日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
日雇礼子さん達で学ぶシール貼りのお仕事
日雇礼子がアップしたのは、日雇い労働として有名なもののひとつ、シール貼りの仕事について。存在は知られていても実態が知られていないこの仕事について、動画では彼女が仕事を実際に行う物語形式で解説しています。

シール貼り工場の現場がなぜ機械ではなく未だに手工業なのか、などのリアルを話題にしています。同時に、シール貼りの仕事なのに他の部署に回される理不尽、なかなか機械化できない重労働などについても紹介。現場でしかわからない難しさを痛感させられます。
それでいて実際の時給はいかに……?このあたりも赤裸々に語られています。
日雇礼子の動画を見ると、働いてお金を稼ぐことがいかに大変なのかしみじみと痛感させられるばかりです。この動画を見たら、貼っているシールを見るたびに、機械ではなく苦労して働いている人々の姿を想起することになりそうです。
型破りな雑誌創刊! VTuber文化を知ることが民俗学を知ることに通じる——『Hukyu』編集長・諸星めぐるさん インタビュー
諸星めぐるが本チャンネルにインタビューを受けた動画がアップされました。諸星めぐるは『Hukyu』という雑誌の編集長で、創刊号は「VTuber✕民俗学」という特集になっています。なぜ出版したのか、なぜ民俗学なのか、なぜVTuberなのかなど、掘り下げていく動画になっています。
諸星めぐるは普段から民俗学について配信をしているVTuber。民俗学といってもホラー作品に出てくるような怖いものではなく、身近なものに関して調査し考える学問で、生活の中での視点が広がるきっかけになるものだと彼女は日々提唱しています。
発売された雑誌『Hukyu』は、VTuberという文化に関わる人たちから、多様な切り口で声を集めていく、というフィールドワーク、VTuber遠野物語とでも言うようなスタイルを取っています。
同時にVTuberのようなネット文化は、情報が消えると何もかも消滅しがちです。それを残したい、というのも大きな意義のひとつであることが語られています。
この動画は本に興味を持った人が手に取るきっかけになる対談であると同時に、普段の彼女の民俗学配信の魅力についても伝わってくる動画にもなっています。
ついにジャガイモ掘り出す~私が育てました【にじさんじ】
文野環はポテトバッグの袋を用いて、107日かけてじゃがいもを育てました。今回はその収穫の配信です。ちなみに最も大きなじゃがいもを育てた人には賞品がもらえるという競技性もあるようです。
前半は彼女の育成振り返りトーク。水をほとんどあげていないなど、この時点でツッコミどころ満載なのですが……。
後半で、とれたて新鮮なじゃがいもを文野環が食べようとしはじめたから視聴者大慌て。生のじゃがいもはソラニンという毒素があって危険だからですが、それに納得がいかない文野環。AIのGeminiに、生のじゃがいもを食べていいか質問をしはじめます。Geminiは最初はたしなめるように、生のじゃがいもを食べないように伝えているのですが、意地になって生じゃがいもを食べようとする文野環に対して、「絶対食べないように」とどんどん厳しい言葉で注意をするようになります。
絶対生じゃがいもを食べたい文野環と、絶対生じゃがいもを食べさせないAI Geminiのやりとりがきちんと会話になっているのは驚きであり、同時にコミカル。AIとの会話が成立するということと、文野環の頑固さがユニークな、偶然が生んだミラクルな配信になりました。
【オリジナル楽曲】ひっひっふー / しぐれうい【じん】
しぐれういがアップした新作オリジナル曲MVは、ボーカル、歌詞、メロディ、映像ともに超ボリュームハイクオリティ。一回聴いた後にコマ送りで観たくなるほどの情報量のある動画作品になっています。まずは一度、歌唱力がぐんぐん伸びつつあるしぐれういのラップパートをじっくり聴いてみて下さい。
かなり目まぐるしく動くのでダイナミックなスケール感があるのですが、実は基本的にはひとつの部屋の中での出来事でしか無い、というのが動画の大きなポイントです。
じんによる歌詞は言うなればクリエイティブ讃歌。ものづくりについて高らかに謳っている内容です。イラストレーターしぐれういのクリエイティブはひとつの机の上、ディスプレイと液タブだけの空間で成り立っています。でもそこで描かれるものは無限の広がりがあります。スピード感抜群のメロディに乗せて歌詞を疾走させるしぐれういのボーカルが、見事にものづくりとVTuberの二足のわらじで活動する彼女のパワフルさを表現しました。
途中で入る街中の人たちの様子は、PCディスプレイ、テレビ、スマホなどありとあらゆる液晶画面から見た光景になっています。こちらはほんの一瞬で点いては消えていき、後半時間軸が進んで変化しドラマ性があるので、是非YouTubeのスピードを落としてチェックしてみて下さい。本編も一部は、液タブ側から見ている視点。いわばしぐれういが視聴者を描いている状態になっているのも興味深いところです。
【MV】5th Single『はねる or Die』Music Video【因幡はねる / ななしいんく】
やっぱり因幡はねるはこうでなきゃ!という安心感すら感じる心地よさと闇が同時に襲い来るハッピーチューン。メリーバッドエンド……いえいえ、ハッピーエンドを因幡はねると過ごせる楽しい作品です……よね?
