Home » VRデバイスを処方し弱視や斜視の治療 処方用アプリが登場


医療・福祉 2017.10.16

VRデバイスを処方し弱視や斜視の治療 処方用アプリが登場

VRは目の弱視や斜視の治療に有効であるとしてソフトウェアの開発を進めているアメリカのスタートアップがあります。

Vivid Vision社は、VRを用いて弱視・斜視障がいの治療を行う製品として、2015年から検眼医の治療で活用されてきました。今は新たに、自宅でも目の治療が行える『Vivid Vision Home』を発表しました。

VRHMDで目を治療する

Vivid Visionは両目に異なった情報を与えることで視覚を刺激し弱視や斜視の治療を図る、バーチャルリアリティを用いた医療技術です。このソフトの開発は、Vivid Vision社の前身となるDiplopias社がジェームス・ブラハ氏によって設立された2013年から始まりました。現在までにVRヘッドセットとソフトウェアを組み合わせた治療方法が全米の100以上の眼科医院で利用されています

今回発表された『Vivid Vision Home』はこうした治療を自宅でも利用できるようにしたもので、今までと同様に検眼治療を行うことができます。Gear VRとOculus Rift、HTC Viveに対応しています。利用を希望する医師は、同社の公式サイトよりログインし、ソフトウェアをダウンロードすることになります。現在はアメリカとカナダの医師に限定されています。家庭ではより便利で柔軟な治療が可能になり、治療の成功率が向上すると考えられています。

Vivid Visionは、同社のソフトウェアが弱視、斜視、輻輳不全に対して有効であるとしています。これはVRヘッドマウントディスプレイで両目それぞれに映像を提示する際、弱い目への視覚刺激を増加させ、優位な目への視覚刺激を減少させることによって機能しています。
たとえばゲームをプレイする際、弱い目にのみ重要となる情報を提示し、脳がその目からの情報を頼りにするように誘導するといった治療法になっています。以下の動画では、いくつかのコンテンツを見ることができます。

BioMed Journal of Ophthalmology誌で6月に発表されたVivid Visionの研究では、「成人期の弱視に対する新たな治療の可能性を示している」と述べています。

『Vivid Vision Home』を採用している医師は、患者に対してこの治療法が適切かどうかを診察し、適切であればVRデバイスを通したソフトウェアベースの治療を処方します。処方後は、医師はソフトウェアを通じて遠隔で経過を観察することが可能です。

(参考)
Eye Doctors Can Now Prescribe VR Lazy-eye Treatment for Home Use / Road to VR(英語)
https://www.roadtovr.com/eye-doctors-can-now-prescribe-vivid-visions-vr-lazy-eye-treatment-for-home-use/

Mogura VRは、Road to VRとパートナーシップを結んでいます。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード