複数のバーチャルシンガーが所属するKAMITSUBAKI STUDIOが、Web3エンターテインメントの方針を転換し、VRChatなど既存のメタバース空間を活用すると発表しました。

(KAMITSUBAKI VERSE PROJECT 発足時のプレスリリースより)
KAMITSUBAKI STUDIOでは、2022年にWeb3コミュニティ「KAMITSUBAKI DAO」を、2023年にストーリープロトタイピングカンパニー「深化 (FUKAIKA)」を発足し、仮想都市「神椿市」のメタバース化を目指して「KAMITSUBAKI VERSE PROJECT」を始動しましてきました。
今回の発表では組織構造が変化しており「KAMITSUBAKI VERSE PROJECT」が「KAMITSUBAKI CITY PROJECT」に名称変更。Web2とWeb3に分かれていた部分を一本化し、「神椿市」の物語と世界観を展開していくためのメディアミックスプロジェクトとして方針を固めました。
メタバースの方向転換と、VRChatライブの成功
今回の発表で特に注目すべき部分は、「一番大きな方向転換となっているのがメタバース」であると述べている点です。「KAMITSUBAKI VERSE PROJECT」では、自社のバーチャルアーティストたちの拠点「神椿市」のメタバース化を目標としてきましたが、現時点ではゼロからのメタバースを実現するには至っていません。
一方、2024年5月のバーチャルシンガーCIELさんの単独公演「CIEL 1st VIRTUAL LIVE 空想劇 -神椿市伍番街-」では、イアリンジャパンとともにVRChatライブを実施し、バーチャル業界内外のクリエイターやファンから大きな反響を得たとのこと。今後は「独自でのメタバースの実現」ではなくVRChatなどの既存プラットフォームを活用していくと明らかにしています。
本ライブのレポートはこちら。
「深化」のコンテンツの今後について
「深化」によって生まれたコンテンツについても言及。Web3連動型アーティストプロジェクトとして始動した「少女革命計画」は、今後はWeb3の文脈には拘らずに活動していくと明かしています。一方で、ジェネレーティブNFTアート「KAMITSUBAKI Resident Genesis」は、今後も継続していくとのこと。
KAMITSUBAKI STUDIOの統括プロデューサーPIEDPIPER氏によれば、Web2とWeb3を行き来しながら試行錯誤してきた結果、やや複雑になってしまった「神椿市」の文脈をもう一度シンプル化しようと考えて「KAMITSUBAKI CITY PROJECT」へリニューアルをする決断をしたと明かしています。深化自体も「PIEDPIPER個人の創作拠点」としてチームを縮小すると述べました。
KAMITSUBAKI STUDIO、神椿市の現在
Web3により複雑化した「KAMITSUBAKI VERSE PROJECT」ですが、近年の神椿市のプロジェクト自体は、比較的コンスタントにリリースされています。特に、これまで期間限定の代替現実ゲームやTRPGなどでしか体験できなかった「神椿市建設中。」が、アドベンチャーゲームとして再構築され、PCや一般家庭ゲーム機で遊べるようになるなど、間口が広がりました。
2025年7月にはTVアニメも放送されることが決定していますが、アニメ化に至るまで、深化の下で始動した「SINKA LIVE」や「SINKA ANIMATION PROJECT」といった過程を踏んでおり、試行錯誤してきた中で一番意味のあったことであると述べています。
(参考)深化 公式サイト