様々なベクトルの違うイラスト形式で描かれている(4人参加しています)ので最初その表現のばらつきにドキッとさせられるのも、計算通りなのでしょうか。序盤の少女漫画ヒロイン的な歌い方は因幡はねるの得意分野でしょう。しかし真骨頂はその後の、嫉妬&不安&束縛モードに入ってから。歌声はとてもかわいらしいのに、その内容はどんどんソリッドに、愛と恐怖の入り交じる世界にご案内されてしまいます。「ねぇどうして君は泣いてるの?これからはずっと”一緒”だよ?星になる日まで愛してるよ 骨までしゃぶり尽くすよ」という歌詞が、この作品のディープな味をはっきりあらわしています。
止まらないラブ路線を表現する因幡はねる。歌詞の中に「うわち」や「老人ホーム」など配信中で話題にしたものが入っているのも、ファンには嬉しい部分です。
盛りだくさん!「VocaDuo2025」作品ピックアップ!
「VocaDuo2025」はボカロPと歌い手、絵師、MIX師、動画師、演奏家等々がチームとしてコラボして作品を投稿する創作音楽イベント。7月1日から7日まで開催されました。
今回は5回目。VTuber・VSingerも幅広いジャンルで参加しています。
その中から何作かピックアップ! ごくごく一部なので、気になる人はYouTubeで「#VocaDuo2025」または「#ボカデュオ2025」と検索してみて下さい。
星降こゆ、millinらのチーム「みりこゆ×オン・ステージ!」がアップしたのは、「#VocaDuo2025」の作品でもかなりの異色作。星降こゆに誘われてmillinがアイドルになるという物語形式で、歌の進行がふたりのアイドル生活を追っていくミュージカル的作品です。ふたりの成長が、この一曲の中に込められています。
獅子神レオナらのチーム「炭酸は缶しか勝たんだろ!」の「ガベル -Gavel」はかなりトリッキーな楽曲。歌唱表現力と同時に演技力も求められるこの作品を、かっこよく、かわいく、妖しく獅子神レオナひとりで歌いわけ、ファンを驚かせました。
花園セレナらのチーム「ネコと和解せよ」による「バステト(Birthday to..)」は、エジプトの猫の神様バステトと「Birthday to U…」を引っ掛けた作品。耳元で「Birthday to U…」新しく生まれなよ、と囁く声がくせになります。
めんだこちゃんらのチームがアップしたのは、短いながらもディープな世界観を持つこの作品。序盤の穏やかさ、中盤の狂い始めるパート、後半のがなりの入った人ならざるものの咆哮と見事に歌い分けられています。
https://www.youtube.com/watch?v=qgaJt3kKoHU
箱乃なかみらのチーム「B.H.K~バーガーキングでハイネケンをキメる会~」がアップしたのは、通る声が魅力の箱乃なかみのボーカル、チップチューン的音源のエレクトロニカ、ヘビーメタルとryo-shunのスクリームと、エレクトロニコアがきれいにまとまった楽しい作品です。
雅桜おみは「#VocaDuo2025」に積極的に取り組んでいるひとりです。
チーム「しょくぱんのしおやき」の「PARTY NIGHT」は90年代クラブサウンドにメタルロックを組み合わせたようなサウンドを、パワフルに、デスボイス交えて披露しています。
チーム「めちゃくちゃカルテット」の「隠れ鬼」では、日本の伝承を感じさせる歌詞をダンサブルなメロディで飾る一作。果たして「鬼」「化け物」とは一体なんのこと?
チーム「雨傘の中」による「蛹のままで」は、あらゆる音楽ジャンルを飲み込んで生み出したかのようなメロディが印象的。インナーな歌詞を深く潜るように歌うボーカルがぴったりマッチしています。
チーム「ゴースト★便座カバーズ」の「Scarlet Lobelia」はサビパートの感情の爆発が印象的な作品。後半のサビのラッシュを歌いこなす雅桜おみのパワーは見事です。
かなり幅広いボーカルをこなす雅桜おみ。4曲聴くだけでその表現力の幅の広さが伝わると思うので、是非聴き比べてみて下さい。
夕凪潮も積極的にこのイベントに取り組んでいるひとり。
チーム「けばけばけもの」の作品でぐっと眼を引くのは、ブラウン管テレビに映し出された映像。意図的に古めかしいものにすることで、歌詞と歌声の持つ不安定な感情がより強く引き出されています。
チーム「Internet cafe」の「現実珈琲」はAメロの優しい空気感とサビの爆発するメロディと歌声のギャップに驚かされる作品。変拍子ドラムンベースのような激しいメロディを見事に自分のものとして歌い上げています。
チーム「流体力学」の「セブンス」はエモーショナルなベースとギターのかけあいをボーカルがきれいにまとめている作品。夕凪潮の感情が静かにあふれる歌声が、見事にはまっている作品です。
チーム「ゆめむく」の「lip sync」は映像のアイデアにびっくり。歌詞の母音が右に表示されており、その流れに合わせてメインウインドウの夕凪潮がリップシンクして歌っていく形式になっています。その他YouTubeらしいギミックなどもてんこ盛りにしながら、夕凪潮の柔らかな歌声に集中させるような作りのMVに仕上げられています。
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