が、豊かな表情を披露しながらぴょこぴょこ揺れるMVは見ていて飽きません。働いて疲れている人にこそ観てほしい、アゲアゲ癒やしソングMVです。
【オリジナル曲】O.KO.ME (prod. DJ WILDPARTY)|ひとなつおもい
ひとなつおもいは子どもの感性をそのままにリリックに織り込むことができるバーチャルラッパー。今回のテーマはお米。DJ.WILDPARTYのトラックに乗せて、楽しいラップを繰り広げています。
学校給食を楽しみにする児童のわくわくテンションが詰まったリリックは、聞いていて心がほっこりするものがあります。畳み掛けるような軽快な韻の踏み方は、まるで美味しいご飯を食べて嬉しくてジャンプしているかのよう。「狩りから稲作へ継承されてるDNA JAPAN住みのアイデンテーテー たまごとしょうゆといのちをごはんにかけて」と迫力を持ってお米をテーマにしたリリックで迫るかと思いきや「この方向性で N◯K教育、狙ってるぜ ご連絡の際DMへ ついでに紅白出てええで!」と、子どものやんちゃなイメージでストンと落としているのもまたユニーク。
等身大の子どもの視点でお米に向き合いながら、情熱的な食への愛と、たっぷりのユーモアをライムでつないでいるのが聞いていてとても痛快。ひとなつおもいというバーチャルな児童ラッパーだからこそ出せる、独自のDOPEさが魅力です。
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