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VTuber 2019.01.29

海外VTuber最新事情レポ : 第一回 台湾編

VTuberに関する話題は、日本だけに留まらず、いまではアジアなどを中心とした世界中でも徐々に増えつつあります。

世界中のVTuberの最新情報をお伝えする連載の第一回目は、台湾VTuber同好会の提供により、台湾の最新動向や活動をお伝えします。

台湾VTuber同好会とは…

Discordや、台湾の大手ゲームメディア「Bahamut(バハムート)」の掲示板などを交流の主体とする、台湾のVTuber本人もしくはファンによる国内外のVTuberに関係した情報共有を目的とした有志のコミュニティ。2018年8月に活動を開始し現在のディスコード会員数は約200人。台湾のほぼすべてのVTuberが所属する最大のコミュニティ。

実績として、11月3日公開された世界各国のVTuber事情をプレゼンする企画「V-To World」でのプレゼン (音無りずむチャンネル)。年に一度台北で開催されるアニメ・ゲーム・漫画等のファン交流で最大級のイベントや、バハムートのイベントなどでVTuberを紹介するブースを出展等。台湾の企業とのコネクションも持つ。


(イベント出展:配置中の様子)


(配置中の様子その2)


(配置完了)


(イベントの様子)


(イベントの様子その2)

(当日のVRゲームの体験コーナー)

台湾のVTuber概要

台湾でもっとも認知度が高い地元密着型のVTuberは、Yahoo! TVのフニーさんです。海外VTuberの中でも台湾のイベントにも度々ゲスト出演しています。「サマーウォーズ」などで有名なアニメーション監督・細田守氏とのトークを行った動画や、観光用の中国語を勉強する動画なども投稿しており、日本人にとっても親しみやすい動画が多いのではないでしょうか。

VTuberの動画を観る際の最大のプラットフォームは日本と同様にYouTubeですが、Yahoo! TVや17 Live(イチナナ)といった台湾独自の動画サイトや中国のBiliBiliも使用されているようです。イチナナはアズマリムさんやときのそらさん等、有名なVTuberも参戦しています (ただし、配信は日本語のみが大半)

Yahoo!TV所属のVTuberはフニーさん以外にも恋愛相談や女性向けコンテンツを発信していたチャンネル主がVTuberになり、番組MCを務めるMeiMei美周秀さん等、まだ数は少ないものの様々なチャンネルが今後増えていくと予想されます。最近ではYouTube上で、台北高雄市の観光情報を発信してくことを発表したYameme閻小妹さんというVTuberなどもいます。

台湾のVTuberファンたちは、元々日本のアニメや漫画などが大好きなオタク層が多く、翻訳無しで動画を楽しむ人も多いです。しかし更なる拡大に向けて字幕も必要で、熱心なファンにより中国語への翻訳が行われています。

台湾VTuber同好会ではDiscord内で翻訳者同士の交流の場もあり、英語が出来る人、日本語が出来る人で好きなVtuberを語り合いながらそれぞれの形で日々応援しています。

公視」という台湾のネットニュース番組において、VTuberのことが取り上げられることもありましたが、まだまだVTuberに特化したメディアは無く、台湾の中ではバハムートやコミカ(KOMICA)等の掲示板などでファンやコミュニティの中での情報共有が多いとのこと。

最近の例だと、台湾のファンの間でピンキーホップヘップバーンさんも話題が出たり、最新の情報も追いかけているようです。現状では日本語を翻訳する人のメディアのみからしか情報が無く、台湾VTuberについて現地から情報発信するプレイヤーはまだまだ少なそうです。

台湾国内での企業や教育機関の動き

日本ほどではないものの、VTuberが活躍するイベントが増えています。

また、単発のイベントのみならずバーチャルタレント育成に向け、国内の複数の高専や大学といった教育機関と動画、声優、プロダクションなどの企業を結ぶ「台灣VTuber聯盟(台湾VTuber連盟)」が東南科技大學(※1)によって組織されたりと、各国と比較しても本気度の高さが高く伺えます。

(※1 東南工業専科学校として開校、映像コンテンツを企業と共同作成し、台湾国内のコンテンツ関係の業界人を多く輩出している)
この垂直統合された連盟を通じ、VTuberに興味のある学生や社会人に向けて総合的な研修を行える場が提供されたり、ノウハウの共有が業界全体で行われることが期待されています。

