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業界動向 2018.05.30

VR制作・公開を簡単に 凸版印刷が新サービス開始

凸版印刷株式会社は、対象物を360度回転させて閲覧できるタイプのVRコンテンツを、自動生成できるシステムを新たに開発しました。商品など対象物を周囲からカメラの動画モードで360度撮影し、クラウド上のCMS(Contents Management System)へアップロードすることで、簡単な制作・公開を実現します。

また、これらの機能に同社が提供する「PANOCLOUD360」や「dougaVR」を合わせてパッケージ化したクラウド型新CMS「doitVR(ドゥーイットブイアール)」の提供を、5月29日より本格的に開始します。

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凸版印刷のVR事業

凸版印刷は、VRコンテンツプラットフォームの開発を手がける株式会社アジェンシアと共同で、全天球パノラマ画像・映像によるツアーコンテンツ向けVR静止画用CMS「PANOCLOUD360」や、VR動画用CMS「dougaVR」サービスを2016年から展開しています。

「PANOCLOUD360」は、複数の全天球画像の組合せなどによる、パノラマツアーコンテンツの編集、公開ができるクラウド型CMSです。自治体や不動産、自動車業界など、さまざまな分野で活用されています。

「dougaVR」は、「PANOCLOUD360」の動画版です。各種プロモーションや技術伝承、教育などの分野で活用されています。

新サービス「doitVR」により、さまざまな360度パノラマコンテンツの、同一プラットフォーム上での簡単な制作・公開が可能になります。例えば、空間の360度画像や映像によるコンテンツの他、対象物自体を自由に360度回転させて閲覧できるコンテンツなどが製作可能です。これによって、対象物の魅力を余すところなく訴求できます。

本サービスは本格販売に先立ち、岐阜県高山市が祭屋台や照蓮寺本堂などの、高山市の日本遺産主要構成文化財33コンテンツで採用。国内外の観光客に向けたプロモーション施策として、その魅力の訴求に活用しています。

高山市のコンテンツは、構成文化財ごとに現地に設置されている説明看板などに掲載されたQRコードをスマートフォンで読み取り、閲覧できます。また、凸版印刷が提供する観光ガイドアプリ「旅道®-TABIDO-」からもアクセス可能です。

「doitVR」の特長

対象物を周囲から動画で撮影し、オブジェクトVRの生成が可能

スマートフォンの動画モードで対象物の周囲を一周撮影した動画などから、クラウド上のプログラムによって自動的にオブジェクトVRを生成・公開することができます。

静止画VRや動画VRコンテンツも同一アカウントで生成可能

全天球パノラマツアーコンテンツ静止画用CMS「PANOCLOUD360」や動画用CMS「dougaVR」に加えた複合型サービスとして、利用できます。

スマホ用簡易ヘッドセット「VRscope」にも対応

制作したコンテンツは、PCはもちろんスマートフォンでの閲覧も可能です。凸版印刷が提供する簡易ヘッドセット「VRscope」にも対応。安価ながら高い臨場感を提供できます。

「旅道-TABIDO-」と連携したプロモーションにも対応

凸版印刷が提供する、自動音声翻訳が可能な観光ガイドアプリ「旅道-TABIDO-」と連携し、360度VRコンテンツを活用したプロモーションが可能です。

開発の背景

消費者のライフスタイルの変化やメディアの多様化などにより、企業と消費者をつなぐコミュニケーション手法は大きな変化を見せています。特にエンターテインメントや観光分野においてVRを活用したビジネスが活性化。市場規模は2020年までに約8兆円に拡大すると推測されています。

一方全天球カメラの台頭により360度パノラマ映像の撮影が身近なものとなり、その映像を用いて簡単にVRコンテンツが制作できるようになりました。しかし、そのコンテンツをアプリやWebなどで公開するには特別な知識や設備が必要なため、負荷を軽減する仕組みが必要でした。

凸版印刷は今回、従来提供するVRコンテンツ向けCMSサービスのラインアップに「doitVR」を追加。専門知識がなくてもVRコンテンツを簡単に制作・公開できるようにしました。

同社は、本サービスを自治体や観光関連事業者、メーカーや住宅業界などに向け拡販。2020年に関連受注を含め約2億円の売上を目指します。
また今後もアジェンシアと共同で、本サービスや関連事業に関し、技術開発などを行っていきます。

(参考)凸版印刷株式会社プレスリリース


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