台灣VTuber聯盟では現在、台湾のVTuberが100人超えることを目指し、大掛かりなイベントが用意されているとの話もあります。
後々は日本のVTuberとのコラボなども通じ、世界へ台湾のVTuberを発信していくことも視野に入れているため、今後この連盟を通じた日本企業とのコラボ等も期待されます。

台湾現地のVTuber認知具合をインタビュー

12月7日、カドカワ台湾支社にて、声優の教育等を専門とした角川国際動漫教育において、 第1回声優成果発表会という催しが開催されました。

これは台湾のプロも学ぶ声優の専門学校による、声優個人と会社の交流会を目的としたイベントであり、フニーさんを運営するYahoo!TV、upd8の所属タレントでもありシンガー系VTuber、K’waの事務所であるKKBOX(音楽配信サービス会社)、紅棒製作(映像制作)、傳奇網路(ゲーム会社)等、現地ではネームバリューの高い会社が見学に訪れました。

KKBOXは自らのVTuberのプロデュースを目指していることも明言しており、今回の目的は自社VTuberのオーディションを目的にきたこととも考えられます(FaceBook公式ページ)。


(発表会看板)


(発表会の現場の様子)

台湾VTuber同好会もこのイベントに参加し、発表会が終わった後にはVTuberに関する話を行い、参加者のうちの何人かは元々興味があったとの反応。その中には過去に台北にじさんじのオーディションの落選経験のある人もいたとのこと。ゆくゆくは自らVTuberとなる夢は諦めていないとのことでした。

台湾VTuber同好会はこのイベントにおいて、3人の学生(白熊、泡泡、克歐斯爾)にVTuberのイメージ、VTuberというジャンルへの期待をインタビューしました。


(声優の演技発表の様子)


(生徒たちの声のDEMO試聴コーナー)

1.VTuberというジャンルを知っていますか?

白熊:知ってます、四天王や有名どころは一通りわかりますよ。自分も(VTuberフォロー用の)YouTubeのチャンネルをもってます。

泡泡:知ってます、電脳少女シロちゃん、剣持刀也(原文訳 : 顎が尖った力也さん)、森中花咲ちゃん。

克歐:一応知っていますが、キズナアイちゃんの動画しか観ていません。

2. VTuberの最も重要な部分は何だと思いますか?

白熊:リアクションやVTuber同士のやりとりが大事なことじゃないかと。2つ目はサポートのスタッフたち、流行を敏感に掴み取ることも必要だと思います、流行にもちゃんと乗れるように企画力が試されるんじゃないでしょうか。

泡泡:リアルさと現実感が大事だと思います、ちゃんと独立した存在でなければならないですね。

克歐:声が大事です。あとはVTuberの特性や企画、どんな形でPRしたいとかもありますが、結局一番大事なのは個性だと思います。

3. もし機会があればどんなVTuberとして参加してみたいですか?どんな風になりたいですか?

白熊:参加したいです、私は「よゐこ」のゲーム実況のような実況したいです、特に有野課長の実況スタイルがとてもリアルなので、視聴者さんたちのリアクションもリアルさがあって面白いですね。

泡泡 : 興味あります。ただ、いまゲーム実況の人が多すぎますよね。
もし自分らしさを演出するなら、私は不人気な知識紹介をやって行きたいと思います、例えばあまり人が知らない神話の話とか。そうすれば他の人と差別化は出来ますよね。

克歐:興味あるよ、ゲーム実況とかかなぁ。

以上が、台湾VTuber同好会が現場で行った簡単なインタビューでした。

コミュニケーションとプロモーションに焦点を当てた、簡単なインタビューですが、交流やインタビューの過程で、多くの生徒たちはVTuber関連ニュースを望んでいる事実を知りました。

角川国際動漫教育内では第二回の企画が既にあがっており、今後日系企業が見学を希望する場合は広く門戸を開きたいとのこと。詳細は今後台湾Vtuber同好会も発表していく予定。

現段階で2019年企画されているイベント (筆者調べ) :
1月 : (現在エントリー期間) 台湾VTuber連盟による [100人VTuberオーディション]
今後イベントがあり次第、台湾VTuber同好会より発信予定。

台湾VTuber同好会Twitter : https://twitter.com/Viva_Vtuber_Mai

記事作成 : Azreta

日本ネットの流行りが大好きな台湾人。
夢は世界平和です

翻訳協力 : Sora 

きらっきー☆
世界にVTuberを拡げたいです~!


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